奇跡のバランス

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藤川球児が自主トレ先のタンパから戻って、大いに語っているようだ(サンスポ)。


もともと「語るタイプ」だけど、充実した自主トレで自信がみなぎっているということなんじゃないかな。87キロから82キロに減量して、かつ筋肉量が増えているということだから、かなり劇的な肉体改造がされたと言えるだろう。
出発前、ポスティング希望を口にして話題になった。今年の五輪本戦、V奪回を目指すペナントレース、来年の第2回WBC…メジャー挑戦の希望がいつ叶うのかはわからないが、その前に藤川が越えていかなければいけない壁は、日本国内にいくつもある。それを強く意識しているから、休むことより鍛えること、このオフのタンパ自主トレに向かったのだろう。
トレーニング内容の記事(サンスポ)を読む限り、狙いは基礎的体力の強化と、体力が落ちた時にいかに瞬発力を維持するかということにあるようだ。簡単に言えば、いかにバテない体を作るか、バテてきた時期にどれだけ浮き上がる直球を投げられるか、球児の課題はこれに尽きる。
けっこう微妙な問題も含んでいると思う。藤川球児の直球は、奇跡のバランスの上に成り立っているものだと思うから。
正しい例かどうか疑わしいが、14才の岩崎恭子がバルセロナ平泳ぎで金メダルを取ったが、その後世界大会で上位に食い込むことさえなかった。水泳という「物理学(流体力学)が命」の競技において、オリンピック当日の岩崎恭子の肉体は奇跡のバランスを保っていたのだろうと思う。
藤川が体を作っていく時には、この「バランスを崩さない」というテーマも重要になってくる。
浮き上がる直球、その秘密はバックスピンの量。最後、指が離れる時、縫い目に指先をかけて「切る」、その鋭さ。それを生み出す手首、ひじ、肩、腰、脚の付け根、膝、足首、各関節が作る角度と動き、可動域。それを支える筋肉の働き、量、強さ。模型を作って再現することはできても、他の者に決して真似のできないフォームがあって初めて、「物理学的には可能」というレベルの回転運動を生み出すことができる。それは本人の努力と授けられたギフトの奇跡のバランスでもある。
その奇跡を楽しませてもらう立場の私たちは、常にそのありがたさを感じなければいけない。他に何ができる?
3連投させたら、自軍ベンチに向かってスタンドから大ブーイングを浴びせてやることにするか(笑)。
藤川の奇跡は、そういう類のものだと思う。

コメント

  1. ichiken より:

    >自軍ベンチに向かってスタンドから大ブーイングを浴びせてやることにするか
    はーい。練習しときまーす(笑)
    こら!おかだ!
    ごらぁ?、おかだ?!
    ごるぁぁ?っ、おかだ?っ!!

  2. やっぱりトラ! より:

    わが阪神には他にもいろいろ奇跡がありそうである。
    1.あの監督のご子息の優秀さ
    2.あの監督の奥様の聡明さ
    3.あの監督の存在そのもの
    あれま…これ以上思いつかん!

  3. 一虎ファン より:

    正直言って、藤川がここまで長持ちするとは思っていませんでした。
    1シーズンだけの、刹那的な輝きだと思っていました。
    本人の切磋琢磨と体調管理が行き届いているのでしょう。
    日本一が決まったときのマウンドに、藤川が立っていることを切に願っています。

  4. 源五郎丸 より:

    この奇跡を継続するためにも、来シーズンは先発陣に奮起してほしいです。正直昨シーズンは出てきてほしいという気持ちと、休ませてあげてくれという気持ちが相反していましたので。

  5. 西田辺 より:

    皆がどこかで、球児の投球に儚さを感じるのは
    toraoさんの云われる奇跡的な何かに立脚した
    物であることを知っているのでしょうね。
    「こんな凄い真っ直ぐ奇跡的であるけど、そう
    長くは見れないんじゃないか」
    「明日フッと居なくなるんじゃないか」
    そんな不安が常に付きまとう。
    でも、球児はファンのそんな思いと、己の肉体に
    真っ向から戦いを挑んだ。
    全ての儚さ、不安を振り払って、あのストレートを
    絶対的能力にする為に。
    球児エボリューションバージョン、楽しみだ。

  6. とらさぽ より:

    toraoさん、はじめまして。
    毎日愛読させていただいてます。
    以前toraoさんがおっしゃっていた、「球児のストレートは正座して見る」。
    …昨シーズン、その言葉に影響され、テレビ観戦する際私は9回には本当にテレビの前で正座して、球児の投球動作とボールを固唾を飲んで見守ってしまっていました。
    …今シーズンはスタンドで風船片手に正座します(笑)

  7. torao より:

    to ichikenさま
    「コラの三段活用」良くできました(笑)。
    to やっぱりトラ!さま
    ありそうでないから奇跡なんですね(笑)。
    to 一虎ファンさま
    「手柄は全部選手」でもまあ良いのですが、首脳陣やトレーナー陣の功績も認めるべきなのかも知れません。
    to 源五郎丸さま
    ね。打つこと、先発が粘ること。絶対に必要です。
    to 西田辺さま
    まあ経験上、「すごいものは長く見られない」というのがありますからね。まだ数年とはいえ、大したものです。
    to とらさぽさま
    はじめまして、ようこそお越し下さいました。
    また固唾を飲んで見ていると、なかなか投げないんですわ、球児って男は(笑)。あれ、つっこみ役がとなりにいたら、絶対「はよ投げぃ!」ってどつく間ですよ(笑)。

  8. おっさん より:

    はじめまして。
    毎日拝見させていただいております。
    球児のストレート…自分は2005年、甲子園の楽天戦、バッターは忘れたけど、三人ともを典型的な”振り遅れ”で三振に抑えた姿(テレビですが)を忘れません。
    言い方は悪いけど「2005年限定の確変投手」と自分は思ってたし、それが昨年も見られるなんて、あの時は想像もしていませんでした。
    そしてあのストレートが、(おそらく)今年も見られるということが、この記事を読んでうれしく思えるようになりました。
    これからも時々きます。よろしくお願いいたします。

  9. torao より:

    to おっさんさま
    ようこそお越し下さいました。
    そう思いますよね。長く野球を見ている人ほど、こんなにすごいモノは続かないと思ったでしょう。ありがたいことです。
    こちらこそよろしくお願いします。

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