新刊紹介『虎の血』(著・村瀬秀信)

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キャンプ初の日曜日、ミエちゃんゲラちゃんも参加した野球教室も無事できて、満点の第1クール最終日となったようだが、今日は知人の新刊著作を紹介する。

『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』著・村瀬 秀信(集英社 四六判並製本文320ページ)

以下は帯の宣伝文句より。

プロ野球経験なしのジイさんが指揮官って、なんでやねん!?
1955年、突然の不可解な人事でチームの何かが狂い始めた。猛虎史に残る最大のミステリー、第8代監督・岸一郎の奇っ怪な真相に迫るエンタメ・ノンフィクション!

「岸一郎」なる人物は、一説には独自の「チーム改革案」を手紙でオーナーに送り、監督に抜擢されたともいわれる。得体の知れぬ老人は”ミスター・タイガース”藤村富美男ら猛虎たちと衝突、ボロボロにされてしまうが、この騒動は今に至る球団の”悪しき伝統”に繋がっていくのだった。満州~大阪~敦賀。吉田義男、小山正明、広岡達朗らの証言と緻密な取材で、封印された球史がいま明かされる!

数日前、私の手元に本が届いた。著者の村瀬秀信さんは文春野球コラムペナントレースの企画立案者で、同企画では「コミッショナー」を長く務めていた才人。私との接点は古くて、村瀬さんが週刊SPA!の特集「好きなことを仕事に」的な内容で、取材をしてもらったことがある。『虎暮らし』(2008年シーズンオフ)より前だったと思う。ただ、その編集さんが野球ライターの村瀬さんだったというのが、まったく結びついていなかった。だから一昨年の暮れに会ったときに、「初めましてじゃないんです」と、当時のことを言われた時には、いたく恥じ入った。

もっとも村瀬さんの活躍については、文春野球が始まる前から知っていた。ライターでソフトボールのチームのオーナー(当時は監督も)綱島理友さんとその仲間たちにはベイスターズファンが多く、当時なにかと話題だった中野渡進氏の企画(著作がいくつかある)が大いに話題になっていた。

さて、今回の書籍、実に本文320ページの大作だ。もちろんまだ読み終わっていない。いや読み始めてもいない。でもちょっと落ち着いたら楽しみに読む。

私も、綱島さんの『日本プロ野球ユニフォーム大図鑑』では阪神パートの下ごしらえ担当として創設期からの球団史をまとめた経験があったし、綱島さんからもこの「ヘンなおじさん」の話は聞いていた。でも「へー」で終わらせていた。

この本が届いたとき、「やられたー」「その手があったかー」みたいな気持ちになったのだけれど、よく考えたらそれは違う。別にやられたわけじゃない。どう転んでも自分では取り上げなさそうなネタだから。

いや、霧が晴れたような今だから心から読みたいけど、「この球団は本当に……」みたいなやさぐれた心境の頃だったら、「そんなん関係ないわ」と聞く耳を持てなかったかもね(笑)。

ヘンなおじさん、岸一郎が近年の阪神タイガースにまで与え続けた影響とはなんだったのか。興味深く読んで、いつかまた感想を述べてみたい。良かったら開幕までのお楽しみに。

今日はこれだけ。

コメント

  1. 虎轍 より:

    なにかと怪しそうな本ですね(笑)
    私には虎の血は流れてへんと思いますが…(笑)
    内容は読んでみたいかも。
    キャンプは岡田監督が言うてましたが、第1クールはほぼほぼ順調やったとか。
    第2クールからは椎葉が打者相手に投げたいと言うてるから、そこは投げさそうと思ってるみたいなんで、どんな投球をするのか?そこは見ものですね。
    打席には誰が入るんでしょうかね?
    打たれても困るし、抑えられても困りますね(笑)
    頑張ろう日本!

  2. サヨナラ3ラン より:

    随分と昔の話で知ってる選手もいないしピンと来ないところも有りそうですがタイガースの悪しき伝統の発端ともなったと聞くと興味が湧きますね。
    特に和田監督の時代かな、私は過去の実績や人気に偏った(高額年俸のFAやベテラン)選手起用に腹を立て監督だけでなく、その起用方法にも関わっているであろうSオーナーやM社長に対して痛烈な批判をこのブログにも度々とコメントした。要は競争のない世界は若い芽を潰してしまうだけで強い集団にはならないと。だから落合とかのようなフロントやファンさえも時に無視できるような人材を監督にするしかないと言い続けきた。その上で極論になるけど監督は素人でも良いともコメントしたこともある。それは周りに作戦面や技術面などサポート出来る有能なブレーンが居ればの絶対条件付きの話でしたが。
    今の阪神はオーナーはじめフロントも野球を熱心に勉強してチームだけでなく組織として素晴らしい球団に変貌した。そういう意味でもトラオさんの言うように穏やかな気持ちで読めそうですね。笑

  3. とらかっぱ より:

    岸一郎監督の詳細は全然知りませんでした。さっきwikiを見てみましたが33試合だけ指揮を執った短命な監督だったようですね。どのように取り上げられているのか興味がわきます。

    第1クールが終了し離脱はなし。まだ追い込む時期ではないのでそんな心配はする事もないのかも知れませんがキャンプでの故障は本人だけでなく周囲もショックが大きいので十分注意して第2クール以降に臨んで欲しいです。特に前川は故障が多いので「いいもの持ってるんだけど・・・」で終わらない様頑張って欲しいです。

  4. 西田辺 より:

    実はこの岸一郎という方、私の隣町のお生まれ(タイガース黎明期にその名を
    残す松木謙治郎氏と同じ市の出身)で、その特異な経歴から以前から注目して
    いました。
    プロ経験のない監督として、また主力選手との軋轢からネガティブな昔話として
    扱われることも多い。
    彼が起用して花を咲かせた選手も多く(渡辺省三、小山正明、西村一孔、三宅秀史、
    田宮謙次郎等)、退任(事実上の解任)から70年を経て令和の時代に岸氏を取り扱う
    書が出たのは嬉しい限り。
    半ばタイガースの知られたくない過去として封印されていた歴史を、こうやって
    紐解いてくれる。
    この素人監督と主力との間に生じたヒビは、その後のタイガースにどのような
    影を落としていくのか。
    さっそくポチリと注文いたしました。

  5. タクロー より:

    ついつい、楽な方へ
     虎の血はやっぱり黄色なんですね。本文320ページとはまさに大作ですね。この頃、活字を追っていると目がショボショボしてきて、ついつい睡魔が襲ってきます。買い込んだ優勝本も、買ったら読んだ気になってしまっていて本棚を飾ってます。遅れて届いた月刊タイガースの立派な装丁の記念誌もほぼ手つかず状態。 てなことで、ご紹介いただいた虎の血は、まず本屋さんで手に取ってバラバラ読んでみて完走できるか自問自答からにします(汗)

     そんなこんなで、最近はもっぱらテレビの画像にお世話になることが多くなってしまいます。
     今夜NHK BSで21時から放送される球辞苑は、アウトハイ阪神岡田監督の秘策 という何とも興味をそそる番組があります。
     そして、NHKの地上波では、深夜0時35分から近本選手の再放送をやってくれますよ。先日のBSを見逃した方、録画してくださいね。

    • 岩修 より:

      タクローさん、情報ありがとう御座います!帰ったら忘れる前に録画予約してリアルタイムでも眠らないで観ます。自信ないけどw

    • ちゅう より:

      タクローさん、情報、ありがとうございますm(_ _)m

      衛生契約してない当方にとっては、是非、観たい番組なのですが、大雪関連で延期になるみたいです。

  6. 岩修 より:

    初めて知った岸一郎さん。タイガース大好きだった父親から岸さんの名前は一度も出なかった。出てくる名前は藤村、別当、土井垣、若林、小山、三宅、吉田位って結構多い(笑)
    監督の名前は一切出てこない、浅いファンだったのかな?
    調べてみると、少ない試合数ながら若手ローテの確立とベテランに片寄らない若手野手起用は、同じ早稲田出身岡田監督のマネジメントに通じる気がした。
    昔、江夏や田淵をいとも簡単に放出したとんでも無い球団だったけど最近は上手に若手に切り替えているから、球児、鳥谷、福留、能見、赤星等熱心にタイガースをもっと強くするのに協力してくれている。
    星野さんから岡田監督。真弓和田時代から金本矢野体制へ。そして名将岡田監督への流れはフロント含めて運命だったと思う。

  7. より:

    この本、気になってました
    村瀬さんはベイスターズが勝てない時の記事がめちゃくちゃ面白いですよね(笑
    G党の中溝さんもそうですが、勝てないことを面白く書ける方に憧れます

    岸さんのことは85年の優勝の時にタイガースの歴史として教えてもらった記憶くらいしか無いです
    しかし素人のコーチが当たり前になりつつある昨今、いずれ素人の監督も当たり前になる時代が来る可能性もありますね…

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