上手い上手い!

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梅雨入り後とは思えない好天の日曜日、交流戦6試合すべて1点差以下の大熱戦。


サヨナラが3つ、延長が2つ。あちこちでお客さんもよく入ったようで素晴らしい。
前日のミラクル大逆転で勢いに乗りたいと誰もが願っていた試合で、またしても手も足も出ない攻撃で12回やって無得点。投手陣は踏ん張って無失点。このゼロゼロ分けをどう評価するかは自由にしたら良いと思うが、「前日の試合があって、次戦の重要度がわかっていながら零封されるとは嘆かわしい」というのは手前勝手すぎるように思う。重要度から言ったらマリーンズにとっての方が格段に上だ。パの首位を走っているが、Fの追い上げは激しく、Hの地力も堅い。そんな中でも、投打ガッチリ噛み合った状態から、前日のまさかの逆転負けを機に不調のタイガースに連敗するようでは、チャンスがある交流戦優勝賞金が消えるだけでなく、首位戦線からの急降下もあり得る。「これで勢いをつけて」程度のタイガースとはそのモチベーションの切迫度が全然違うはず。
とは言え、前日の試合の持つパワーは並みではなかったのだから、その押し寄せる波動を食い止めたM先発成瀬の投球は物凄かった。もともと優柔不断なタイガース打線がもっとも苦手とするタイプではあるが、それにしても物凄かった。タイガースの逆転劇が神懸かりなら、この日の成瀬も神懸かりだったと思う。外角低め直球がビタビタ。しかもギリギリのストライクとギリギリのボールを意識して投げ分ける。まずこれだけで普通打てんて(笑)。それなのに内角低めまでビタビタ。おまけに手元に来てから曲がるスライダーとシュートがあったらどうせいちゅうねん。
やるとするなら、とにかく内か外か、どっちか捨てて、小芝居でも演じながら狙い球を仕留めるくらいだろうが、そうなれば今度は緩急で攻められる。まだまだ抑える引き出しが余っていたと思う。
そんな成瀬に対して6回と9回に無死の走者を出し、桜井と赤星がいずれも綺麗に送りバントを決めた。試合展開からしてもポコッと1点入って、判定では大差で負けていたのに一発のラッキーパンチで勝つようなことになるかもと思わせたが、頼みの林、金本に対してそれをも許さぬスキのない投球をされてしまった。
1回、3回に出した走者を、それこそ勢いに乗って作戦絡みで動かしたかったというのはある。それとDHに前日の立役者の一人狩野ではなく、矢野を入れたのがちょっと残念。結果は結果として、できるだけ流れを生かしたいのなら、メンバーにもそういうところを入れても良いと思った。だがまあ、やられて悔いなしの投球だったと早く切り替えられるんじゃないかな。
前日は突然のことで不本意な投球となった、薮田と小林雅も実力を発揮しちゃった。秀太もせめて盗塁死ならね、まったく。
相手がそんな風だったのだから、1点で負けた試合を負けなかった投手陣の頑張りこそ褒め称えるべき。もともとマリーンズ打線は現在12球団最強なんだから、この零封はすごいことだと誇って良い。
特にジャンはよく頑張った。右打者のふところをえぐるように食い込む直球と、スライダー気味に沈むフォークが有効だった。早いテンポでマリーンズの打者を十分にしなかったのも良かった。
投げようとする時に打席を外されること二度。下柳ばりにマウンド周辺をぐるーりと回って気を落ち着けたり、帽子を振って汗を絞ったり(あの帽子の中からなぜそんな大量の汗が出てくるのか不思議)、まあ自分なりに工夫をしながら気を落ち着かせていた。その度にMファンからブーイングを浴びせられ、そしてその後に投げる球が必ずフォークでワンバウンドになったのが結果的に良かったのかもね(笑)。
そしてなぜだか上手くいく野口とのコンビが良かったね。異変を感じる度に間を取ってコミュニケーションを取った。ジャンが野口の両肩に手を置いて、「大丈夫だから心配すんな」って説明する様(?)が妙におかしかった。「いいから!大丈夫だから早くボールよこせ!」って言われても、なかなかボールを渡さなかったりね。上手い上手い。
野口はもうバッテリーコーチへの道を歩み始めるのかと決めつけていたんだけど、ここにきてやけに存在感がある。この人もなかなか面白いよね。それにしても3億円の戦力を戦力化するために、野口の力が必要になるとはまったく思わなかったけどね(笑)。ノグっさんGJ。

コメント

  1. ichiken より:

    「なにみんなして心配そうな顔してんだよ、大丈夫だよ!」
    といいながら、わざと「ニコっ!」としてみせるジャン。
    「イライラしてへんわっ!!」
    とイライラしながら言ってそうなジャン。
    がんばりましたね。 ^^

  2. 西田辺 より:

    ジャン&ノグコンビ。
    何故だか知らないけど、ピッタリ合っちゃう組み合わせ
    って有るんですよね。
    相性と言ってしまえば、それまでですけど。
    かつては鈴木啓?有田とか。
    ピッチャーって人種は基本的に我侭だから、合う捕手の
    タイプも様々なのかも。
    包み込む母親タイプ。
    何でもドンと来いの姉御タイプ。
    締めるとこは締めるの嫁タイプ。
    俺(投手)が引っ張ってやるんだの妹タイプ。
    決してアッチ方面のアレではないけど(笑)
    何処かで女性的なものを捕手に求めているのかも。
    と、西田辺的勝手な仮説でした(笑)

  3. いわほー より:

    勝って2勝2敗でマリーンズと「痛み分け」といきたかったのですが、チーム力からいっても1勝2敗1分は良くやったほうかもしれませんね。
    それにしてもジャンと野口のバッテリーはなんとも楽しめました。ジャンの人を食った仕草にマリサポもブーイングの嵐。いやいや面白い。この後もあのコンビで行かせたいですね。
    ひとつだけ、ジャンの投球で里崎の背中を通過した一球。故意か否かは分かりませんが、あの時のジャンの目は笑っていなかったように思うんですが。ジャンなりの「お返し」だったのでしょうか?あらためて外国人投手を感じさせたシーンに思えたのですが。
    秀太よ、めげずに次がんばってくれ!

  4. torao より:

    to ichikenさま
    野口がジャンはジャンなりに考えているってコメントしてますね。面白いですね。ひょっとしたらイライラしているフリをして、待ちのサインを出させて追い込んじゃうとか、そんなこともやっていたかも。
    to 西田辺さま
    「酔ってないんだから、もう1本持ってこい」「馬鹿だねこの人は、自分を酔ってないって言う人は酔っぱらいしかいないんだよ」みたいな、落語に出てきそうな夫婦でしたね。Y&Nは。
    to いわほーさま
    そうでしたね。そしてそのウラにすぐ鳥谷の背中に通す精密機械成瀬(というか里崎)。どうも私は、このアメリカ軍隊式野球がなじみません。
    私も高校のバスケ部で補欠選手だったことがあるから、秀太のあの状況ってわかるような気がします。そういうレベルでやっていることが悲しすぎではありますが…(笑)。

  5. 一虎ファン より:

    一昨日の勝ち越し後の「まあそれはもう余勢ってもんで」の2点、昨日に持ち越しできたら…。
    ロッテとは10月にもう一度戦いましょう。
    2005年のリベンジだ!
    首を洗って待っていろ!(と言うだけは言ってみる。)
    それにしても、今岡の初球打ちフラフラ?とファールフライ、何度見せられるのでしょう。またしても、泣けちゃいます。
    どこか痛めているのでしょうか。それとも、早くゲームを終わらせたい個人的な事情でもあるのでしょうか(笑)。

  6. 藤村珂南 より:

    いつも思うのですが、ジャンや(昨日は登板無しでしたが)ダーウィンは、いつでも楽しんで投げてるように見受けられます。
    投球内容以上に、そのポジティブ姿勢が、観てるこちらの気持ちを明るくしてくれるというか。
    中継ぎ陣のリーダー格となったジェフといい、彼らが明るくていいポテンシャルを保ってくれるから、ついつい悲壮になりがちな展開でも、悪い意味で引きずらずに済むような気がしてなりません。
    そーいやイガー君も、野口とは相性良かったですなあ。
    矢野とは違う方向で、ノセるのが巧いのかなあとしみじみ。
    それとも、マイペース人間に付き合えるだけの気の長さがあるとか???
    (いやほら、矢野さんは釣り好きですし、一般的に釣り好きは短気が多いと言いますし…!)

  7. 酔虎伝 より:

    お久しぶりです。
    余りにも弱くて、あほらしくて、
    真面目に見ていませんでした。
    なんか弱いトラに
    戻ってしまったような気がします。
    ここまで来ると、
    岡田を擁護し切れません。
    少なくとも、
    明るい監督の方が良いかも。
    たまにある劇的な勝利を楽しみにして、
    だらだら見ている、
    というパターンに戻った気がします。
    来年は兎も角、
    今年の打開策はあるのでしょうか?

  8. はみ より:

    秀太、ねえ…秀太…どうしてアナタは秀太なの、という感じです。試合に出てくるたび「怒声の用意はできていますか?」になっている自分がいます。そういう空気を読んでしまうのかなあ。なにをやらかしても、まあ、秀太やし…とも言えるのですが。
    ウチの監督が抗議に出てきた「守備妨害?」なアレ、どうにもあちらが「上手だったな」って気がして仕方がありません。自分でバント失敗してファウルになったボールを拾っちゃう関本と比べても…まあ、その「しょーもなさ」も含めてファンなんですけどね。ははははは(笑泣
    ノグさん、ほんといい仕事してますね。ちょっと嬉しいな。

  9. torao より:

    to 一虎ファンさま
    もしも「得点した回の終了後、1試合につき1度に限り、その回に上げた得点のうちの任意の点数を翌試合に持ち越しすることを宣言できる。その得点は翌日に回され、現在の試合にはカウントされない」っていうルールがあればなぁ…と昔から何度も考えたことがあります。なんか面白そうでしょ?(笑)。
    今岡、個人的な事情があるかも知れませんね(笑)。
    to 藤村珂南さま
    いやあ、でもイライラしっぱなしのジャンはあまり楽しそうでもなかったかな(笑)。そもそもこんな異国の地にチャンスを求めに来るのですから、そらもうポジティブというかダイビングというか、暗い顔してなんてやっとれませんわな。
    野口は「なあに、そうそうは打てないよ」っていうリードをする時があって、そういうのがハマると良いですよね。釣り好きは短気なんだ、逆だと思ってました。
    to 酔虎伝さま
    >今年の打開策はあるのでしょうか?
    酔虎伝さんにそんなこと言われると困っちゃうんですけど(笑)。これからいろんな人の気持ちが複雑に絡み合った人間臭い展開になると思いますよ。勝つかどうかは別にして(笑)。
    to はみさま
    >自分でバント失敗してファウルになったボールを拾っちゃう関本と…
    あれはアカンよね(笑)。でも関本はジャンに声かけたりしてましたね。バント失敗の悪夢から解放されて、打撃もちょっと良くなっていたし、周りが見えるようになると良くなって来そうです。ま、秀太については、もういいや(笑)。

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