「独立リーグの明日」（産経）の紹介

産経関西版のサイトにある【独立リーグの明日】という連載が面白い。当初から赤字経営が予想される中、それでも「地方に活力を」という信念で経営努力を続ける、各リーグ、各球団の取り組みを紹介している（リンクはあとでまとめて）。

地方の独立リーグなど、ビジネスとして発展していくはずがないと切り捨てるのは簡単なこと。日本はそうやってなにかにつけ「東京の効率」だけで世界と勝負することを選び、手間が割に合わないと、地方を捨ててきた。易きに流れ続けた結果が現在であり、近い将来だ。

「それでいいのだ」「それしかないのだ」という声もある。情報も物流も今や国際化、国際競争の時代なのだから、勝てないものに執着しているヒマはないのだそうだ。チャップリンや手塚治虫が心配したような、機械やロボットによって人間が生きられなくなるということではなかったにせよ、やっぱりカネと効率に支配されて、生きる場所を失っていく社会という意味ではまさに現実となっている。

誰も地方が過疎化し、山林や地方都市が荒廃することを望んではいないはずなのに、ただただ流れは止められない。

これではいかんと立ち上がる人がいる。サッカークラブの経営に乗り出す人も、野球の独立リーグを立ち上げた人たちもそうした思いに突き動かされているのだろうと思う。

ＮＰＢは、人口減少、若い担い手不足という危機を共有し、地域密着、地域振興という方向性を掲げている。今なお根強い高校野球人気。マニアックなプロ野球ファンは若い選手の成長を楽しみにしている。その背景があれば、さらに強力な連携で、お互いの利益を高め、社会から歓迎される存在になれる。

オフのウィンターリーグ派遣の様子を見るまでもなく、タイガースも実戦経験と育成の重要性を認識している。「タイガース人気」をさらに地域振興のために活用してもらっていいはずだ。

サイトのリンクが上手く構成されていないようなので、以下にインデックスを作っておく。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
第１部
（１）さらなる経営安定へ－四国ＩＬが目指す「野球レベルの向上」
（２）国際的な“融合”で野球の魅力を高める－四国ＩＬの新たな取り組み
（３）活発化する国際交流　四国ＩＬ香川と仏代表との合同練習
（４）独立リーグの新たな地域貢献－香川で生まれた仏代表と地元高校との“野球交流”
（５）ＮＰＢ育成選手の派遣受け入れで“二重の期待”　野球レベルの向上と経済的効果
（６）審判を巡る諸問題への取り組みから見えるもの－ＮＰＢと独立Ｌが築き始めた“協調態勢”

第２部
なぜか消去済み

第３部　新たな経営戦略
（１）ホテルも経営、高知の『土着化戦略』
（２）農業、養牛…汗流して球団初黒字　高知
（３）キャンプ銀座の復活へ－高知球団を“モデルケース”に
（４）「何も変わらぬ」危機感が生んだ国際化戦略　石川
（５）『世界』が新たなマーケット
（６）世界一決定戦　実現へ一歩

第４部
（１）独立リーグへの『派遣制度』で成果を上げた広島
（２）育成選手は減少傾向　派遣制度を活用する動きの見えないＮＰＢ
（３）３軍を独立リーグに参戦させるソフトバンクの意義
（４）人数が足りない－ＤｅＮＡの３軍制の初歩的な“失敗”【最新】