先週ナゴヤの折り返しドラゴンズ戦、こっちは下柳の順番のところ、安藤を先に持ってきた。
その心は？半休状態の「エース構想の男」に、後半戦は中５日ペースの活躍を期待しているということかな。その期待に応えるような素晴らしい投球を見せた。
そう、これが安藤。自信なさそうな、いっぱいいっぱいに決めないとカウントさえ整えられないような、そんな今季ここまでの安藤はどこにもいなかった。同様に重箱の隅をつつかせるような窮屈な要求をする矢野の姿もなかった。直球、スライダー、シュート、フォーク、どれとして飛び抜けて素晴らしいボールがあったとは思わないが、それぞれが、速い、遅い、曲がる、落ちるといった必要十分な条件をクリアしていたこと、何より各打者に対しても、トータルでもまったく的を絞らせない矢野の配球が光った。
例えば対ウッズ。第１打席は、スライダー、直球、スライダー、直球（二ゴロ）。このバッテリーとしてはオーソドックスなアウトローの出し入れ。
最大のピンチ４回一死一三塁の第２打席は、直球、シュート、直球、フォーク（三ゴロ併殺）。細心の注意を払って、対角線ピッチでゲッツーを狙い取り。
６?０と楽なスコアになった７回の第３打席は直球、シュート、直球（空三振）。高めだけを使って「打ってみい」。
最後の打者となった第４打席は直球、スライダー、フォーク（三ゴロ）。高低を使った攻め。
各打者に同じように攻め方を読ませない組み立てをしていた。おそらく矢野はいつでもこういう組み立てをしたいのだと思う。だがそれができるかどうかは投手の技量にかかっている。投手によっては、たとえ苦労してトータルコーディネーションを施しても、１球の失投で台無しにしてしまう。矢野が頑ななリードをする時は、投手の技術力に不安を覚えている時か、逆に絶好調時の球児のように、もっとも信頼できる時か、いずれにせよ安全策として選択しているのだろう。
とにかく矢野も偉かったけれど、やっぱりそれもこれも安藤が本来の技術力と自信を回復したからこそ。本当に素晴らしい投球だった。
初回の速攻では、積極的な走塁、意図のある打球方向が２点を生んだ。赤星二塁内野安打。荒木ならグラブトスでもなんでもやってアウトにするかと思ったが、さすがに赤星の足が勝る。エンドランがかかった平野の打席はベース近くへの二ゴロ、荒木俊足と華麗なグラブトスで赤星を封殺、井端が一塁転送、これがややそれて平野はセーフ。アライバ決まらず。続く鳥谷が一二塁間真っ二つ、平野躊躇無く三塁へ、森野の送球が高投となって、平野は労せずしてホームイン。積極走塁がエラーを呼んだ。金本は二ゴロに倒れるが走者は三塁へ。ヒットを打てなかったことはもの足りないが、走者を進めることはそれよりも大事なこと。関本が、打てない球を見逃し、ファールで逃げながら打席をつくって、最後はセンター前へタイムリー。先発エース川上から、守備のミスをからめての２点先制は、不調ドラゴンズにとってあまりにも大きかった。
特に森野の悪送球はもちろんだが、「ファインプレーのし損ね」も高レベルなドラゴンズ守備陣にとってはエラーに感じる。ちょっと集中できていない感じ。
試合を決めた５回も上位のチョコマカが光った。赤星ショート左へのゴロで内野安打、平野は３球目狙い澄ました一塁と投手の間へのセーフティバント。こういうの好きだなぁ。最悪でも走者は進み、ほぼ高確率で自分も生きられる。そういう穴を見つけて、一発で決める。素晴らしい。
鳥谷一ゴロでそれぞれ進塁、二死二三塁、これも意図の感じられる打球だった。金本へのカウントが悪くなって、ベンチのサインで金本を歩かせる。
で、関本が満塁ホームランを打って試合が決まるのだが、この打席のまた素晴らしかったこと。最後の球を含めてヒットにできるような球はほとんどなかった。ボール球はいっさい振らない。そして追い込まれてからのファールは、少しでも甘くなれば絶対にヒットにするという雰囲気に満ちあふれていた。外よりのボールにはどっしり沈んだ下半身で対応する。最後は顔の近くに抜けてくるような、失投のインハイだったが、反応でレフトスタンドに放り込んだ。インサイドアウトの軌道、左サイドの壁がキープできているから、とっさの反応でも打球が切れないんだね、ホントびっくりした。
ただね、こういっちゃなんだけど、遅いよ。関本の資質、選球眼と対応力は、もう２，３年前から発揮されていた。少なくとも昨季には大ブレークしてなきゃいけなかったと思うもの。まあいいや、今季のセキは文句ない。しかも後半もっともっと良くなってくれるに違いないから。
最後、矢野の犠飛も含めソツのない攻撃が良かったね。安藤の完封ならずはご愛嬌、次だね次。ナイスゲーム！
コメント
今度こそ本当にレギュラーを掴んだと
いっていいのでしょうか？
いろいろな打順をそつなくこなす関本
阪神にとって欠かせないプレーヤーに
なりましたね
toraoさんのおっしゃる通り、今日の得点機は鳥谷の進塁打が効いてましたねー
ランナーを三塁に進めるために三塁から一番遠い方向へ打つんだ！という明確な意図を持ったライト打ち。
これが平野の走塁と森野の悪送球からの先制点を生み、ランナー２、３塁の状況を作り、金本の敬遠を引き出し、セッキーのグラスラに繋がりました。
目立たないし、野球をあまり知らない人には単なる凡打に見えるかもしれないけど、今年の阪神はこういうチームの為の打撃がしっかりと浸透してますよね……フォード以外(泣
ランナー３塁。相手からすればミスの許されない、一番プレッシャーのかかる場面。
この状況を作ることをチームとして意識できている事が、今年の阪神の強さの一つなんでしょうねっｂ
予想が外れて先発は安藤でした。
でも、もちろん大満足です。
３アル、レフト寄り30段辺りにいたので、関本のグランドスラムの着弾をバッチリ拝めたのですが、そのボールが取り合いになり、客同士が殴りあいの大喧嘩を始めました。３アルは一時騒然。満塁弾の余韻も半減でした。
それにしても、昨夜もまた関本。満塁での打率たるや驚異的です。この調子でＶということになると、ＭＶＰもありですね。
「ひょうたんから駒」ってこういう時に使うのかな？
林ちゃん離脱で五番がいない。
平野復帰で二番どうする。
中軸不振及び離脱でセキのバントも使いづらい。
関本五番はまりました！
林ちゃんほどの破壊力はないけど確実で仕留め損ないがない。
金本のあとはかくあるべしというバッティングをしている。状況により下位への繋ぎもできる。
唯一気懸かりな鈍足も気にならない。（笑）
昨季は鳥谷一番構想のとばっちりでほぼ手中にしていた二番を取り上げられた。
今季は平野の加入でポジションもなかった。
初めて五番に座った試合もチャンスで「代打桧山」
いよいよここまできたけどこの選手に慢心はないだろう。名前も替えたし・・・（笑）
セキ､ナイスバッティング｡ヒーインは寒くて最悪やったけど守備･打撃は良かったで｡
あとtoraoさん､あら探しではないですが､二つほど｡
＞最新の注意を払って、対角線ピッチでゲッツーを狙い取り。
×最新 ⇒ ○細心
＞鳥谷一ゴロでそれぞれ進塁、一死二三塁、これも意図の感じられる打球だった。
この回は安藤の三振からだったので二死２･３塁が正解｡
すみませんね､見逃しゃいいんでしょうが｡
関本、右方向にファール二本打ってから引っ張ってのＨＲ、まるで全盛期の今岡のように変幻自在のバットコントロールですね。
安藤も「一回から疲れた顔」で、のらりくらり完投！これが続けばエース（柱）の称号を与えてもよいのでは…
関本、本当に開花した！って感じですね。
でも私は「（開花が）遅い」と言うより、
首脳陣にもっと早くこういう使い方して欲しかったって感じの方が強いです。
開花が遅くなったのは、、、やっぱり２番打者という縛りだったんじゃないでしょうか？？
なまじ器用だから適応しちゃっうんでしょうけど、、、
平野が復帰してよかった。そうじゃなきゃまだ２番だったのでは？そしてそれはそれで活躍してたはず、別の形で。
立場がその人をつくる。
鳥谷にも関本にも、それを感じます。
林とか新井とかが治って櫻井が覚醒したら、
また２番になるのかなぁ、、、
もうこのままの形でいて欲しいなぁ。
こりゃ落合もさすがに打つ手が無い。
となるとＣＳに照準を合わせざるを得んわな。
他球団も同じ様なモンだろうからウチとしてはますます楽な展開…１００勝狙ってみる？
去年前半、もっと自由な打順の８番関本が、打率１割切ってたのを
思い出すと、今の状況が本当に嬉しくて泣きそうになりますね。
関本、この調子で頑張って！
ごんたくれさん、ご指摘ありがとうございます。とても助かります。後で直しておきます。
開幕当初から、唯一と言っていい命題「５番問題」を一気に解決しそうな
関本の勢いですよね。
入団当初の「将来の中軸打者候補」というキャッチフレーズから
『将来の』と『候補』を自ら引っぺがしてくれそうです。
ここ最近の「ばんとくん」的な働きを見ると、ここまで5番打者に適応するとは思いませんでした（失礼）
チーム内に守備位置・打順・役割のライバルは多いけど、却って良い気持ちの張になっているのかも知れませんね。
現状の延長上だと、阪神の近未来オーダーは：
８平野
５バル
６鳥谷
３新井
９林
４関本
７外国人or桜井
２野口or？
でしょうか。本当はバルがソリアーノ級に育ってMLBで活躍し、ファームには中米の若手有望株がゾロゾロ、というのが理想ですが。
暫くはサード関本固定でいいんじゃないかな
バルのスーパープレイも見たいのは確かだが
関本も体強そうだし、新井も何とか生還し
左投手に強い平野も帰ってきた
野原の問題もあるでしょうが
日本の野球の慣れを考えるとバルは行ったり
来たりでもファームでフルイニこなす方が
将来的にも良いかなと最近思い始めました。
下でセカンド、ファースト、外野もこなし
４打席立つことがバルを成長させるような
感じかな?
平野のセカンドは相変わらず素晴らしいが
赤星、平野、林(復帰は近い？)
この三人はそんなに体が強い印象がない
赤星→庄田 平野→藤本 林→葛城、浅井
８対２か７対３で上手く回ればいいですね