毎回チャンスを作りながら決定打が出ず残塁ばかりだった序盤。流れの悪さはてきめんで、3回ウラ、先発遥人は3本の長短打を集められ2失点。3チャンスを逃して1チャンスをものにされた。
中日先発大野は6回ゼロで粘り、7回はマルテに抑えられ、苦手ナゴドでジリジリと追い詰められる。
結果的に事態を動かしたのが、7回から初登板した2番手のハートウィグ。制球ままならず三者連続四球で無死満塁。試合も本人も「終わり」になりかねない状況から、阪神戦にめっぽう強い山本を三振、成長株の新人石伊を5-2-3の併殺で絶体絶命のピンチを脱出。一気に風向きが変わった。
8回表、中日の3番手は無失点を続けている橋下。しかしハートウィグが(頼まれてもいないのに)ひとり舞台で作った劇場は、すでにクライマックスへと動き出していた。先頭中野が右前ヒット、森下四球で無死一二塁。輝明への3球目、アウトローを狙ったはずの直球だったが、まるで吸い込まれるようにど真ん中へ。輝明はこの失投を投手寄りのポイントで正確に捉え、引っかけることもなく前方へと振り払うと、打球は広い右中間、高いフェンスをものともせずに越えていった。千両役者は悠然とダイヤモンドを1周し、森下とおなじみのジャンピングエルボータッチ。感嘆するチームメイトから祝福された。
エピローグは8回ウラ、若きセットアップ及川のホールドと、9回表、森下のタイムリー、大山の2点タイムリー。4点差となった9回は石井を回避してドリスを上げたが、二死後走者2人出してセーブシチュエーションができたところで石井にスイッチ。「次代のクローザー宣言」をわかりやすく演出して試合の幕を下ろした。
あとよろ。
コメント
苦手大野に決定打が出ず苦しむも、しっかり球数を投げさせ、
交代後一気に攻め逆転〜逃げ切る2025バージョン阪神タイガースの得意パターンのゲームでした。
先発の遥人は3回だけボールが甘くなったのは残念でしたが「左のエース復活」の片鱗は見えました。
繋いだハートウィグは初登板の緊張からか、劇場はつくりましたが抑え勝利投手になる辺りは「何か」幸運を持っているのかも知れませんね。
そして佐藤輝のスリーランはもう漫画の世界、スリーランが欲しいところで完璧なスリーランを打つ逞しい4番打者になりました。
個人的には不覚にも うたた寝をしてしまい、スリーラン直後に目覚め得点のところを見たら逆転していて一瞬訳が分かりませんでしたが、その後もダメ押ししドリスで終了できれば完璧でしたが、石井にセーブが付いたので良しとします。
こんなめちゃくちゃ暑い時期にドーム連戦は選手にとっては「恵みのロード」ですね。