秋山も青柳も止められなかったがルーキーの伊藤将司が止めた。いい日も悪い日もあるが、五分以上の星でローテを守っているのだから、こんなに頼もしい新人はない。
この日はまっすぐの走りもよく、内外への投げ分けもきっちり。加えて、変化球を低めに集める本来のピッチングができた。
エラー絡みで先制されたが、そこも最小失点で踏ん張り、7回88球被安打4の内容はハイレベル。最高の仕事で、暇を持て余していた勝ちパターン継投にパスできたね。
岩崎は一時の不振はウソのように自信を取り戻した堂々の投球ができた。
スアレスも不運な当たりで先頭を出し、アウトカウントを増やすとともに二塁、三塁へと進まれたが、動揺することなく三つ目のアウトを取って1点差逃げ切り。8回を終えて1点あれば勝てるというところを見せつけられたのは大きい。
6回ウラ、同点で二死一三塁。前日と同じように上位打線で好機を作りマルテのタイムリーで劣勢を巻き返した。さらに京田が珍しくトンネルをして、一気呵成に逆転したかったが糸原は二ゴロ、併殺崩れで走者は残った。この日6番サードでスタメンに戻った大山は、そういう状況で打席に入った。
初回の第1打席は当たり前のように二死満塁のチャンスが回る。初球のまっすぐを見送り、2球目のチェンジアップを振ったが当たり前のように当たり損ねのピッチャーゴロで凡退した。
4回の第2打席は一死一塁、初球の半速球を振りに行ったが、当たり前のように二ゴロ併殺に倒れた。
打席での準備とか、狙い球とか、なんだとか。大山だってわかっていないはずはない。わかっていなくはないのに、思ったとおりにできない。思った軌道、思ったスピード、思ったタイミング、思ったパワー、思った微調整、右手、左手、右足、左足、頭、肩、腰、ひざ、足首…………。考えれば考えるほどわからなくなるのがバッティングだ。
どんな球にもタイミングが合い、ボールにスピンがかかってパワーも乗る。理想の打球はまっすぐセンターへ。
あんなバッティングができるのに。舐められるような打者ではないのに。
二番手田島は「超積極的」で打開を図ろうとする大山の意図を見抜き、初球、2球目とボールになる低めのフォークで振らせにきたが、大山は何なく見送った。「死ぬ気で」入ったこの打席、集中力は高い。3球目こそと同じ球を続けたが誘われなかった。3ボールからの4球目、大山は振った。矢野監督は振らせた。この1球を仕留めれば大山は変わる。
アウトローへの直球145キロ。二塁ベースは空いていて、次は7番の小野寺。さほど追い詰められた心境にない田島が投じた1球はいいボールだった。先端に当たり、バットはグリップのすぐ上でバキッと折れた。大山本来の目の覚めるようなセンターへの放物線には程遠い、ヘナヘナと力ないフライが右方向へ上がる。あまりにも力なかったばかりに、ライトの守備範囲よりはずっと前に落ちた。
まったく本来のタイミングで打撃ができないときでも、大山は自分のスイングをしようとはしていた。どんなに力ないゴロになっても全力で一塁には走っていた。守備でミスすることもあったが打撃の悪さを引きずるようなものではなかった。
期待は大きい。結果が出せないことへのもどかしさは本人が一番強く感じていることだろう。なんとかしたい、この分厚い殻を破って、次の姿に変貌したい。どんなエースのどんな勝負球をもセンターバックスクリーン放り込める強打者になりたい……。
でもいまはこれが精一杯。
苦しみながらも愚直に振って愚直に走る。愚直に歩んだ分、簡単には手放さない理想の姿にきっともう少しでなれる。
コメント
「真面目な好青年・大山」へのtoraoさんの愛情が伝わる素晴らしいコラムです。
泥臭く、本当に良く決めてくれた。
大山悠輔、再浮上のきっかけになると信じたい!
伊藤将は、ほぼ完璧でした。
ルーキーにして必ず前回の失敗を繰り返さない=修正能力が高いからローテを外れる事がない。
本当に素晴らしい事。
リリーフの「最後の砦」の二人も貫禄の投球で安心しました。
最後も敢えてビシエドとの勝負を選択し、ねじ伏せた事で良い流れで今日に繋がると思います。
?な迷走。5番に糸原を配置するなど、矢野監督に迷いがあるのは気がかりですが、タイガースの勝ち方が出来た流れで今日も締まったゲームを期待します。
将司もやはり並のルーキーではないですね。他のレベルが高すぎて隠れてますが例年なら十分新人王射程圏内の働きを見せてくれています。この人のストロングポイントはクレバーさにあると思います。
前回序盤KOの反省を活かし徹底的に低めに集める投球で見事ドラゴンズ打線を抑え込みましたが、気持ちだけでなくメカニカルな部分での修正もあったのだと思います。球速がなく数は多いが特筆すべき変化球もないなかで、右腕を大きく上げて打者から見辛いフォームを作り上げてきたという面でも打たれない為にはどうすれば良いのかを如何に考えてきたかが想像できます。
これからもプロでの経験を糧として打者を騙すピッチングを期待します。
toraoさんが大山の現状についてすべて語ってくれていますので付け足すことは一つもないのですが「凡打したときでも一塁への全力疾走」これは欠かさずやってました。金本前監督からの指導を頑なに守って実践していることだと思いますが、これが出来ているうちは上がり目もあると思います。気持ちの上でももちろんそうなのですが一試合3回ゴロを打ったとして3回30m弱のショートダッシュをこなす事となり体のキレが出てくる。これが秋の終盤戦になって活きてくると思います。
誰だったか忘れましたがOBが言ってた事を思い出しました。
フォームやタイミングの取り方はまだまだ本調子にはほど遠いと思いますが、昨日の一本をきっかけに浮上する可能性は高いとみています。そのためには今日の一打席目が大事だと注視しておきます。
toraoさんの大山への愛情溢れる文章に朝から泣けてしまった。皆同じ想いかも? 大山のタイムリーは単なるヒットで無く、これからのタイガースを語る上で大きなシーンになると思う。
伊藤将の快投、好調近本に勝負強いマルテ。
完璧ザキの後のスアレス。変なゴロヒットで二死三塁となったがピシエドには全球内角ストレートで力勝負。
梅ちゃんの覚悟を見た気がした。
最後に虎轍さん良かった。
ほっとしました。
岩修様こんにちは。
9回にスアレスが三塁にランナーを背負ってのビシエド勝負はヒヤヒヤしましたが、なんとか抑えてくれ!の祈りが通じました(笑)
今日も勝って欲しいですね。
雨が心配ですが、藤浪晋太郎を信じて、祈りに行ってきます(笑)
虎轍様 今晩は
藤浪が観たかったけど雨には勝てませんね。仕様がないので鳥人間コンテスト観てましたが今年はやっぱりタイガースが1番気になります。ここからが本番ですから…。
大山が4回の打席で打ち取られたあと、一塁付近で表情が映し出されていましたが、メラメラと燃えるような目をしていました。相当悔しさが募ってる感じでした。こんなところで肩を落とし、首をうなだれている訳にはいかない。大山は死んでいない、そう思いました。
将司ありがとう!いい捌きでした。
今日はもう1人の「死んでいない」はずの男に期待します。頑張れ!
今日のトラオさんの文章…「『人を育てる』って、こういうことなんだろうなぁ」と思ってしまった。俺みたいに結果に一喜一憂しないで、選手の本質を見極めている。叩くのは簡単、けど信じるのは難しい。今日は思い知らされました。
現状のスタメン、俺が望むのは
1 中野
2 糸原
3 近本
4 マルテ である。近本には盗塁王は諦めてもらうが上位打線で点を取るならやるべきだと思う。それほど下位打線が厳しい。上位打線に繋がらずチャンスメイク出来ていない。
外国人トリオを1日で終わらせたのは当然の判断。矢野監督にしては珍しく拘らなかった。けど昨日のスタメンを見た青柳、どんな気持ちになったのかな。
大山の殊勲打、本当にきっかけにしてほしい。けど、まだまだ。まだまだ個人的借金を返済していかないと。本当の4番を目指すなら厳しいコメントを書き続けるよ。けど…本当に良かったな。そして、ありがとう。
最後にボッチャ、杉村選手、金メダルおめでとうございます、ありがとうございます。インタビューで「調子はよくなかった」と言っていたが全く感じさせなかった今大会。ボッチャというワードを世間に広めてくれて、ありがとう。
何番打とうが、大山という選手はそういう星の下に産まれたんでしょうなぁ。
昨日の大山の偉かったのは、前の2打席であんな結果に終わっても
次のチャンスで3-0から振りに行ったこと。
普通、消極的になったりするもんだけど。
大したもんだわ。
伊藤も丁寧なピッチングに終始。
多少、球審西本の低めに広いゾーンにも助けられたが、それはお互い様。
そこをうまく利用したバッテリー。
梅野も前日からかなり配球パターンを変えて対処してくれた。
こう言うのは生ものですからね。
いつも同じでは通用しません。
伊藤の強みは、高めのボールをゾーンから外して使える事。
意図してない時もあるけど、高めが危険な所に行かない。
スピードと高低左右の散らしで、打者の目を錯覚させるのがピッチングと
配球の基本。
バッテリーGJ!
久方甲子園で勝ち越しが無いんですよ、実は。
今日も勝って勝ち越して、読売を迎え撃ちましょう。
藤浪頼むぞ!
昨日は現地観戦で勝てて良かったです!
大山って男は前にも書きましたが、どこの打順でもチャンスが回ってくる生まれながらの何かがあるんでしょうね。
だから真面目な性格で好青年なのかも知れませんね。
綺麗な打球でなく、バットを折りながらでも、誰も居ないフェアゾーンに落ちればヒットなんよ!綺麗なホームランも見たいけど、チャンスでは綺麗に振って三振するより、泥臭くガムシャラな大山でええと思います!
大山!ありがとう!GJ
伊藤将司は球は低く集まり、コントロールミスも少なく、ナイスピッチングでしたね!GJ
四球を出す事なく、ライトスタンドから逞しく投げる姿を見えてました!ヒーインの声もええんやから、まだまだいっぱいヒーインを聞かせてや!
今日も聖地甲子園に祈りに行ってきます!
疫病退散!
頑張ろう日本!
やはり勝負事には攻めの気持ちが大事だなと痛感。
スリーボールからヒッティングにいった大山然り、ツーアウト三塁からビシエド勝負にいったバッテリー然り。
私は安全な選択で行くんだろうと決めつけてましたが、いずれも強気の選択が勝ちを引き寄せてくれました。
今日の藤浪にも攻めの気持ちで投げてくれれば、きっと良い結果につながるはず。
チーム全体、不調な時こそ「強気」を前面に押し出して戦うべし。
渾身
伊藤将司、渾身の88球。4安打無四死球。前回の屈辱を見事に晴らし、チームの危機を救った。ありがとう。大拍手!
スタメン発表、5番セカンド糸原、6番サード大山、7番ライト小野寺、、にはガッカリした。
危機脱出に向けて賭けに出た助っ人クリーンアップは一夜にして解体。意固地がモットーの指揮官なのにサード:マルテ、レフト:ロハスの守備におののいてしまったか。覚悟なきお試しスタメンだったんだろうか前夜は。
今宵はサード:マルテのヒヤヒヤを解消するために、サンズとロハス、大山と輝明を天秤にかけた結果。はて、5番糸原はどの辞書に書いてあるのだろうか?
その天秤にかけられて残った大山。チャンスで打てないのは、いまや定説。当たり前だの併殺打。ところが6回、常識を覆す渾身の一撃。執念のポテン。青ざめた主将が目醒めた猛虎になった瞬間だ。
このポテン打が決勝点。これが僕たちの野球だという。これって、どれ?なんだろう?
先ずは守りをしっかり固めて、わずかなチャンスにかけることなのか、弱い中継ぎをカバーするために、打ち勝つ重量打線で臨むのか、名ばかりだけど。まあこれとてどっちでもいい、日替わりでもいい。もう結果がすべてだ。
9月の25試合が正念場、中でもその前半戦で雌雄が決してしまうだろう。今こそ覚悟をもって結果を出す戦う態勢を全面に出しとくれ。
今夜は藤浪晋太郎。目醒めよ。マウンドで跳ねる渾身の投球で立ち向かえ。
伊藤将司は無四球でナイスピッチングでした。初対戦だったのも良かったかも。
遠山も高卒ルーキーで8勝なんて凄いね。
大山は気持ちで打ったのかもしれないけど、だったら初回も。0-3からあの球を打つのはどうかと思う。
近本はもちろんだけど、糸井も調子良さそう。福留が出てるんだから、糸井も。
サトテルは何で出るんだろうと思うんだけど。ファームは連勝中で、サトテルが来たから負けたとなるのが嫌なのかな。
スアレスは素晴らしい。引分けが少ない要因のひとつですね。
ジュビロタイガース様こんにちは。
大山は3-0から打ちにいった強気な気持ちがあったから執念の安打になったと思いますよ。
あの場面で1球ストライクを見送ってれば投手有利になってたと思いますし、振りにいって良かったと思います。
逆にいつもは初球から打ちにいくのに満塁の場面で初球のストライクを見送って、打ち損じた打席の消極的なとこは弱気な打席やったと思います。
最近のジュビロタイガース様の言わはる根拠の無い投げぱなしでコメントを書くのは違うと思いますよ。
しっかりと野球を見たうえでコメントを書いた方がええと思います!
それは野球に対して素人とかではなく、浅はかな野球理論やと見受けられると思われます。
一生懸命頑張ってる選手に対してのリスペクトも無い書き込みですよね。
偉そうに言うて申し訳無いです。
消してくれはってもええです。