「若いもんはダメだフィルター」を壊せ

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前に、古い常識だけで情報を更新できていない解説者は困るねという話をした。阪神の場合、おそらく指導者も、経営者も古い常識にとらわれすぎていたように思う。

その最大のものが「最近の若い選手はダメ」ではないか。
「我々が若い頃はああしてこうして、それなのに最近はああしてこうして、だからダメなんだ」と。さらには「なぜなら今は時代がああだこうだ」と。これほど的はずれな「常識」はないと私は思う。

藤浪や大谷は特例なのか。まあ体の大きさという点では特例かもしれないが、それ以外のことは別に特別ではない。ケガがないようにと、適切な知識をもとにした指導を受ける選手が増えた。
正しい投げ方が周知され、スピードボールを投げられる投手が増えた。肩肘に負担のないチェンジアップや、半速球系の変化球から投球を覚える投手も増えた。

打者の方はマシンの普及で、150キロの速球を打つ練習が通年できる学校も多い。そのせいで有鉤骨を疲労骨折してしまう髙山のようなケースが発生してしまうが、こちらも正しいフォーム、正しいトレーニング、さらに正しい栄養など、適切な技術指導が成果を出している。

メンタル面の変化も大きい。日本人大リーガーの活躍を当たり前のように見て育った若者たちにとって、その舞台は夢ではなく、現実的な目標だ。トップ選手になれば小学生時代から国際大会で世界を相手に試合をしてきた。何もあきらめる必要がなく、素直に自信をはぐくめるのはいいことだ。
「ハングリー精神」こそメンタルの強さだというのは一理あるにしても、ないものねだりしても意味はない。それに「恵まれている」ことによって開花した才能の多さを考えればナンセンスというものだ。

すくなくともプロにセレクトされる選手たちの全体レベルを考えれば、20年、30年前、まして40年前と比較すれば「月とすっぽん」。
異論反論はあるかもしれないが、私にはそう見える。

でも多くのタイガース関係者の目にはずっと「若いもんはダメだフィルター」がかかっていたのではないか。プロ(特に他球団)で実績のある選手と「最近の若い選手」との間には越えられない大きな壁があるという思いこみ。経営者も指導者もマスコミもファンも。
プロとアマには大きな違いがあり、一軍と二軍に大きな差がある――それは事実。でも次々と生まれてくる選手たちのベースが、心技体すべての面で向上しているというのも事実。

伸び盛りの若い選手と実績ある選手が常にバチバチの競争をする。それを当たり前にするためには、まず先入観と思いこみを捨て去ることだと思う。

更新遅くなってすみませんでした。

コメント

  1. 虎ジジィ より:

    その「若いもんはダメだフィルター」が、金本監督やコーチ陣によって、やっと解除された感はありますね。これが超変革か!

    フィルターのせいで鳥谷や藤浪を除くと、今まではタイガースのドラ1選手は「さなぎ」の期間が長過ぎる傾向がありました。
    しかし、今季は卵から長い長い卵〜「さなぎ」の時期から殻を破って出て来た岡崎や、首脳陣はもう少し「さなぎ」で育てるつもりが、いきなり蝶として羽ばたきつつある横田、対称的な二人に象徴されるように、チーム方針も変化しつつあります。

    高山の場合も「卵からいきなり羽ばたく」鳥谷型になりそうですが、大卒ドラ1なら本来それが当然なんですが今まではねぇ……

    この超変革、開幕してからも継続して欲しいモノです。

    • 黄金バッテリー より:

      原口選手も育成からいきなり一軍キャンプに呼ばれ、即試合でも使われ、結果を出しました。
      こうした状況だと、他の選手も、発奮せざるを得ませんね。捕手の競争は熾烈ですかわ、彼の今後の活躍が楽しみです。

      • 虎ジジィ より:

        返信ありがとうございます。
        確かに原口が呼ばれた事が一二三などにも発奮材料になると思います。
        全てが活性化してきている今季は楽しいです。

  2. 西田辺 より:

    まぁ、虎周りが総じてこうと言うわけでなく、評論家の多くが
    これに近いのでしょうね。
    「俺たちの時代は良かった」だの
    「過去のあの投手は○○より凄かった」だのをただ言いたい人。
    若者=未熟の発想から何時まで経っても脱せない人。
    今の高校野球でも見ると良いですよ。
    レベルが段違いですから。
    ましてやプロなんて・・・
    過去の名選手でも、今の野球に対応できる選手がどれだけいるのやら。
    解説者も思い出話もたまには良いけれど、「現在進行形の野球」を解説して
    欲しいのですよ。
    ましてや、チーム首脳には懐古主義者は要りませんね。

  3. こうさん  より:

    深い…深すぎる。金本監督の超変革の定義は、俺には未だに解らない。「これが超変革か⁉」や「これこそが超変革❗」と思わせてくれる事象が去年までと比べて多すぎるから。若手の底上げだけでも超変革と思えてしまう。
    しかし、金本監督の考えは、どれくらい浸透しているのか?どれだけの理解者がいるのか?公式戦で結果が出ないとき、マスコミは梯子をはずすのか?俺を含めてファンは叩くのか?
    金本監督は「ファンの皆さんは自由に観てくれていい。」と言っていた記憶がある。けど、キャンプから夢を、希望を持たせてくれた金本監督を俺は叩けないわ…。例え最下位になっても金本監督なら「前のめりの最下位」を見せてくれそうな気がする。
    数日前に「梅野には怒ってくれる人が必要なんじゃないか?」と書いたが、それさえも古い考えなのかもしれない。
    ベンチの選手だけじゃ1年間を戦い抜けない。金本監督の超変革は「手持ちのカード(選手)の戦力化」だと思う。去年まではカードを切る場面を間違えていたし、コーチ陣がカードを信用していなかったような気がする。高代さんの「打てないから、せっかくのランナーを大事にしたくて走らせられない。」という言葉が、それを表している。
    だから金本監督は若手を鍛える。ベテランのケツを叩く。コーチは、そんな選手を見て期待し信頼する。
    金本監督の超変革は「何年計画なのか」知りたい。「初年度から優勝を狙う❗」という就任時の言葉を信じてるよ。

    • 菅野徹(鳴尾浜トラオ改め) より:

      > 金本監督の超変革は「何年計画なのか」知りたい。「初年度から優勝を狙う❗」という就任時の言葉を信じてるよ。

      実は今朝、これについてくどくど書いたのですが、まとまらないし、あんまり面白くなかったので捨てちゃいました。またそのうち書こうと思います。

      • こうさん  より:

        うわっ❗楽しみにしております。自分でも分かってるんですが俺のコメントは「トラオさんに掘り下げてほしいな…」と思うことをサラッと書くというズルい書き方をしております。和田さんは4年で、金本監督は何年で結果を求められるのか?さすがに今の状況が続けば3年以内で優勝するんじゃないか?という甘い考えでいます。まだ和田さんとの比較で他球団との比較ではないのが不安材料ですが。

  4. トラ11 より:

    トラオさんの今日のご意見、賛同です。
    若い選手を育てることが下手な阪神タイガース。若い選手はまだまだ使うに値しない、ベテランこそ安心して使える、という概念のもとに編成されたチーム作り。
    現在の若い選手は心技体共向上してきています。これを如何に伸ばして開花させるかは指導者の責任です。
    今年の金本監督の熱い指導を見ていると、それが実現しそうに思い楽しみです。

    話は違いますが、先日、キャンプのブルペンで鶴が投球練習をしていた時、中西解説が腕の振りや力の入れ方を画面をの中で修正点を指摘していました。
    どうしてコーチをしている時に指導しなかったのか不思議に思いました。
    私の素人考えなのでしょうか。

  5. そよ風 より:

    私の職場ではいっこうに耳にしませんな。
    「今の若いやつは…」
    多分プロ野球はそういうセリフがいまだに聞こえてくるほど縦社会が崩壊せずに残っているということで逆に微笑ましいです。

    和田政権のときの若手の使い方は酷かったですな。
    しばらく使って結果が出なかったらぽーんと放る。
    「やっぱりだめか」とばかりに。
    以後いっさい使わない。
    自分が現役のころより格上のベテラン選手には揉み手をせんばかりの優遇ぶり。
    彼らがヘマを犯しても怒るでなく顔を背けるだけ。
    おとなしいというよりコンプレックスがもろに出ていて痛々しさすらあった…

    金本政権に代わってそれが一掃できただけでも「超変革」ですよ。

    あと現場と経営部の思惑がずれるということも野球のみならずどこの世界にもあります。
    プロ野球の場合はビッグビジネスなだけにそのずれを埋めるのは難しいですが、幸い金本さんは全面バックアップを約束されてますから和田さんのときとは違うでしょう。

  6. なかっち より:

    金本監督の『超変革』まだまだ種をまいてる段階です。そこからどれだけ芽を出すかは選手本人の意識次第。その意識如何によって超変革の完結年数は変わってくると思います。

    私はチーム全体が戦う集団に変わって行くまでには最低3年はかかると見てます。

    先日のキャンプ中継で解説の方が(誰だか忘れましたが)同じポジションにいい選手が固まりすぎて、
    「そこだけバトルが激しい」
    って発言されてました。
    その発言に私は首を傾げてしまいました。将来的には全ポジションでそのようになってほしいのに。誰が出てもおかしくない。見劣りしないほどの全体レベルの底上げこそが『超変革』の到達点やと思ってます。

    今年はセカンドとサードでそのレベルの戦いが繰り広げられてます。
    来年はそこにキャッチャーと外野とショートが入ってくると思ってます。(特に外野とキャッチャーは今年レギュラーを取った選手とそれを奪い返そうとする選手とのバトルは今年以上になると思います)
    そうやってチーム全体のレベルが上がってくるのではないか。タイガースOBの解説の方々にも脳内の超変革してもらわないといけないかもしれませんね(笑)

    能見と岩田が今年大活躍しても、来年の今頃
    「能見と岩田開幕ローテ危ないんちゃう」って言うてみたいです(笑)

  7. そうへ より:

    もぅ、昔の人が「◯◯は160キロ出てた」だとか「昔はもっと飛ばないボールでそれでも何本ホームラン打って、、、」だとか、、「盗塁千個した!」だとか、、
    で、「僕らの時代は凄かった」でしょ!?

    イライラしますよね!
    何千本安打の某辛口のコメンテーター人とか、
    色々今の選手にえらい偉そうに言うてますけど、
    「ほな アンタ、今の投手の急速に、チェンジアップだツーシームだ織り交ぜられて ホンマにその本数打てたか?」って言いたくなります!

    ストレートとカーブと、フォーク投げる人がごく少数いるだけで、
    当時の手袋みたいなグローブ見てても守備のレベルも絶対今とは比べモノにならんだろぉし

    ほんの20年さかのぼっても 落合くらいじゃないですか?通用するの?

    ホンマねぇ、頭固い老人の話は聞いてられません!

    話ふられても全部否定から入るでしょ!?
    「いやいや とゆうかね!こんなん僕なら、、」って、
    いらんいらん!もぅ 解説も世代交代して、出ないで欲しいです!

    「そんなん、ワテらの時代は今とはレベルが違います。今の人たちの記録と一緒にしたら可哀想や!」ってそれぐらいのニュアンスで話してほしいです!そうゆう人の解説は聴ける!

    シーズン中、某虎番組の党首の人の解説の時は音量消してラジオと同時で見たりします!(笑)ズレますけどね、(笑)

    僕が好きなコメンテーターは
    岡田彰布氏
    桑田氏
    矢野氏
    古田氏
    江川も好きです!

    なるほど〜プロのプレイをプロ出身の解説のプロが喋ってるなぁーーって
    そうゆう放送が良いですよね!

    長々と失礼

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