不確実性とつきあうのなら

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 ショートの控え筆頭は、二塁レギュラー予定の西岡になるだろうと久慈コーチが発言(サンスポ)


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 大きな故障も経験した西岡の活躍について不確実な部分もあるが、まあ理にかなっている。鳥谷は複数年契約を希望せず、海外FAもアリという姿勢を引っ込めていないので、「来年のショート」に対する備えも必要だから。
 それは鳥谷の夢であり権利だから自由だけど、現実としては難しい面もある。鳥谷側の事情もあろうし、MLB側で日本人ショートにどれだけの価値を見ているかという問題もある。
 今年FA移籍を目指している中島裕之でもまだ行き先が決まっていない。プロ11年、生涯打率が3割を越え、162HR、738打点、通算OPS.846。タイトルや受賞歴も最高出塁率2回、最多安打1回、ベストナイン4回、ゴールデングラブ3回…と枚挙にいとまなし。それでもようやっと「合理的」なアスレチックスがよっこらしょと重い腰を上げそうだという頃合いだとか(スポニチ)
 鳥谷他、海外FAを狙う日本人内野手にとっては、中島が来年その地位を向上してくれるかで将来の方向性が決まるかも知れないね。
 そこから話は飛んで、やっぱり中島獲得に動きそうなアスレチックス。相変わらず先進の「プロ野球経営工学」に取り組んでいそうなアスレチックスだなぁ。勝利をあらゆる角度から数値に置き換えて効率的な投資と回収を実現する球団。中島がお眼鏡にかなうのは当然だと思う。
 先日日経の記事で「リスクとは危険性ではなく不確実性」というような内容の記事を読んだ。
《2階の窓から飛び降りるのと30階の窓から飛び降りるリスクを比べた場合、どちらが大きいだろうか。(略)なぜならリスクの正確な定義は「危険性」ではなく「不確実性」だからだ》
なるほどなあ。
 そう考えると、不確実性だらけのプロ野球においては、「確実性」という所に着目するという考え方が一つ重要になる。
 そして、下の確実なラインを見極めながら、上にブレる不確実性(「伸びしろ」ともいう)をどこまで見通せるかが効率的な投資と言えるのだろう。
 私思うに、このやり方には相乗効果というのも発生して、「こんなメンバーで大丈夫なのか?」チームは、「プレーオフ狙いが精一杯」というところからスタートする。そこから、ブレークする者が一人、二人と現れると、集団そのものが「上昇気流に乗るヤツら」になって、気分ノリノリで戦うようになり、いつしか「ミラクル」なんて呼ばれたりしている。
 あり方として対照的なのは、「これでもか」というくらいにビッグネームに投資をするチームで、不確実性はもっぱら「下ブレ」に働く。額面通りにやってくれればスゴイというチームは、「目標は当然ぶっちぎりのリーグ優勝、狙うは全体チャンピオン」というところから始まり、誰かにつまずきが出ると、あれ?あれ?が少しずつチーム全体に広がっていく。不確実性をリスクというのなら、これほど怖いものはない。
 何もMLBに例を見るまでもないね。我々も何度も見てきたことだから知ってる。
 支配下70人枠を余裕で余しているファイターズの戦略と、ビッグネームが欲しいがために、若手を育成契約に切り替えたりするタイガースの戦略。賢いのはどっちなのかを知っている。
 「ドナウ猛虎会通信」更新してます!

コメント

  1. 虎蜂 より:

    打撃だけで言えばNPB屈指のバッターである中島に尻込みされてしまうのは、天然芝への対応という守備面の問題でしょうか。
    日本人内野手といえば、ファイターズの田中もまだ行き先が決まっていないようですね。彼の動向も気になります。
    大型戦力のリスクと言えば、今季の巨人が印象的でした。打線が噛み合わずにスタートダッシュに失敗。前評判の高いチームほど、立て直すのが難しくなるんでしょうか。まぁ、その後は怒濤の勢いで勝ち進みましたね…阪神も勢いに乗れるチームになって欲しいものです。

  2. ガク より:

    そうですよね。
    阪神はまずいつも「優勝ありき」からスタートして、失敗出来ないから実績のあるビッグネーム呼んできてはその選手がプレッシャーにもファンにも耐えられず結局機能不全に陥るというのを繰り返してる気がします。
    これが金本クラスの、選手全員の意識を変えてくれるくらいの選手ならいいんだけど、あまりポリシーのないビッグネームならやはり「下ブレ」に働きますよね。
    日ハム方式でのびのびした阪神を一度見てみたいもんです。

  3. 西田辺 より:

    MLBが内野手に求めている素養というものが、NPBのそれとは違うんですかね?
    確かに、とんでもない体勢からとんでもない送球をしてみたり、西岡の怪我にも繫がった
    強烈なスライディングを受けたり交したりする技術。
    それよりなにより、強靱な肉体が求められるんでしょう。
    民族的な性かも知れませんが、あちらの選手のサイズであれだけの動きをする選手というのは
    日本人には見当たりませんね。
    >福留
    今日のお題とリンクするかは分かりませんが、何やら向うから条件の逆提示があったとか何とか・・・。
    本当にチームとして必要な選手なんですかね?
    一体この選手に何を望むの?
    また「やってもらわなきゃいけない選手」「やってくれると信じている選手」を一人増やすだけでしょ?
    いつもそこからスタートするから、苦しくなった時に修正が利かなくなる事を、いい加減学習すればいいのに。
    戦術・戦略の上で、個々が役割を全うする戦い。
    やたらデカイ・高額そうな火器の引き金を引くだけの戦い。
    どちらが勝ちを多く手に出来るか。
    そろそろ気づいた方が良いんじゃないでしょうかね。

  4. 九州虎 より:

     日ハムの育成システムのすばらしさは皆さんのおしゃるとおりだと思います。結果もちゃんと出しておりますし…..。
     しかし、他方で近代化された組織にありがちなことですが、トレードする選手を「在庫」が余っていたから、放出したんだみたいな、当の選手の尊厳を無視するようなことをマスコミに平気でリークする冷たさを感じることもあります。
     タイガースの全国的な人気の原因は専門家でもよくわからないのだそうです。改宗虎の自分自身の経験からすれば、マスコミやファンからぼろくそ叩かれながら、それでもドンキホーテよろしく「それでも打倒巨人だ、優勝だ」という非現実的・非合理主義的なところに魅かれるのかもしれないなと思ったりしています。昔から、甲子園には「判官びいき」という魔物が棲んでいるといいますから…
     とはいえ、私も伊藤隼太や小宮山選手の大ファンですから、きちんと育成して欲しいなという気持ちはもちろんあります。併せて指導者の育成も…..。

  5. 虎月 より:

    ブログをリンクさせてもらっていました「阪神欲」の虎月です。ブログ主さま、ありがとうございました。(今週で終えますので)。
    ところで自分は、虎のショートは生え抜きに拘るべきだという強い思いがあります。過去に生え抜きショートを持たずに優勝したチームってあるのでしょうか? チームとして絶対に拘るべきポジションだと思います。
    自前でショートを持てないようなチームには、他の分野での育成やチーム作りのビジョンなどが持てるはずもないからです。
    個人的には、ショート大和をずっと待ち望んでいました。大和は、このままセンターでいいのでしょうか・・・。トラファンの多くがそう思っているのでしょうか。
    実にもったいないと思います。西岡がポッとトリの後釜に納まるようでは・・・残念です。

  6. 虎ジジィ より:

    松井稼頭央もメジャーでは守備面でかなり苦しんでいたので、中島も難しいんじゃないですかねぇ。打撃のパワーもアチラでは並以下でしょうし…
    日本人メジャー選手は応援したいけど、中島の活躍次第で鳥谷のメジャー流出が決まってしまうようで、何だか複雑です。
    個人的には、鳥谷に故障や移籍があった場合、ショート西岡、セカンド上本で戦う事には抵抗はありません。

  7. れいん より:

    まあ、競争もさせないで適当な発言を
    するのが阪神首脳陣の共通した言動、行動
    西岡の現在の守備力も分かっているのか
    どうかも不明な時点での発言
    そもそもメジャーから戻って来てロッテ時代の
    能力維持しているのかも分からなく
    またピークは過ぎている可能性が非常に高い選手に対しての過大評価
    全くもって摩訶不思議
    3月頃に現在の能力を正確に見極めて
    発言してもらいたいものです

  8. ken より:

    開幕前から優勝出来ない前提で始動するチームはありません。
    下の確実性を見据えるというのを阪神等に求めるのは酷な気もします。
    とは言え、先を見越した育成をチーム編成に取り込まず、ベテランと外部からの完成品でガチガチに固めたチーム作りを最初からしていては、優勝以外は許されませんね。
    チーム作りに余白を持たせる事が、かえってチーム運営と結果に対して、余裕というか許容範囲が生まれるのかもしれませんね。

  9. なかっち より:

    日ハムに限らず、パ・リーグのチームは生え抜きの選手を育てるのがうまいと思います!
    お客の入らない時期をずっと経験し、『どうしたら客を呼べるのか?』『どうしたら愛されるチーム作りが出来るのか?』
    長年考えた結果が『地域密着型!』チーム名の頭に地域名を入れ(オリックス以外)ようやく以前と見違えるくらいの集客が出来るようになりました!
    そういう経験があるから、今のシステムが出来てるんやと思います。タイガースは『弱くても客は入る!』『強くなれば尚更入る!』ってな感じで強くするためには何でもやる!
    みたいな所があるから、なかなか現状を打破出来ないのかもしれませんね!
    思い切ってファンが球場に行かないようにすれば考えも変わるかも(笑)
    鳥谷に故障等あった時の西岡ショート!私も抵抗はありません!一時期は大和にショートを守って欲しい願望はありましたが、センターでもあれだけのセンスを見せてくれました!このままセンターに定着して、赤星、新庄を超える守備を私達に見せて欲しいです。

  10. こうご より:

    メジャーに近いボールを使ってるのに、向こうで完全に内野失格の西岡を遊撃は、志が低すぎでは?二塁に固定してどこまで出来るか、という話の筈。                深い所から返球する大きな体があれば魅せてくれるのだから、統一球で行くなら遊撃手の大型化が必要だと思う。