里崎氏クラシリの価値を語る

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変則的シーズンこそCSが価値を最も発揮/里崎智也(ニッカン)

《今はスポーツの観戦にまで気が回らない方も大勢いると思う。そんな情勢では、生活を守ることで精いっぱいだとは思うが、スポーツも大切な生活の一部だと思うから、こうしてファンの皆さんに少しでも明るい材料をお届けしたいとの思いから考えてみた。》

まずはこの気持ちがうれしい、ありがたい。頭のいい人だ。

《MLBは今季からプレーオフに出場するチームを4チーム増やす。それまでの30チームから10チーム出場を、14チーム出場とする。全体の47%がプレーオフ進出できるようになる。同様にNBAは30チーム中の53%にあたる16チームが、NHLは31チーム中の52%に当たる16チームが、そしてNFLも32チーム中の44%にあたる14チームが、プレーオフ進出というシステムになっている。》

ここがこの記事のポイント。
半分も参加できるなんて甘過ぎと、プロ野球ファンに評判の悪いクライマックスシリーズだが、里崎氏のいうように本場アメリカは4大プロスポーツすべてがクラシリっぽいプレーオフに制度設計を変えてきている。はて、これをどう解釈すべきか。

漠然と思うのは、アメリカが「チャンス」というものを過敏なほど大切にする国だということ。構造的にチャンスが減らされていることに対して、不当だと考える人がかなりたくさんいるのだろう。
日本の子どもスポーツや部活動では、往々にして勝利のためにレギュラーメンバーだけで試合が行われることがあるが、アメリカでは全員にチャンスが与えられないのは不当だという考え方があるそうだ。
近年では、経済格差が構造的なものとして定着したため、それによってチャンスすら与えられなくなるのを不服とする層が増えているとも聞く。
そういえば、最近のアメリカもののドラマやアニメでは、何人か登場人物がいれば、必ず男も女も白人も黒人もアジア系も……とバランスよく登場するようにできている。そこには、強迫観念に近いものすら感じる。
プレーオフの門戸開放傾向は、そうしたアメリカ式「チャンスを拡げよう」という考え方の延長線上にあるのかもしれない。

また根本的には、スポーツとは勝ち負けを楽しむゲームであり、ゲームには理不尽なこともある、偶然や運に左右されることも多々あるという「軽さ」もあるように感じる。

日本のプロ野球ファンの意見としては、むしろ「伝統的な優勝同士の日本シリーズ以外はいらない」が主流かもしれない。チームを16に増やして、ディビジョンを増やして、結果的に優勝チームを増やして……という革新的な考え方であっても、チャンスを増やすというより、優勝という「出場資格」を重視してのこと。
そこには、ゲームというよりは、選ばれし者による試合であり、真剣勝負であり、命のやりとりである……みたいな武士道に通ずる「重さ」があるのかもしれない。

ロッテというチャンスの少ないチームにいた里崎氏は、昔から終始一貫クラシリ大賛成派だ。その理由も、こうしたアメリカ的な発想を踏まえれば大いに理解できる。

コメント

  1. 西田辺 より:

    身も蓋もない話だけど、本来チャンスは平等ではありません。
    まぁ、最下位候補のチームがいきなり頂点を狙えと言っても無理難題な
    話ですから、チョットでも上に食い込んでチームを経済的にも気分的にも
    活性化させるきっかけを掴みたいというロジック。
    経済的に裕福なチームが良い選手を他から搔き集め、勝てる確率の高い
    チームを作るのは優勝に一番近道であるのは否定できない。
    そこで、野村さんのような選手の配置や采配で、何とかひっくり返してやろう
    としたり、マネーボールのような指標や理論で野球を構築しようと工夫が
    生まれる。
    クライマックスシリーズも、上位3チームへのモティベーションの励起や
    活気の生まれづらい消化試合の減少と言う大義名分は確保できる。
    一時期パリーグはクライマックスでの優勝をそのままリーグ優勝としていた
    時もあったけど、すぐに消滅してました。
    「チャンス」の作り方としては、案外クライマックスシリーズというのも
    悪くない制度なのかも知れませんね。

  2. いわほー より:

    未曽有の国難の年だけに、いっそ今シーズンは例年通りのフォーマットを踏襲しようとせず、今年限りの思い切った特別ルールにしたらどうだろう。
    どのみち対戦カードも日程も大幅に見直さなければいけないのだから、年間通して交流戦(つまり1リーグ制)で戦って、上位6チームで疑似CS、上位2チームで日本シリーズなんてね。
    まさかと思うけど下手すりゃ今年は開幕見送りなんてことも絶対ないとは言い切れないだけに、セパ垣根を超えた大胆な発想も必要かも。

  3. 虎轍 より:

    里崎氏の考え方は球界発展には、ええ考え方やと思いますね。
    ノムさんの戦術、森さんの采配、梨田さんのやりくり、里崎氏の考え方と捕手出身の方の洞察力は矢野監督にも通ずると思います。
    矢野監督の予祝、言霊でチームを盛り上げ(もちろん戦術、采配も大事ですが)優勝する事を願うばかりです。

  4. ジュビロタイガース より:

    試合数が減ったら、差が小さくなるので、消化試合は減ると思います。
    だったらCSは無くても良いと思います。CS賛成派ですが、いつもと違うシーズンなので、いつもと違う試みをしても良いと思います。
    DHをセでもするとか。

  5. なかっち より:

    里崎氏の考え方は今年の変則日程に限った事ではなく、今後のプロ野球の目指していく指標になるかもしれませんね。

    現在のCSは正直賛否が分かれます。
    古い考え方ならシーズンの意味がないなどの意見も聞かれます。
    現にシーズンで優勝していないチームが日本シリーズに出場した時のテレビ視聴率は軒並み低い数字(一桁)を記録しているのだとか。
    (近年で言えば2014タイガースvsソフトバンク、2017DeNAvsソフトバンク、2018カープvsソフトバンク、2019ジャイアンツvsソフトバンク)
    因みに2015、2016は優勝チーム同士の日本シリーズで視聴率は全試合で二桁以上を記録してるそうです。

    パ・リーグは偶然にも全てソフトバンクが出場した年ですが(笑)

    これを見る限り恐らくは昔ながらの団塊世代に近い方々からはあまり受け入れられてないのかな?
    逆に現代の若者のようにテレビで野球は見ないが、球場に足を運んで試合観戦する世代には里崎氏の考えは嵌まりそうな感じがします。

    私個人的には、交流戦を36試合制に戻してもらいたいですね。

    交流戦はGW明けから18試合とオールスター戦明けから18試合に分けて開催する。

    シーズン試合数は144試合制で戦う。(リーグ戦108試合。交流戦36試合)

    全試合終了時点の各リーグ上位3チームにCS出場権が与えられる。(シーズン終了時点では優勝を決めない)

    CSファーストステージはシーズンの勝率2位と3位が戦い、5試合制3勝勝ち抜けにする。(1、2戦目は勝率2位チームの主催。3戦目から3位チームの主催)

    リーグ優勝決定戦はシーズン勝率1位チームと上記勝ち抜けチームがアドバンテージ無しで戦う。試合も両チームの主催試合があるように日本シリーズ形式で7試合制で戦う。(1、2戦目は1位チーム主催。3戦目から5戦目まで勝ち抜けチーム主催)

    引き分けは無し完全決着制にする。

    シーズン勝率1位チームに全くメリットはないが、現行12チーム数なら致し方なし。だが、リーグ優勝決定戦には必ず出場出来る。

    こんなシーズンがあっても良いかなぁ。野球がたくさん見れるから。

  6. トラ11 より:

    プロ野球の開催は本当に待ち遠しいです。
    世界の沢山の人たちがコロナウィルスと戦っている今、この時期にプロ野球なんて、と思われることを懸念して自分の思いを言えなかったのですが、こんな時こそ心をポジティブに保つためにも早くウィルスが終息して、安心した状況下でプロ野球開催してほしいです。

    各選手は自宅でどのような練習をしているのかわからないですが、ウィルスに感染しないように、そして、しっかり準備し、開催に向けての心構えをしてほしいと思います。

    でも、今年はなくなるのかな? あー!
    開催未定だって!
    そうやろね。

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