これしかないという粘り勝ち

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それにしても今年は各チームとも好不調の波が大きく、何が起こるかまったくわからんね。だから、「阪神だけは失った流れを取り戻せない」と考えるのはまったく合理的でない。5割ちょぼちょぼでの叩き合いになる可能性だって十分ある。
登板過多を押して使っている田口が2日続けて決勝点を奪われる。読売の苦しさを表している。原監督の求心力をぐらつかせる要因になるかもね。

長い長い試合で、その試合時間のほとんどが攻められっぱなし。雰囲気では3敗くらいした感じの試合内容だったが、実際は1敗もしてない上に1勝が記録された。面白い。

いやあ、高山。よく捕ったねえ。後ろの打球が苦手で、前進守備の指示でもなんとなく深く守りがちだったが、目一杯のプレーでサヨナラを防いだ。そりゃまあもっと上手い人なら別の捕り方をしていたとは思うが、すべては結果。捕れなかった人が捕れるようになった。その裏には本人にしかわからない理由がある。
大山もそう。最後の決勝タイムリーは、先っぽだったけど、よう運んだ。苦しい毎日だと思うけど、大山なら一歩一歩進んでくれるとずっと信じている。
マルテのホームランに、マルテよりはしゃいでいたソラーテ。そらマルテも打てそうな気になるわ。

初回、2回と失点しながら大崩れはせず、5回までなんとか試合をもたせた西。流れを引き寄せる投球をした浜地、ジョンソン。苦しみながらも8回ウラ一死満塁をしのいだ岩崎。前回登板を引きずらず、9回ウラに2者をきっちり取った守屋。下位打線が相手といえ、セ・リーグ初登板を延長10回同点という場面で任された高野。苦しい投球内容となったが、取ったアウトふたつは勝利に絶対必要なものだった。同じく約4ヶ月ぶりの登板が、一打サヨナラの二死一二塁、二死満塁となった飯田。心臓が口から飛び出そうな場面だったが、よく腕を振り切った。そして二死一二塁、二死満塁のピンチを切り抜けた藤川。ベテランといえども、きつい登板だったろう。
それぞれ自分にとって、かなり高めのハードルだったろうが、結果として負けなかった。それがなにより素晴らしい。野手の成長を、投手の踏ん張りで待たなければどうにもならないチーム。報われないことも多々あるが、ちゃんとわかってるから。

2番ショート・ソラーテという前日の妙手をあえて変えて臨んだ。その結果、打てない、点取れないで大苦戦をした。
ところが、貴重な1点目は5番ソラーテの出塁を7番ショート北條が返したタイムリーだったし、チームを救ったのが糸井(死球後に交代、大丈夫?)に代わってライトに入っていた高山の好守だったり、決勝点も2番に途中から入った梅野が足がかりを作ったり、あるいは投手の起用や交代タイミングについても、ひょっとしたらこれ以外に勝つ方法はなかったのかもしれないと思わせるような、道はいろいろありそうに見えて、実は正解は1本しかない迷路のような、そんな勝利だった。

もちろんやってみないことには確かめようがないのだが、矢野監督はしっかり考えて選び、それによって出る結果については「しゃあない」と腹をくくっている感じが見えた。
なんと言われたってかまわない。ひとりひとりを信用して、それぞれが輝けそうな場所を見逃さずに、持ち味を発揮してくれることを期待する。矢野監督がやりたがっていた野球はそういうものだった。
しかし、貧すれば鈍する。負けが混んでくると、「やりたい」は自分のエゴではないか、「やるべき」を先にしなければ……という思考になり、「やりたい」は埋もれていく。
いや、そうじゃない。どんなに「やるべき」に追われていても、「やりたい」を見失ってはいけない。そう思わせてくれたのがソラーテだったのではないか。走る、積極性、楽しむ。自らの喜びを表現し、ファンを思いっきり楽しい気持ちにさせる。たったひとりで、たった1試合で、ずっとできなくなってしまっていた矢野監督の「やりたい野球」を体現した。
ソラーテがいようがいまいが、阪神が急激に強くなるということはない。ただし、気持ちは変わる。だから、急に強くはならないが、急に勝てるようになることはあるよ。

コメント

  1. ブルー より:

    最高の記事をありがとうございます。

    ふーーー、スッキリ!
    トラオさんの文章で勝利の余韻が完結しますので、これからも楽しみに読ませていただきます!

  2. アルスタ より:

    高山は打棒復活に加え守備での成長が見られます。
    高野、飯田が苦しみながらも0に抑えたのも大きいです。
    Gの残塁18そのうち7が若林のところで発生したのも幸運でした。

  3. Akira28 より:

    traoさんありがとうございます。本当に昨日のハードボイルドな試合を見事に表現してくださったtraoさんの今日のコラムはとても読み応えがありました。
    ここ数試合、負けが込んで、ただただソラーテを待ちわびた日々を過ごしてきた私です。凄いのはあのスイングだけでなく、あの陽気な性格にはビックリ!

    そのソラーテの活躍に呼応して、マルテも生き生きとしてきました。
    私もマルテの同点弾に歓喜のハイタッチをするソラーテの姿に思わず笑ってしまいました一人です。
    そして、高山にもビッグプレーが出て、凄い試合になりました。

    ところで昨日は5回を投げ終えても続投に意欲を示す西をなだめ、優しく労う福原コーチの優しい笑顔が印象的なベンチ映像でしたが、もしかして今まで西を引っ張りすぎたのはベンチの判断ではなく、西の意思が働いていたのかもと思いました。
    というのも、前半戦まで光テレビでしたが、オールスター明けからDAZNに契約変更したおかげで繰り返し放送されるうるさいCMからも解放された以上に、攻守交代時に映るベンチの姿がたっぷりと観ることが出来ます。昨日はそんな福原コーチと西のやり取りが見れて大変参考になりました。結果、継投は成功しましたね。

    さて、昨日の藤川。
    なんでもブルペンコーチの金村が投手陣を集めて、「ドリス・能見がいなくなったけど、全員で藤川に繋いでいこう」と言ったとか。
    藤川はこれまでと今後を切り替えて全員で戦おうと鼓舞したと聞きました。
    その決意が見事に表れた昨日の藤川球児。オールストレート勝負で丸を討ち取ると、続く坂本にも全てストレート勝負。
    実に見ごたえがありました。ベース板の左右上下に威力のあるストレート。
    手が出ないかわりに、手を出さず、懸命にストライク・ボールを見極める坂本。最後のインズバはボールの判定でしたが、いや凄かった。
    一死一塁で、向かえるバッターは亀井。初球、今日初めてのフォークを見逃してワンストライク。その後2球ストレートを続け、4球目の真ん中低めのストレートを振りぬくも、ゲッツーにおあつらえ向きのイージーなセカンドゴロ。糸原から植田に送られてワンナウト。しかし植田は糸原の送球をベース上で待って捕球するというお粗末なプレーの後、ファーストへワンバンドの送球。結果マルテがファンブルして二死一塁となってしまいました。
    植田の脚といい、肩といい素晴らしい素質も持った選手であることは認めます。
    しかし、どうも理解しがたい走塁だったり、昨日のここ一番のプレーであったり植田海を好きになれない。彼のプレーに何か雑な印象を受けるのは私だけでしょうか?
    そんなこともあって、球児対阿部の対決。ここからはフォークも織り交ぜ、手に汗握る息詰まる攻防。
    ベース板いっぱいをフルに使って、決して大きく外れるようなあからさまにボールと判るような球は一球もない名勝負でした。
    それはかつての村山実が「長嶋と対戦するときは常にベース板の上で勝負した。一球たりとも逃げたことは無かった。」といった名勝負を現代に蘇らせた実に見ごたえのある勝負だと感じました。
    結果、阿部には上手く内角を捌かれましたが、これも単打でしかなくタイムリーでもなかったという意味では藤川の勝ちだと思います。
    続く、岡本は藤川のフォークを捨て、ストレートだけを狙った打席でしたので、つまらない対決となりましたが、さすがは球児、続く田中との天秤で、ここは勝利優先の投球術で見事な連続セーブとなりました。
    藤川球児、本当に有難う。昨日もお疲れさまでした。貴方のマウンド姿は私に勇気を与えてくれます。
    さすがに今日も連投とはいかないかもしれませんが、そこは昨日、traoさんが仰った通り、島本やジョンソンと上手く役割分担して三連勝をお願いします。
    そういった意味でも、無用に球児の球数を増やすことになった昨日の植田のプレーには「喝」だ!!

  4. 虎ジジィ より:

    本当によく粘りました。

    大山もよく決めたけど、高山のビッグプレーで完全に流れを引き寄せたゲーム。
    あのプレーは、ある意味満塁ホームランなどより価値のあるプレーだったと思います。
    それにしても、今季の高山の守備力アップのめざましさには驚きを感じます。
    素晴らしい!

    投手陣も結果的には「綱渡りリレー」で切り抜けましたが、岩崎、飯田、球児のトコは我々ファンの心臓を蝕むようなモノでした。
    まあ、ギリギリでよく踏ん張った!

    矢野監督は西の代え時は難しかったと思いますが「勝ち星をつけてあげたいけど、まずはチームの勝利」の積極的な交代は良かったと思います。

    明るいソラーテの加入でベンチの雰囲気も良いし、彼の一つ一つの仕草にも魅了させられます。

    なんとなく植田&ソラーテの両打ち二遊間のスタメンも見てみたくなりました。
    そしてソラーテは2番に入れて欲しい!

  5. こうさん より:

    「俺は金持ちだから彼女とはヘリを使って空でデートなんだよ」

    「(クソ、腹立つな。また金持ち自慢かよ。けど付き合わされる彼女も大変だな。)」

    「けど先日、彼女と別れたんだ。どうしても、お互いに謝れなくて。そのまま空で別れたよ。」

    「空ぁて‼️」

    …このように「そらぁて」を使うようにしてください。マートンの時のようにタオルも販売されます。「そらぁて」はツッコミに便利です。

    以上お知らせでした。ナイス、マルテ‼️

    • Akira28 より:

      こうさん、
      私なりに考えてみました。

      「チャンスだ!ソラウ〜テ!かっ飛ばせ!!」なんかは如何でしょうか?

      • こうさん より:

        いいですね‼️明るい応援にしたいですよね。その勢いで中日監督のように「くたばれ は、どうだろうか?」と矢野監督に言ってほしいです。我が子に「くたばれ って、どういう意味?」って聞かれてる親御さん達に申し訳ないです。ファンが「応援ボイコット」をしないと変わらないんですかね。読売が「くたばった」ら阪神ファンの楽しみが減るのに。「楽しむ」と「ストレス発散」を間違えてはいけません。

  6. とらかっぱ より:

    高山!ありがとうそしてごめんなさい。昨日は見事な守備職人ぶりでした。取り方はお世辞にも格好よくなかったけど、あれはまぐれでなく日々の練習が活きた結果だと思います。次は打つ方でがんばれ!

  7. DAN より:

    おはようございます。
    ソラーテがなんかすごくチームに色々な影響を与えてくれそうですね。とりあえずマルテが生き生きしてるというだけでもかなりの相乗効果。
    バッテリー以外どこでも守れ、どの打順でもやれそうな両打ち。まだ2試合だし2安打だけど、このジョーカー感が凄いソラーテは、今後のキーマンになりそうな予感がしますね。
    気がつけば、AS前は大して強そうでもないのに独走ムードだった讀賣があれよあれよと落ちてきて、また他チームも優勝を伺える雰囲気になってきました。8月から9月にかけて、ソラマルコンビが打線を引っ張り、夏の大山から秋の大山へと進化する姿が見れれば、元々投手力では最も決め手がある阪神が一気に抜け出す。そんな展開もちょっとは期待できそうな状況にはなってきたかなと。是非今日も取って、更にその気にさせてもらいたいもんですねぇ。

  8. 設楽文男 より:

    連日の粘り勝ち好ゲームでした。願わくば、他のチームに対してもこのような粘りを見せて欲しい。殊勲甲は高山ですね。守りの方はあまり上手とは言えない選手が執念で超ファインプレーを見せてくれました。本来の得意のはずの打撃の方も一層の飛躍をして欲しい。決勝打の大山は四番を張っている以上、たまにはこれ位の仕事をやってくれなければ。タイガースはやはり、投手力のチームで矢野監督も珍しく度胸を見せて、ファームからの二人の投手を厳しい場面で使ってくれました。もっとも、そうせざるを得なかったのかもしれませんが。マリーンズから来た高野はファームでのホークス戦で投げているのをテレビ中継で見ましたが、時折150キロを超える球をなげていたので、それを中心にするのかと思っていたが、ストライクの入らない変化球ばかりの梅野のリードだったのでハラハラしましたが、高山のファインプレーで救われました。ホークスからの飯田については、上で打ち込まれている印象があるし、ファームでも1~2イニング投げる中継ぎ投手であまり良い印象はなかったですが、何とか切り抜けてくれました。二人ともより一層の飛躍を期待したい。藤川の酷使による疲労を避けるためにも。

  9. 西田辺 より:

    練習は嘘をつかない、という言葉があります。
    高山は守備練習の最後に、前進守備からの後方の打球を想定した練習を毎日
    行っていたとか。
    入団時から守備の課題を散々言われてきて、今シーズンは練習の跡が見えるくらい
    上達してますよ。
    自分の弱さを知り、上達しようとする選手がこうやって結果を残してくれるのは
    嬉しいですね。
    仰るように体勢的には押されっぱなしな展開。
    先制され延長に入っても連続満塁のピンチ。
    数えてみたら、讀賣は残塁18個。
    あっちはあっちで、さぞかしイライラする展開だったでしょうね。
    2連勝したら3タテ喰らわせたくなるのが人情ってもんでしょ(笑)
    今日は気楽に見れる展開で勝って欲しいですね。

  10. ガク より:

    打ち方もそうなら捕球も「変態的」って言われてしまう高山!
    でもなんといっても昨日の立役者は君だ!
    炭谷の打球が上がったときもう完全に諦めた私、全く諦めずに懸命に背走して倒れながらもスーパーキャッチした高山。
    すまん、高山!そしてほんとにありがとう。
    陰ながらのたゆまぬ努力と最後まで一瞬も諦めない精神との結晶があのプレイを産みました。
    ルーキー時代福留も守備は下手クソだったのに努力を重ねて数年後ゴールデングラブ賞の常連になりました。君なら福留の後継者になれるはず!

  11. タクロー より:

    救世主高山、よく取ってくれたよ。ありがとう。

    試合後のコメントがいい。
    「打たないと試合に出られないので全然満足はしていません。」
    きっと、今日につながるはずだ。

    あら、糸井がベンチ入りせず新幹線で戻ったという。大事に至らないことを願う。

    高山、先発 頼んだぞ! ガッツ一発!

  12. ジュビロタイガース より:

    高山の執念を見せてもらいました。
    決してカッコいい追いかたではなかったですが、倒れこみながらもボールは離さず。
    11回に打てれば良かったですが、暴投を誘ってランナーを三進させました。
    大山もそれに応えましたね。球児が締めたし、助っ人は打つし、良い試合でした。
    しかし、ソラーテの喜びよう。自分が打ったかのようにみんなとハイタッチするなんて。

  13. 虎轍 より:

    これぞ伝統の一戦。
    タイガースが勝ったからね(笑)
    今日も勝とう!
    頑張ろう!タイガース!

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