タイガースは2回、マートンの二塁打を足がかりに新井良太の犠飛で先制。しかしその後は苦手投手と化した濱田にタイミングが合わずサッパリ。一方タイガース先発の岩田も心配された立ち上がりもすんなりで、テンポ良く好投していたが4回、平田に特大の同点ホームランを打たれる。その後も投手戦が続き、7回ウラのチャンスで和田監督は好投のバッテリーに代打を出して勝負を賭けるも得点できぬまま二死満塁。しかしここで上本が打ち上げた平凡な外野フライをまさかの落球。ラッキーな勝ち越し点を福原、呉昇桓が守って勝利。岩田にも久々の9勝目が転がり込んだ。3連勝でまたまた首位と0.5差に接近。
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対中日 17回戦 京セラドーム
中 | 0 0 0 1 0 0 0 0 0 | 1
神 | 0 1 0 0 0 0 2 0 x | 3
勝:岩田9勝6敗0S
S:呉昇桓1勝2敗31S
敗:濱田5勝3敗0S
HR:平田ソロ9号
中日:濱田 – 又吉 – 祖父江 – パヤノ
阪神:岩田 – 福原 – 呉昇桓
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あり得ないことが起きた。7回ウラ二死満塁、上本の打球はレフトとセンターの間に高く上がっただけの平凡なフライ。レフト藤井が手を上げて捕球態勢に入っていたが、そこへセンター大島が近づいてきて、結局大島のグラブに入ろうかという瞬間に二人が衝突、グラブからボールがポロリと落ちて、二者生還。決勝点となった。こういう打球は普通、チームの決めごとがある。例えば新庄が守っていた頃のタイガースなら、双方捕れる球なら全部センターが捕ると決めていた。いざギリギリの打球の時、追いつけるのは足の速い方だし、その後の処理も肩が強い方が捕った方が有利。だったら全部捕ると決めてしまった方が間違いが少なくなる。おそらくドラゴンズでも同じで、基本的にはセンター大島が捕るという約束だろう。特にレフトに和田が入っていたとしたら、和田が捕球態勢に入っても、大島がそれに「ガリ、ガリ、ガリッ!(I got it!)」っと被せて捕りに来れば、和田はさっとバックアップに回っていたことだろう。なんにせよゆっくりぶつかったから落とすほどではないように見えたが、当たり所というかタイミングというか、タイガースにとってみればドンピシャのラッキーが重なって棚ぼたの決勝点をもらった。
そのエラーは「たまたま」起きたことなのだろうが、そのたまたまを引き起こす何かがあったのかも知れない。スタンドのボルテージが最高潮に達し、「落とせ!」の声が束になって声が聞こえなかったとか、風になったとか、そんなのは荒唐無稽かも知れないが、あったかもよ。まあそれよりも、普段通りの精神状態で守れていなかったというのは大いにあり得る。そういう試合展開だった。
タイガースの先制点はまさにワンチャンスをものにしたもの。2回先頭マートンが左越フェンス直撃の二塁打で出塁。ここで6番今成にバントをさせなかったのは賢明な策。打線は下位に向かう。左右にかかわらずその打撃を買って6番に入れた(この日スタメン2番は大和)のだから、ここは今成に返してもらうのがスジだ。しかし濱田はなかなか手強い。タイガース戦以外ではあまり勝てていないというのがウソのよう。なぜかたくさんいる「ウチに対して自信満々で投げてくる左腕」の新種が発生してしまったようだ。今成はタイミングが合わないと見るや、「一二塁間を破るゴロヒット(最高)」から「右方向へゴロ(最低)」へと目標を下方修正した。このあたりが今成の素晴らしいところ。自分の打席に与えられたミッションを読解し、確実に実行する。前日のバントヒットしかり、その前の併殺崩れの加点しかり。結果バントと同じ一死三塁で7番ライトでスタメンの良太を迎えるが、こっちの心理もあっちの心理もバントの時とは微妙に違う。バントであれば良太は「よし、オレがなんとかしよう」と気負うだろう。相手バッテリーもその心理を利用して攻められるし、最悪勝負しなければいい。今成は打席で1球1球目標が変化していく打席を示した。良太も一人でなんとかしようと思うのではなく、冷静に相手の狙いと自分の狙いを整理できていた。初球、2球目とボール。犠飛も打たせたくないし、ギリギリを狙って、四球もやむなしという組み立てが見える。良太も引っ張らず、右方向へ払う打球に狙いを定め、甘い球を冷静に待った。5球目、ボール気味だが狙いにはピッタリの外高めの半速球にタイミングが合い、飛距離十分の犠飛となる。今成の繋ぎが活きた。
試合の底流を形成したのは岩田の意識ある投球。2回こそ球が上ずり3安打を集められてしまったが、一死満塁のピンチ(本塁突入を許さなかった良太のハッタリチャージ、ナイス!)で三ツ俣を注文通り6-4-3の併殺。粘りに粘って存在感を出していた三ツ俣には、全球ど真ん中に見えて手元で動く岩田のような投手がやりづらいはず。このピンチ脱出で岩田も手応えを掴んだ。ただ4回に打たれた平田の同点本塁打はもう仕方ないだろう。外寄りの球も上手く右に運べる平田だが、インローの直球に対して軸を傾けてゴルフスイングのようにレフトスタンド最上段まで運んでしまうとは恐れ入った。あれは岩田はまったく悪くない。それ以後は完璧。勝負球はことごとく低く、振らせる球で空振りを取り、打たせる球でゴロを取った。
両投手の好投で7回ウラを迎えて1-1の同点。まずこの試合展開が野手を緊張させたのは間違いない。先頭マートンが甘い球を逃さず右前ヒットで出塁。今成が前日と同じように三塁前へバント、この時マートンにスタートを切らせたのも鋭い采配だった。一死二塁で良太とは勝負を避け、「座ったままの敬遠」谷繁監督がかけひきを仕掛けた。中盤から終盤へという局面、角スジを突き合わせて守りに入ろうという谷繁監督、それに対してガバッと角の交換を仕掛けて攻めに入った和田監督、果たして勝ち運はどちらへ!?という感じ(本当は将棋のことは良く知らんけど)。挑発に乗ったようでもあり、乗らなければ逆に守勢に回るようでもあり、岩田を下ろすのも、濱田を下ろすのも、どっちに転ぶかわからない、面白い勝負だった。ただ谷繁監督の仕掛けに根拠があったとすれば、関本や新井に「代打の代打」はない、左の代打は隼太くらいしかいないということ。
一死一二塁、梅野への代打関本、濱田に代えて投手は又吉。フルカウントまで持っていったが、最後は勢いのある直球に空振り三振、二死一二塁。又吉は左打者も抑えてはいるが、やはり左の方が被打率は高い。しかし岩田への代打は隼太ではなく新井。ここはベテランの経験に賭けたのだろう。捕手谷繁は外一辺倒の要求をした。打ち気にはやる新井なら、直球とスライダー、外の出し入れで片づけられると踏んだのだろう。しかし新井は冷静だった。おそらく外を右方向へという意識で打席にいたからだ。それでも谷繁が内に要求できないほど新井が不気味だったのだろう。フルカウントになってもしっかりと見極めて四球を選び二死満塁、上本に繋いだ。
上本の平凡なフライを落球したのは「たまたま」だろう。しかしチーム全員が冷静でじわりじわりと重圧をかけて、いい雰囲気でその場面を迎えていたということが、多少関係していた可能性はある。
休みを挟んで福原はカーブも冴えて余裕。呉昇桓は逆に休み入って緊張した?森野の「逆転3ランもどき」のファールボールにドキドキ。逃げ切り成功で良かった。二遊間のゴロをキャッチしてジャンピングスローを決めた上本。誰よりも深く守り、普通ならヒットという打球に追いつき、恐怖の京セラ不規則バウンドも難なくさばく鳥谷。センター大和も戻って、守備固めもキッチリ。全体を通じて、和田監督の思惑通り、守り勝負をものにした試合とも言えた。
コメント
見たか「落とせ!」の声の束の威力(笑)。私も勿論テレビ前で言ってましたw
しかし和田監督のツキが、神がかって来ましたね。
勿論そのツキを支える選手達の頑張りがあってこそですが、名手大島がアレを落とすとは………..
濱田投手、敵ながらあっぱれでした。
見ていて連打出来る印象がなかったです。
7回、その濱田投手をマウンドから引きずり降ろしたのがツキを呼び込んだ勝因と考えたいです。
岩田もよく粘りました!平田の大当たり(東京ドームなら「財宝直撃か」?)はソロでラッキー(笑)。
最後はの久々の「呉劇場」もありましたがナイスゲーム!
余談ですが、岩崎かと思われていた今日の先発はナント金田。前回雨で初先発が流れており、ここでまたチャンスをあげる事も今季の和田監督の成長を感じます。
金田にはとりあえず「5回投げきる」そんな気持ちで頑張って欲しいです。ファームでも元々先発投手であり、違和感はないはずです。
さあ、薩摩魂見せてくれ!援護を頼むよ先輩達。
和田監督が勝負を懸けたという7回。
梅野・岩田のところで関本・新井貴を代打に送る采配は攻めの姿勢が見えて良かったと思うが、ヒットで出塁したこの回の先頭打者マートンに代走を送るなどして、もっと相手を揺さぶって欲しかった。
最終的にはベンチに残っていた野手は隼太ひとり。隼太の起用に関しては、皆さんから多くのコメントがあると思うのでお任せしますが、やはり田上のように終盤の勝負所で代走で起用できる選手がベンチに控えている必要生も感じました。
上本が打ち上げた瞬間
「あ〜岩田好投報われずかぁ…」
と呟いてました。
試合中の解説曰わく、藤井が通常より若干左中間寄りに守っていたとの事。
藤井にしてみれば、ポジショニング通りでしてやったりだったろうし、大島がそれを頭に入れてなかったとは思えませんが、
彼の広い守備範囲が逆に徒になりましたかね。
何年に一度起こるか分からない幸運だけど、岩田二桁リーチ星おめでとう。
最近の内容から「やっぱり岩田は…」と言う声もちらほら聞こえてきてましたが、昨日は良い集中力を
保ったピッチングに見えました。
平田のあれは、バッターを褒めないと仕方ないでしょ。
やや真ん中とは言え、低目の球をすくい上げてあそこまで飛ばされたら投手を責めるのは酷。
何でもかんでも上手くはいきませんよ。
なんと、今日の先発は金田。
中継ぎで培った投球を短いイニングになると思うけど、発揮して欲しい。
この時期の首位がどれほどの意味を持つのか分かりませんが、一回立っとくのも良いかもね。
いつにもまして熱のこもった文章!トラオさんのテンションの高さが伝わってきますw
浜田を打てているのは鳥谷とマートンしかいませんでしたから昨日の勝ちは大きい。
次回もぶつけて来るでしょうからきっちり対策を練ってほしいですね。
大和にいきなり結果を求めるのは酷なんでしょうか?
やはり今は鈴木タカヒロ的な使い方の方が相手も嫌なんじゃないかと思うのですが。
まだハヤタは左だとイマイチ信頼がないのかな。
今日は金田初先発!打線の援護頼みます。
ラッキーな落球も反省点は一杯だ
まず上本あれだけ前の打者の攻め方をネクストで見れていたのに相変わらず
ポップフライでは一番打者としていかがなものか?
同じく2点もらったあとの大和、自分がランナーが3塁にいて相手が動揺している時に
何をやったら効果的か?を考える野球脳を持って欲しい。
ツーアウトだがあえてスクイズをやってみせるとか、足のスペシャリストの自覚が欲しいのだ。これも9月に向けての試練だと思い一層精進して欲しい。
棚ぼたで何とか勝ちましたが、いい加減左投手に対する対策はしっかりしてもらいたいですね!
どんだけ打てないんですか?
それと、大和先発復帰には申し訳ないけど、やっぱり疑問ですね!
もし、岩田は打たせて取るタイプのピッチャーやから、センター大和という発想なら、ライトは福留でしょうし。
今日は右のカブレラが予告先発なんで、センター福留、ライト隼太だったら、本当に和田はアホですね(笑)
(これでもセンター大和で押すなら納得はします。)
岩田よく投げました。ここ数試合序盤で失点を重ねていただけに、安心しました。しかし、前回の読売戦同様早いカウントから狙い打たれてたので、次回はそちらの対策もしておかないと、次回の読売戦も前回と同じ結果になると思う。
皆さんには申し訳ないけど、私は岩田に対する評価は非常に厳しいですから(笑)
さあ今日の先発は予想外の金田!
先日の岩貞同様しっかり腕を振って投げ込んでほしい。
長いイニングを投げようなんて思わず、1人1人しっかり打ち取るという意識で挑めば、5回3失点で乗り切れる力を、金田は持ってると信じてます。
後は打線がどれだけ援護出来るかですね。
首位に立つとか色々騒がれてますが、読売より消化試合が3つ多いタイガースは読売に2ゲーム以上差を付けないと単独首位とは思いません。まだ2ゲーム差の2位という認識をしております。
変に首位にたつとプレッシャーに押し潰されてしまうんやないかと、不安になります。
追われる立場はしんどいですからね!
8回鳥谷の美技でゴハン3杯いける。
岩田くん9勝目おめでと~~!!
やっぱり髭がない方がかっこいいよ(笑)
中日のポロリもあったけど、大和が守るだけで安心感が違う!!
でもやってくれるね~呉ちゃん劇場(笑)
首位まで0.5ゲーム、何故かこの位置で残り試合もっと楽しみたい気がするし、
最後に逆転なんてシナリオいかがかな??
今日阪神が勝ちGが負けて首位に立ったら嬉しさ半分不安半分。
だってあの指揮官のいるチームだよ、また疑問符一杯の采配するよ。
またスタメンでチャンスに打てない福留ちゃん使っちゃうよ。
そんな訳で残り試合全てが大事な試合、がんばれ阪神タイガース!!
勝ちはしましたが何ともタナボタな勝利で。
どうも左投手に苦手を作る傾向にある我がタイガース。
理由を考えたとき、右左病にこだわり過ぎる選手起用が災いしているのではないかと。
どうも和田監督は「左投手には右打者」というステレオタイプなこだわりが強いようで。
岩田のように右打者よりも左打者の方を苦手とする投手もいるし、かつていた平野恵一なんかは右より左投手のほうが断然打率が良かったですしね。
そういう意味では左投手でも現在覚醒中の隼太を先発で使っても良かったのでは?
中日カード2連勝で気持ちよく日々過ごせています。
正に「落球ラッキー」でしたね。
なかなか打ち崩せない相手濱田でしたが、ついていました。
岩田の喜びようは半端じゃなかったですが、もうちょっと落ち着け!って(笑)。
昨日は付きもありましたが、タイガースの迫力、守備のほうが優っていたようにも思います。
金田先発は驚きましたが、1軍登板ではリリーフとして経験していること。
テンポよく責める気持ちの投球をして欲しいですが、投げ急ぎの無いように落ち着いて5回くらいまで行って欲しいです。
長身カブレラは手強いですが、打撃陣の援護を期待します!
頑張れ金田!
昨日は非常に大きな大きな勝利でした。何より岩田に勝ちが
付いたのが大きい。粘投報われて万々歳でした。
最近謎の不運続きだった印象なので、ツキが回ってきたっぽい
のも喜ばしいと思ってます。
ただ濱田を攻略出来なかったのはやはり残念ですね。
脚で崩したかったのですが、出塁出来ないと揺さぶりも
掛けれません。
そして気になっているのが、上本も大和も走る事自体が
少ないので一塁に居てもあまり相手の脅威になってるように
見えない事です。中軸の前でアウトになるのはリスキーですが、
やはりどこかで盗塁をして見せてやらないと、見えない圧力には
ならないと思います。
明日以降にも繋がるプレーを期待します。
今日の金田は…正直今シーズンは中継ぎで固定しておいて
欲しかったです。渡辺・小嶋・筒井辺りにもっと信頼感が
出てくれば問題ないのですけど。
讀賣のエース(らしき人?)は開幕から、ずっと勝てなかった。
新しい岩田の誕生(やる気になった)に喜び、少し負けると「やっぱり岩田は…」と言われ。
開幕前に岩田否定派だった俺も、ちょい負けがこむと「やっぱり岩田は…」って思う。
けど、メッセの次に堂々と投げてるよ今シーズンは。
CSは能見よりも先に投げるんじゃないだろうか?
期待できるローテのピッチャーが増えるのは嬉しいことだ。
「全員野球」って「個人の負担を分散できていること」のような気がする。
日本デビューの年に30セーブを越えるって凄いことだよ。
やっと「久保とスタンを手放した真価が問われる」スタートラインに立ったんだ和田氏は。
勝とうタイガース!
久々のスン様劇場にヒヤリ…この手のサービスはvs鬼嫁で間に合っておりますので(笑)。30セーブ超えは素晴らしいの一言。ご苦労様でした。落球に関してトラオさんが仰ってましたが、確かに和田(一)の欠場が招いたのも一因ですよね。守備の上手い二人だけに喜びより落とした事に驚きを隠せませんでした。タニシゲもガックシ。
運も実力の内。岩田に星が付いて良かったです。がしかし、左腕・タニシゲ・相川・中村(悠)の対策をお願いしたいです。やられ過ぎ(笑)。
初先発・金田についてはトラオさんの記事を楽しみにお待ちしております。頑張れタイガース!