陽川決勝ホームランで4連勝

やっぱりそうに違いない。
選手を親しみを込めて下の名前で呼んで、もっとできるぞと褒めて励ましたり、ガッツポーズで喜びを表すよう促したり、優勝するイメージを共有したりと、いろいろな「矢野スタイル」を披露してきたけれど、それは本質的なものではなかった。そこにはなんとなく「人から好く思われたい」という矢野監督のあざとさも見えた。
しかし、そんな表層的なことで強くなれるほど甘くないことを痛感し、さらには選手からもファンからも好く思われていない現実を知った。そこで、なんだか吹っ切れたようにも見える。監督なんて選手から嫌われてナンボ、監督なんて下手だの非情だのつまらぬだのと世間から叩かれてナンボ。勝てなきゃ高評価も好感度もない。だから、とってつけたような誰かの理屈ではなくて、自分の長い野球人生の中で信じてきた勝てる野球をやるのだと。何を言われたって気にしない。ええかっこもしない。むしろすすんで叩かれるようなことをやる。それならそれでスッキリしていいと思う。これが本当の矢野スタイルなのだろうから。

派手な点の取り合いなので、ピックアップしたいプレーはたくさんあるけれども、敢えて絞りに絞り込むと投手は桑原、打者は陽川の試合。

金本監督に見いだされ、セットアップとして馬車馬のように働いた苦労人も、ヒジ痛で戦線離脱しておよそ1年半。桑原にとっては、年齢的にもカムバックできるのか不安を感じながらのリハビリだったと思う。
6回表一死一塁、打者堂林の場面で岩貞の後を受けた。取られて取ってまた取られてのシーソーゲームは1点のビハインド。相手の中軸打者を迎え、ここで失点すれば追いつくのが難しくなる重要な局面だった。2球続けた得意のスライダーは高く入ったが堂林捉えきれず三邪飛。4番鈴木には直球の連投から入り二盗は許したが、そこからはスライダーの連投で最後は大きく逃げるボール球で空振り三振に斬った。
もう何試合か登板を重ねれば、リードしている場面でも使えるようになりそうな雰囲気もある。この戦線復帰は大きい。

6-6同点の8回ウラ二死走者なし。勝負を決める一発をセンター右に放り込んだのが陽川。タイミングの取りにくい快速球で、広島リリーバーの中でもっとも信頼感の高い塹江が投じたのは外角低めの直球。1ボールからの2球目なのでカウントが欲しいところ、ほんの気持ち内側、ほんの気持ち高かったが、失投というレベルの球じゃない。陽川は塹江のベストピッチである原点への直球を狙ってそれをホームランにした。言ってみれば、金本級、福留級の仕事をした。
その確度はまだまだ高くないのだが、こんなことはやろうと思ったってできることじゃない。そもそもやろうと思う選手も非常に少ない。苦労人陽川は、それしか自分の生きる道がないことを知っていて、その準備をやってきて、見事に結果として見せた。このホームランを決して過小評価してはいけない。本当によく打った!陽川ナイスバッティング!
あとよろしくお願いします。


週刊虎バカクラブ
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10 コメント

  1. 虎ジジィ
    Posted 2020年9月14日 at 08:21 | Permalink

    なるほど「矢野超積極野球」→「矢野バント多用野球」への変貌はtoraoさんの推測通りかも知れません。

    それにしても躍動感のない藤浪は、今の状態だと一軍で通用しない。
    現状、下で好調な岩田か先日光るモノがあった齋藤とローテは入れ替えるべきかと思います。

    継投に関しては藤浪を早めに交代させた事は良かったと思うけど、馬場にスイッチは順番が違ったように思います。

    ただ、toraoさん絶賛の久しぶりに登場した桑原が抑えた事は残り試合に大きな朗報になりました。

    攻撃陣、近本がダメならば梅野糸原が、サンズ大山がダメならばボーアが上手くリカバリーし、そして期待する場面でその期待に応えた陽川の勝負強さは素晴らしかった。
    苦労人陽川あっぱれ!
    まあ、代打の序列も左右関係なくその前の大チャンスに福留よりも陽川を使っていたら、もっと楽に勝てたような感じはしますが仕方ない。
    かつては超強打者だった福留も、胴体視力の衰えか速球についていけていません。
    ここは、このままリストラされそうな板山や隼太と入れ替えて彼らにもチャンスを与えてみても良いかも知れません。

    さて「一敗も出来ない戦い」が続きます。
    特に、バントを命じられた大山の逆襲を期待したい。

  2. 虎轍
    Posted 2020年9月14日 at 08:45 | Permalink

    いろいろと言いたい事はありますが、桑原おかえり!
    陽川ありがとう!
    バナナパワーありがとう(笑)
    ボーアはシフトさえ敷かれへんかったら、ちゃんとヒットは打てるんやね(笑)
    マルテが戻って来そうやから打ったのか?猛打賞GJ
    糸原のガッツポーズは「俺の背中に付いて来い!」ポーズに見えたけど、引っ張って行ってや!GJ
    日曜日に勝ってくれると月曜日、火曜日が楽しく過ごせます。
    ありがとう!
    頑張ろう日本!

  3. こうさん
    Posted 2020年9月14日 at 09:07 | Permalink

    投げた日にトラオさんの文章に名前が出ない藤浪…頑張ってるのだろうが頑張れ。

    陽川よく打った。待ってたよ桑原。せめて1ヶ月早く、この状況になっていればな。

    嘆いて悩んだ3番、広島3連戦は糸原が鎮座。2番はバントプロ梅野が鎮座。この3日間、矢野監督の意図を読み取ろうとスタメンとにらめっこ。「絶対に明確な意図…いや、隠されたメッセージがあるはず」と思っていた。じゃなきゃ、ここまで拘らないはず。

    そして昨日、3日目にして、とてつもないメッセージを見付けてしまった。なぜ糸原を3番にしたのか、なぜ梅野が2番じゃなきゃダメなのか、そして近本の打順をいじらない理由とは。

    ここからはホラー的な要素も含まれる。ビビリな方は、しっかりとキン○マを握っていてほしい。女性は…自粛。

    この3人を並べると矢野監督からメッセージが受け取れる。そう、3人の名前の最後の文字を縦読みしてほしい。なんとビックリ「素人」になるのだ。「こんな采配だけど許してね。素人采配って言わないで。」というメッセージである。

    しかし昨日と今日、トラオさんの文章を読んだら、それさえも「開き直り」だと思えてきた。読売とのゲーム差がここまで広がったからこその開き直り。もちろん、いい意味での開き直りである。

    どこまで読売を追い込めるか楽しませてくれ矢野監督。

  4. タクロー
    Posted 2020年9月14日 at 09:20 | Permalink

    当たり前のように逆転勝ち

     いきなり当たりが止まっていた鈴木誠也に3ラン。その前の堂林への四球が余計だった。その後、木浪のエラー、しっかり守ってくれよ。嫌な感じだったけれど、後続2人をピシッと抑えたから今日の藤浪は行けそうな感じだった。その裏すぐさま、糸原、ボーアで2点返したし。かつての広島だったらきつかったけれど今はまったく怖く感じない。
     3回、相手のクリーンアップをピシャリと藤浪が抑えた後、無死1.2塁のチャンスに大山に送りバントの指示。相手投手はヨレヨレの感じで大量点が取れそうやったけれど、いつものゲッツーのニオイがしたのかなもしれぬ。試合後の矢野曰く「普通に勝つために選んだ策」だったそうな。ふーん、大山、今季初めてのバントやったらしいけど。このところ、勝利監督インタビューで矢野に笑顔はない。ふてくされたように、つっけんどん。あんだけ自信満々に語っていた公約の実現可能性がほぼ消えたからかどうかは知らないが、気分が良いものではない。勝った時しかTVインタビューがないんやから(ラミレスは負けた時もやってるけど)素直に喜んだらどうなん?と思うけど。
     さて、送りバントが功を奏して、3点追加して逆転。さあ、藤浪次の回しっかり抑えろと願い、まず1死。その後、単なるライトフライやろという打球を糸井が最初から諦め、おまけに捕球ミスして2塁に行かせてしまう。
    全てはこの緩慢プレーから始まった。力のある球をボールとされて1死満塁。ここで功を焦る矢野は、コントロールが良くない馬場に代える。よく同点で済んだものだ。
     6回、久しぶりに桑原が登板。嬉しかったなあ、あの濃い顔。球の威力は3年前ほどではないにせよ安心感がある。4回は馬場じゃなく桑原やったやろ、とさえ思わせた。岩貞も岩崎も回をまたいでよく投げた。
    それにしても陽川、きれいに振り切った見事なホームランだった。その前の守り、大山のショーバン送球をよく取ったよ、何気なく軽くに。良かった。
     8番に下がって早打ち凡打ばかり目についた木浪、気楽に力が抜けていたのか、もう少しでフェンス越えの3塁打良かった。その後の代打福留、もうしんどいなあ。

    さてと、明日から東京ドーム。負けない読売に今度こそ、3タテやっちゃれ!最後まで抵抗せよ!

  5. ガク
    Posted 2020年9月14日 at 09:57 | Permalink

    桑原おかえり‼️
    去年からずっと復活を待ってました。
    あとは島本が復活できれば疲労が溜まった中継ぎ陣のリフレッシュができるの
    ですが

  6. 西田辺
    Posted 2020年9月14日 at 10:17 | Permalink

    今日の本文でtoraoさんは藤浪には触れなかった。
    敢えて触れなかったのか、それとももう論ずるに値しないと判断したのか。
    3回1/3、63球、5安打1本塁打、2奪三振、2四球、失点5。
    一時は復活の気配も見せてはいたのだけど、結局試合を壊す結果となった。
    何が問題なのだろう。
    もう球が抜けて制球が定まらないという段階ではない。
    前回の巨人戦も昨日の広島戦も、ヒットを打たれている大半がストレート。
    変化球でカウントを作れず、放った真っすぐを打ち返されている。
    しかも150km/hを超える真っ直ぐが打たれてるという所が、今の藤浪の悩みの
    深さを物語っている。
    スピードガンでは150km/hを超えてはいるものの、打者の体感としてそれを
    感じないボールなのでしょう。
    それと、判で押したように外目の真っ直ぐを狙い撃たれている。
    トラックマンの計測によると、藤浪の真っ直ぐのスピン量はおよそ1800rpm。
    これはかなり少なく、スピンが利いてると言われる投手は2500rpmを超えてきます。
    つまり藤浪のボールは「伸びがない棒球」を投げていると言わざるを得ません。
    しかも投げるコースが粗々特定できるとなると、プロの打者は打ってきます。
    藤浪がそのポテンシャルを発揮するには、「スピン量の増加」と「内外角の散らし」
    が必要になると感じます。
    課題がハッキリしている以上、これを克服するのがプロ野球選手の命題。
    一歩ずつ上がって欲しいですね。

  7. Posted 2020年9月14日 at 10:32 | Permalink

    陽川のHRには痺れました。塹江のほぼベストピッチであるストレートを狙いすまして右中間に叩き込む。まさに金本・福留級の一打でした。やろうとしても誰もが出来るものではない試合を決める一発を狙いに行って仕留めた一打は、同点8回裏二死の場面で諸々の条件・状況を丸ごと飲み込み消化した陽川の中での思い描いたシナリオだと思います。今まで長く苦労し地道に前進してきた事が実りつつあります。遅いとか年が行ってるとか関係なく少しずつでも前へ進んできた事が我が事のように嬉しい。あとはもうちょっとヒーインでの喋りを勉強しておいた方がいいかな(笑)

    藤浪は一度時間を置いた方がいいのかも知れません。昨日は初めから躍動感もなければキレもなくシュート回転もいつもより多く感じました。一勝したとは言えまだ自信回復までは道半ば。今のコントロール精度、安定感では通用しないケースが多いと思います。少し下で頭の中を整理してメカニカルな部分の再調整をしたのちに戻ってくればいいのではないでしょうか。

  8. いわほー さんのアバター いわほー
    Posted 2020年9月14日 at 12:40 | Permalink

    藤浪についてはいろんな意見があると思いますが、今後も中6日なら6日でローテとして投げされるべき。
    それが結果としてオープナーとしての役割にとらえられても構わない。
    とにかく打者一巡をノルマにして、その後は調子を見てひっぱるから代えるか判断すればいい。
    自分自身で怖さを乗り越えるには繰り返しの経験しかなかろう。
    二軍に落として自力で這い上がってこいという段階はすでに終わってしまっている。
    球団として彼に地道な積み重ねで半歩ずつでも前向きに取り組ませてもらいたい。
    誰もが認める彼のポテンシャルを生かせなかったら、将来プロを目指す球児たちの目に阪神タイガースという球団はどう映るだろうか。

  9. ジュビロタイガース
    Posted 2020年9月14日 at 13:01 | Permalink

    藤浪のピッチングを全く見ていないし、評している記事やコメントをあまり見ないので、次はどうなのかな。しかし、ライトの守備は酷かったらしいが、次は普通にあるんだろうな。
    かと言って、陽川がライトやセンターに着くのは好きじゃない。ファーストの守備は良かったし、代打で出るより気楽に打席に入れるだろうけど。過小評価されているというか、伸び悩んでるというか、典型的なタイガースの選手。ある意味ミスタータイガースw

    大山とサンズが打たなくても、前後の糸原とボーアが打って、カバーしあってくれると乗っていける。

    桑原はお帰りなさい、よう戻ってきてくれた。スアレスにはセーブも付けてあげて。

  10. 大虎真弓
    Posted 2020年9月14日 at 23:26 | Permalink

    開かなかった陽川の腰!
    外角のストレートを見逃し2球目は逃さず芯で捉えセンターに勝ち越しホームランを打てたのだから本人もチームも気分が良いだろう。
    これを奇跡と言われないためにも陽川以外の選手も学んでもらいたい点はグランドは広いと言う当たり前のことだ!またしても例に出して恐縮だが梅野を観て欲しい。彼は外のボールを素直にセンターから右に打ち返せば4割近く打っているのにそれを引っ張り出すと打率が極端に低くなるのだ。
    チームプレーに徹するなら自分の三遊間を常時狙うバッティングを改め外角の逃げていくボールにも対応できる意識を持てるかが巨人戦でも鍵になる筈だ!梅野だけでなく糸井、ボーア、大山、等主軸を打つ選手も結果の出ない選手もコーチが言わなくても自分の引出しの一つとして絶えず意識してもらいたい。

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