重みある1勝

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月が変わる。しばらく本拠地をあとにする。チーム状態のいいヤクルトと狭い神宮でやって、お盆の9連戦は中日、またヤクルトと続く。ずっと下位に沈んでいたこれらのチームにとって、シーズン終盤での浮上は士気を高揚させている。阪神にとって、気分が変わってしまう要素が多く潜在する。

だから、7月31日には目先を変えるところに石を置いた。

切れ目を意識させることが目的だったから、敗戦もある程度織り込み済み。その石が活きるか死ぬかは、この日の戦い次第。しっかりとベストを尽くし、勝利という結果を掴む必要があった。

やはり簡単な試合にはならなかった。ミス絡みで序盤に点をもらう「いつもの展開」、少ないチャンスをこじ開けて追加点を奪ったし、泰然自若の「1点どうぞ」でピンチの拡大を防いだ。それでもクロージングに失敗した。

難しい試合だったが、相手の大連勝を支えた新クローザー大西から4番輝明の技術で1点をもぎ取り、次代を担うリリーバー及川のプロ初セーブで勝ち切った。

近本のチャンスメークから輝明の右手一本弾丸ライナーにしても、完全ボールを3つ振らせる及川の魔球スライダーにしても、将司の7回1失点の好投が試合のベースにあったからこそ。これがなければこの試合は序盤からまったく違う形になっていただろうし、終盤の苦しい試合展開で押し切られていただろう。

全体的に振り返れば、相手の「風」に巻き込まれることなく、冷静に集中して試合に臨めた。監督という中枢から発せられる信号が末端までピリリと行き渡る。神経系機能の高さを感じさせる一戦。1勝は1勝でしかないけれど、それ以上に重みのありそうな1勝ではあった。
あとよろ。

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