「ほぼ」勝った方がパ優勝の大一番、「2014.10.2 ホークスvsバファローズ」を堪能した。試合展開は「痺れる試合」に相応しかった。ホークス側から見ると、先制するも、追いつかれ、互いに譲らず延長へ、大きなピンチを乗り越えて、歓喜のサヨナラ、優勝決定というもの。
勝ったホークスの秋山監督を、選手たちを、ファンたちを、ここまで狂喜乱舞させたのは、バファローズがチーム一丸となって、真摯に必死に誠実にファイトしたからに他ならない。バファローズ側から見れば、先制されるも、粘って追いつき、必死の継投で延長に、勝ち越しの大チャンスをものに出来ず、ついに力尽きた…。シーズン終盤、チームは満身創痍。厳しい日程の行軍が続いたが、奇跡の粘りでこの一番に駒を進めた。その瞬間にガックリと動けなくなった選手が何人もいた。ベンチにたどりついたバファローズの選手たち、コーチたちの目には「福岡の歓喜」の光景が飛び込んでくる。おそらくは、まぶたを閉じることすら思い浮かばず、ただ網膜に映り込む映像を受信し続けていたのだろう。
ここで森脇浩司監督が意を決した。ひとしきり渦巻いた感情に整理がついたのだろう。この敗軍の将の目には決意が見える。この「兵たち」を誰よりも誇りに思い、遠い敵地で声を枯らせて応援してくれたファンを誰よりも誇りに思う。止めどなく溢れる出る悔しさに付き合ってなどいられない。身振りを交えて、脱力しきっている兵たちを励ます。
「さあ、立とう。もう立とう。立って、レフトスタンドのファンにお礼を言いに行こう。さあ立とう」
セリフまではわからないが、きっとそう言ったのだろう。一人また一人と、我を取り戻していく。もはや誰のものとも知れない重い体に、やっとのことで意識とエネルギーを注ぎ込み、立ち上がる選手たち。走ることはできないが、ゆっくりと客席のほんのわずかな一角に向かって歩を進める。もうここまで歩くのが精一杯とばかりに、まだまだスタンドまでは遠いフィールドから、自分たちのために涙を流して悔しがってくれるファンに向かって、深々と一礼し、手を上げた。お互いがお互いを誇りに思う。高いフェンスが隔て、距離が隔ててはいたものの、その間は強い感謝の念で結ばれていた。
「負けたということ。でも、勝負においては、悔いはないです。ここまで素晴らしい時間をくれた選手やコーチをたたえたい。ペナントでは優勝できなかったが、まだ決着はついていないと思うので、もう1回しっかりリセットして戦っていきたい」
「アスリートや人間の価値は常に成功することではない。倒れるたびに起き上がること」
試合後の森脇監督の言葉だ。
苦労の末に勝ち取った優勝は、クールなホークス秋山監督が我を忘れるほどだった。好い勝者と好い敗者。素晴らしい「10.2大一番」だった。
コメント
もちろん故意ではないが、サファテが
糸井に当てたデッドボール。
あれがなかったら、別のドラマがあったかも。
オリックスファンではないが残念だった。
最大限の補強をしてもらい「優勝して当然」という世間からの目で見られていた秋山監督のプレッシャーは相当なモノだったでしょう。それだけに嬉しさを爆発させていましたね。
そして、負けた森脇監督は顔も男前ですが、気持ちも男前ですね。ファンへの感謝の気持ちをあの状況でしっかり示せる行動は素晴らしいです。
少し見習ったら、和田監督!!
これぞ優勝決定戦!という緊迫したナイスゲームでした。
久しぶりにいいもん見させてもらいました、両チームに感謝です。
ま、それもパリーグだから落ち着いて見られたのでこれが阪神だったら心臓が止まりそうで見ていられなかったかも(^_^;)
惜しくも負けたとはいえオリックスの選手は監督以下、伊藤やT岡田なんか号泣!チームみんなで本当に悔しんでる姿が一体感があって羨ましかったです。今の阪神にこれほど負けて悔しがる選手がどれだけいるだろうか?和田監督が森脇監督と同じくらいの強い気持ちで日本一を目指してくれていることを望みます。
福岡ソフトバンクホークス優勝おめでとうございます。どちらが勝ってもおかしくない試合でしたね。ただ、10回の裏は投手交代が一人遅れたように思いましたが・・・
優勝の瞬間、球団関係の背広組の人がグランドで喜んでおられる姿には迫力を感じました。孫さん、王会長、その他。選手、スタッフ、球団が一丸となっておられたのがすぐに解りました。
わが軍も同じ姿を見せてもらいたいものです。
試合は見ていませんが、壮絶な試合やったのはtoraoさんの文章からも伝わって来ます。
もしバファローズがタイガースやったらと想像しましたが、恐ろしいことになりそうですね(笑)
でもタイガースにはバファローズから学ばなければならない所がたくさんあるような気もします。
先日どなたかが仰ってましたが、
『何故勝った試合だけ挨拶して、負けた試合では挨拶しないのか?』
私も改めて同じ事を思いました。
バファローズはそれを敵地の福岡でファンに向かい行ったんですよね!素晴らしいの一言です。
タイガースは特に、ビジターゲームでもたくさんのファンに囲まれて戦える、恵まれたチームです。
勝った試合だけでなく、144試合全ての試合後ファンに向かい挨拶出来るチームになってほしい。
何やかんや言うても、世界で一番愛されてる球団ですから。
選手時代、幾度優勝を重ねてもシレっとしていた印象の強い秋山監督。
私の記憶では、あれほど涙を流す姿は思い出せない。
久しぶりに「死闘」と呼ぶに相応しい試合でした。
ホークスナインは、飛び上がり抱き合って歓喜を共用し。
Bs伊藤捕手が歩けないほどに力を落とし。
T-岡田がベンチで泣き崩れる。
一野球ファンとして、両チームに拍手を送りたい。
敗れながらも、ファンへの感謝の意を忘れなかった森脇監督も立派。
それに比べて、どこかの球団は・・・なんて野暮ことは言いたくないけど(笑)
「CSが出来て、リーグ優勝の価値が・・・」なんて仰る方もおられるようですが
昨日の試合を見れば、そんな事も言えなくなるはず。
やっぱり、リーグ優勝の価値は大きいし、下がる事はない。
来年こそ・・・・(新体制でね(笑))
いやはやいやはや、昨夜は予約も含めソフトBファンが多かった。
1対1のまま延長10回松田のサヨナラヒットでソフトBが3年ぶり
リーグ優勝を決めた。涙涙の秋山監督、店の中まで涙涙!!
素晴らしきゲームに感動しました。本当におめでとうございます。
さすがだねオリックスの森脇監督、全てを出しつくし負けて涙する選手
放心状態の選手を促しレフトSのファンに感謝の挨拶に行った。
甲子園の最終戦で感謝の言葉もなかった監督に比べ礼を弁えた行動と
トラオさんが書かれてる森脇監督の敗戦の弁に感動を覚えた。
こんなコメント我がチームに投稿できるのはいつの事でしょう。
いやまてよ分からんぞ!!ひょっとしてCSファーストSの赤組倒して
ドームでオレンジ組も倒して、そして日本シリーズ4勝1敗で勝って
85年来夢に見た日本一!!可能性が無いわけじゃないよね。
でもFSまだ勝ち上がったこと無いけど、プラス思考でいこうぜ!!
選手諸君、CSファーストSまで日はあるけど体調管理だけは怠るな!!
俺もCSまで酒を控え体調維持するから。
私は関西在住なので、オリックスを応援していました。
関西では勝っても負けても殆ど、タイガースの話題ばかりなので是非、オリックスには優勝してほしかったです(楽天にも先に優勝されたので)
オリックスは主力選手にFA資格を取った選手がいるので来年どうなるかわかりませんが、タイガースと共にプロ野球を盛り上げてほしいです。
来年の阪神は昨日のソフバン×オリックスの試合の様な試合で勝って優勝してもらいたいです
僕は人生経験、プロ野球ファン歴もまだまだ短いヒヨっ子ですが、これ程正に「死闘」と呼べる試合は初めて見た気がします。皆さんも仰ってますが、敗戦後直のショックで動けない選手を、自ら促しレフトスタンドへ挨拶に行った森脇監督がとても印象的でした。
ちょっと目から水素が(笑)
優勝は逃しましたが、バッファローズは今季球界の台風の目となっていたと思います。是非CSでやり返して、日本シリーズ関西ダービー!
ソフトバンク優勝おめでとうです。
が、生え抜きで優秀な選手も多い中大型補強も辞さないといスタンスに個人的には良い印象はあまり持てないです。セリーグにも同じような球団が居ますが。阪神は生え抜き育てるのも補強するのも基本的には下手ですね(笑)
久保田に続き日高も引退だそうです。今年は結構他にも動きが有りそうですね。FA市場も大盛り上がりですし。万に一で金子阪神に来てくれないかなぁ。
追伸:久保田は球団職員になる見込みだそうです。引退は残念ですが、また阪神の
為に働いてくれる。それだけで少し救われた思いです。ありがとう久保田投手!!
虎っしー様
久保田の引退はどうやら本当のようですね。
豊作と言われた「松坂世代」タイガースには久保田の他にも、藤川、杉山、江草、ハシケンそして久保なども在籍しましたが、本当に人生いろいろだなと痛感します。
ご存知のように久保田は2006年、ベビーカーから転落しそうになった娘をかばい右手を骨折。中には「自分の商売道具を……….」と批判した人もいましたが、ウチがちょうど不妊治療中だった事もあり、自分も父親になったら「こんな親でありたい」と強く思い一層ファンになりました(翌年自分にも娘誕生、久保田を手本にしています)。
どんなに酷使されても歯をくいしばって投げる姿は、私にとって「一生記憶に残る選手」である事は間違いありません。
そして、宛名入りで書いてくれたサインは大切な宝物です。
久保田投手、13年間本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。
虎っしー様、久保田が球団職員になると言うニュース有り難うございました。思い入れのある選手だっただけに球団に残れると聞いて嬉しいです。
虎ジジイ様仰る通り優しい性格で以前週間ベースボールのインタビューでは年間90試合どころか全試合投げたいと語っていた記事が印象的でした。野球とタイガースに対する愛情が伝わる記事と同じページに載っていた写真が優しそうな子供のようだったのを思い出します。
きっと働くフィールドが変わってもタイガースの為に頑張ってくれるでしょう。
ま、不器用なのがタマに傷ですけどね(笑)。
ソフバン最後の打者マッチ(個人的に良い選手で好きなんで)
変に気負うわけでもなくすっと力が上手く抜けているように見えました。
タイガースであの場面あんな殊勲打打てる打者が果たしているだろうか?
って思ってました。重圧に負ける選手の方が多いかも!って(失礼ですが)
ベンチに控えてる選手もしかり!いつも押され気味になるとお通夜だしね^^;
イケイケドンドンできるのは西岡ぐらいかな?
そんな選手出てきてほしいと思った一夜でした(新庄ぉ~~~~笑)
鷹Vの翌日にメッセが一面。さすがデイリースポーツ紙!
トラオ様の表現力に参りました。
昼休み、皆で食事中に読んだら涙腺がヤバいことになりそうで、一旦読むのを止めました。
こっそり一人の時に続き読みます。
普段ならまず観ないであろうカードでしたが、本当に素晴らしい試合でした。ベンチワークがどーとか、代走がどーとか、あそこはどーとかこーとか…そんなもんクソくらえと感じる魂のぶつかり合い。
特に中継ぎはオールスターを観ているのかと錯覚する両軍の豪華リレーでした。本当に残念ですが我が阪神とは絶望的な差を感じました。
日本一目指して頑張れ!が虚しく思える戦力格差…亀田興毅が次はマニーパッキャオをKOで倒します!と
言っているようなもので、勝てるイメージが…
素直にジャイアンツとソフトバンクでやれば良いじゃないかと思います。
今年のドラフトは全員投手でいくべきだと思いますが、いかがでしょうか?
一番感動したのは森脇監督の行動です。
多くの方のコメントも同じだと思いました。
toraoさんのすばらしい表現にも感動しておりますが、toraoさんが書きたくて書くのを敢えて控えたこと・・・
それは同じ関西球団の現場責任者の人間力の落差ではないでしょうか。
以前に私は敗戦してもファンに挨拶する時代の到来も遠くはないのでは・・とコメントさせていただきました。しかし、地元での最終ゲームですら挨拶の一言も発せられない責任者のいるチームと、敵地で遠く離れたスタンドの僅かのファンに頭を下げるためナインを引率する責任者(たとえそれがVに絡む特別な一戦であっても)のいるチームとの違いは何なんでしょうか。
座席の予約販売に力を注ぎ、グッズのバリエーションの多さを誇る球団を全否定する気持ちはありませんが、ファンのこと(ファンの心)も、もう少し考えるっ球団で合って欲しいです。、
素晴らしい試合でした。森脇さん男前でしたね。トラオさんの記事を読んで泣きそうになり、オリを阪神に置き換えたら目を腫らしてしまいました。年のせいと言う事にしておきます(笑) たとえ敗れようとも拍手を送られるチーム、また拍手を送れるファンを目指さなければいけませんね。
トラオさん、何度も読み返しました。バファローズと言う事で88年10・19川崎を思い出しました。腹が据わっている仰木さんと森脇さん。アプローチは違えど部下をその気にさせ慕われるところは唸りますね。選手達をよく見てますね、お二人共に。来季は是が非でも関西ダービーにて胸を借りたい我が軍です。
ヤバい…。
今、帰ってきて読んだら涙が…。
すげぇですわトラオさん。
和田氏を「反面教師」にするように(反面教師にもならないがね)、しっかりと自分の言葉で、行動で選手に、ファンに伝える監督達。
「ファン感で挨拶するし、今日は軽い挨拶だけでいいか」…その行動がファンの中で「シリーズ終わった!次はCSだ!」という切り替えを阻んでしまう。
「こんな感じだからCSもアカンかなぁ」ってなる。
同じスポーツなのに、森脇監督の「人身掌握術」は「この人の為に…!!」って思わせるのに充分だった。
他球団の本気の勝負に、ここまで入り込める自分に驚いてしまった。
振り返ってみると森脇監督のシーズン中のコメントには「ネガティブさ」が無かったように思う。
堂々と試合をしたから、負けても堂々とファンの前に立てるチームを作った森脇監督は素晴らしい。
この間「ガイアの夜明け」に出ていた、ラーメンチェーンの会長(70歳を越えてたかな)を思い出した。
ソフトバンク、日本シリーズには手強いオリックスと、つぶし合いをしないと進めないなぁ。
隣の芝生は…じゃないけど「隣の監督は…」だなぁ。
負けて森脇監督、かけがえのないものを手に入れる…。
オリックスvsソフトバンク戦、見応えありました。
オリックスは関西ということもありますが、ソフトバンクファンに囲まれた中、頑張れ!という気持ちが強く、応援に力が入りました。
ソフトバンクの半端じゃない補強は絶対的な優勝というプレッシャーを秋山監督にかけていたのでしょうね。
セリーグはあっけなく当たり前のようにリーグ優勝を決めましたが、昨日のゲームは正にパリーグ頂上決戦に相応しいものでした。
オリックスを応援していたのに秋山監督の涙にもらい泣きしましたが、森脇監督のファンを大切にする行動、言葉にも胸が熱くなりました。
トラオさんの文章に涙し、皆さんの言葉にまた感動しました。
タイガース戦もこのような感動する場面を見てみたいです。
昨夜は純粋にベースボール観戦を楽しむつもりで見た。家人も私も、両チームに個人としてのファンがいる。そのまま一灯一打に釘付け。結果はご承知の通り。
高齢者は感受性が乏しくなる。しかし、昨夜は家人ともに涙した。孫さん、王さん、以下総出のホークスの歓喜に。それにも増してGood Looser バファローズに。
「倒れるたびに起き上がることだ」…そうだ、アスリートだけではない。会社員にも「平凡な一生」などはない。私たちもそうしてきた。
我が在阪某球団に思いを致すことは、しばらく止めよう。
有り余る富の力でなりふり構わず優勝を取りに行ったソフトバンクと森脇さん自身のみならず山崎捕手や馬原投手やペーニャ等一度はホークスに見放されたメンバーで臨んだオリックスの遺恨試合か。そんな私の料簡の狭い考えをあざけり笑うような素晴らしい試合でした。
孫さんや王会長に物心両面から支えられて秋山さん、「幸せです」ね。
失意の中で、遠くからかけつけてくれたファンに感謝の挨拶を促した森脇さんも立派でした。そして、泣き崩れる選手たちの姿にもう目頭があつくなってしまいました。
ひるがえって、タイガース。
冷めたファンやオーナーをこれまたなりふり構わない説得をしての和田さんの続投が既定路線であるならば、球団社長や本部長やGMは自らの職を賭す覚悟で決定して欲しいものです。
ソフトバンクのリーグ優勝に沸く九州の地で、そんなことを考えました。