好不調、波の間に間に

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今季、ずっと優勝争いを牽引してきた理由のひとつは、昨年と比べて打てるようなったこと。もう忘れかけているけれども前半の勝負強さは抜群で、梅野、サンズ、マルテが異常なくらいの得点圏打率の高さを誇っていた。最終的に優勝争いで競り負けたのは、勝負強い打撃がまったくなくなり、走者がたまればたまるほど打てなくなってしまったからだと言っていい。

マルテは比較的通年好調を維持できたほうだが、最後にきて苦しんだ。サンズは前年と同じように夏場から別人のように打てなくなった。輝明は五輪期間中のエキシビションでアホみたいに打っていたと思ったら、本番が始まる前から不調に入ってしまった。糸原は最後に調子を上げてそこそこの打率こそ残したが、コンディション不良による離脱やスランプに悩む時期があり、大山は好調期があっという間に過ぎ去ってしまった。
年間を通じてコンスタントに力を発揮できたのは、スタート時だけいつもの不振でそこからハイペースでヒットを量産した近本と、徐々にプロの投手に対応できるようになった中野くらいだ。
プロ1年目の輝明や中野は上々の出来だったと褒める言葉しかないが、この好調を維持できない現象、あるいは不調からなかなか這い出せない現象を、タイガースのチームカラーにしてしまってはいけない。

などと言うと、その解決策を求めたくなるのだが、この「解決策」ほどあてにならないものはない。どの選手だって問題は認識しているし、その打開策に必死に取り組んでいることだろう。それはとても大事なことで、決して手を抜いてはいけない。でも、それだけじゃダメなのだ。まずは、正面から正々堂々と努力すること。でも、その正面からの努力が100%報われるのには時間がかかり、時には報われないこともあるのを意識すること。さらには常にまったく別の方向から目的に近づく道がないか探ること。そして、今の自分以外に「正解」など存在しないと知ること。

自分のことは自分でなんとかするしかないが、チームのことをなんとかするのは選手個々の仕事じゃない。いざとなりゃ、使う監督が悪いのだし、結果が出なきゃクビになるのは自分だけ。命までは取られないし、全財産を没収されるわけでもない。長いかどうかわからない野球選手人生を思うまま思いっきり楽しんだらいいのだ。
選手たちには、そんな気持ちで2021年のポストシーズンに臨んでほしいし、来年以降のシーズンを戦ってほしい。
山あり谷あり、それが当たり前なのだ。

コメント

  1. 虎ジジィ より:

    そうですね、振り返ると近本・中野以外の打者がジェットコースターのように波があり、一番最後の勝負処で頼みの近本が抜け、前半好調だった打者が底になってしまったのは痛かった。

    打線に関してはヤクルトの塩見→青木→山田→村上〜後半好調の助っ人2人の方が圧倒していた事は確かです。

    とはいえ投手陣は昨年までのエース西&「7回の男 岩貞」以外は年間を通して安定感があり断然タイガースが有利な手応えはあります。

    CSまでかなり期間が空くので、近本の復帰は勿論、
    「オープン戦・エキジビションの時の佐藤輝」
    「選球眼のマルテ」
    「得点圏のサンズ・梅野・大山」
    がリセットされて戻ってくれれば楽しいポストシーズンになると思います。
    選手は硬くならず思いっきり楽しんで欲しいし、
    首脳陣はそういう雰囲気を作り出し、言い方は悪いけど「調子に乗る」ように盛り上げながら指導して欲しいです。

  2. こうさん より:

    ここ数日のトラオさんの文章のタイトル、「雨上がりの朝に(夜空に)」とか「クラシリ楽しみ」と韻を踏んでみたりとか「兄弟船」を出してみたりとか、なんか楽しそう。…ひねくれてる俺はテンションをなんとか挙げようとしているように見てしまいますが。

    近年、タイガースを支えるのは大学や社会人で「出来上がった」選手たち。しっかりと高卒組も育てられるチームにもなってほしいな。

    ネットニュースでは石井琢朗コーチが3軍で飼い殺されるかもという内容。…欲しいなぁ。

  3. 西田辺 より:

    特に打者の不調が、タイガースは長く続くような気がします。
    一つの仮説として、1つのシーズンの好不調はあるけど、不調の入り口でフォームや
    タイミングのずれを修正出来ていれば、長引く事も無かったかも知れないが、
    どん底になるまで使い続け、修正が難しくなり不調が長引くんじゃないかと。
    佐藤輝なんかは典型で、五輪ブレイク前に崩れ始めてたのは明らかだったのに、
    エキシビジョンも出ずっぱりだったし、再開後明らかにフォームもタイミングも
    選球眼もおかしくなっているのに時間を取って修正している感じもなく、結局
    連続ノーヒット打席が騒がしくなってようやくファームに落としたけど、ルーキーが
    独力で修正するのは難しい課題でした。
    もっと早い段階、たとえば五輪ブレイク中に修正に取り組んでいたらどうなっていたか。
    使う側も選手を信じるのは勝手だけど、調子の見極めも大事な仕事の一つ。
    機械じゃないんだから、いつ何時でも同じ性能を発揮するわけがありません。
    いや、機械ですらもメンテナンスや調整をシッカリしないと、戦力として使えなくなります。
    使う側としては、一番良い時のイメージで組むんでしょうけど、生身の人間ですから
    崩れてしまう前にケアして欲しい。
    もちろん修正するのは本人主体なんですが、不調の入り口というのは本人では分かりにくい
    部分があります。
    毎日フォームや球筋を見てるコーチの方が、細かい変化を気付きやすい事もあるので
    そこは目配りで。
    昔、阪神にはフルイニング出ても一年コンスタントに成績を残す化け物がいましたが、
    誰も彼もがそんな事は出来ません。
    来期は、コンスタントに力を発揮できるようなコンディションのケアにも力を入れて
    欲しいものです。

  4. いわほー より:

    それにしてもルーキーが3人も活躍するシーズンというのもレアな体験。
    言い換えるとルーキーに頼らなければならない先輩達がだらしない、と口にしたいところですが、この3人に関して言えば、十分レギュラー張れるだけの能力があったのも事実。
    とはいえルーキーはルーキー。
    ほぼ毎日野球漬けの生活に慣れるのも大変だろうに。
    さすがに社会人出の二人は上手く対処したんでしょう。
    テクノロジーの進歩著しいこのご時世、スコアラーの経験的分析のみに頼らず、いろんな機器やシステムを駆使して相手投手、打者を分析解剖していることだろうに、佐藤輝なんかは後半丸裸にされてしまったか。
    各チーム、完全にサトテル攻略マニュアルが出来上がっている。
    ならば攻略マニュアルを逆手に反撃マニュアルを用意しなければ。
    選手とスタッフの共同作業を期待したい。

  5. 虎轍 より:

    前半戦はチャンスをしっかりと得点してましたが、後半戦はチャンスがピンチになってましたからね。
    相手チームの先乗りスコアラーがしっかりと仕事をしたんでしょうね。
    最近のタイガースはスカウト陣はええ仕事をしてます。
    単純にスコアラーが悪いとは言い難いですが、来年は分析を的確にして、ええ情報をいっぱい持ち込み、優勝して欲しいですね。
    勿論、矢野監督の采配もあると思いますがね。
    とりあえずクライマックスシリーズ1stステージを勝ち進めたら、日本シリーズ進出も目指せるので、しっかりと練習、休養をして週末に備えて欲しいですね。
    疫病退散!
    頑張ろう日本!

  6. セブンビーチ より:

    ファームに落とされても頑張ってそうなサンズ選手を上げてほしいな。
    csは開幕スタメンのメンバーで行ってほしいです。

  7. タクロー より:

    助っ人のスペア助っ人

     登録人数の1割、日本シリーズ登録人数40人からすると2割。やっぱり多いよなあ、助っ人外国人8人は。今季は育成的な呂がいなくなったから、8人とも戦力として予定していたんだろう。勝手気ままに採点すると、スアレスS、ガンケルA、アルカンタラC、エドワーズD、チェンE、サンズC、マルテB、ロハスC。開幕当初の構想を想像すると、スアレスは絶対的守護神、アルカンタラは先発の軸のひとりで、チェンは左腕不足の救世主。ガンケルとエドワーズは先発と中継ぎのスペア。打者では大枚をはたいて呼んだロハス3番はほぼ確定、マルテとサンズは競争させて登録はどちらか一人。こんな感じだったのかな。だけどコロナの影響もあって、開幕当初からスペア組のガンケル、マルテ、サンズの調子が良かったものだから、山の尾根をずっと歩いている時期が去って谷に落ち込んだ時に、メンバーの状態の見極めがままならなかった。情があって、ブレないというより変に意固地になる首脳陣には、持ち駒をうまく使いこなせなかった。あれこれ材料は用意されているが旬な時期を見失ってしまったような感じ。あれこれベンチの迷いや情をなくすためにも少数精鋭のほうがいいんじゃないのかな。生え抜きを育てるためにも。
     来季はコロナの特別措置がなくなり外国人登録は4人に戻るとして、わがまま勝手な個人的感想をいうと、スアレス◎、ガンケル〇、アルカンタラ〇、ロハス▲。それにHR30~40本打てる右の大砲外野手。マルテとサンズは今年以上の成績を望むのは難しいと思うので、このあたりでありがとうサヨナラ。投手を含めて助っ人のスペア助っ人はもういらない。それならば中堅、若手の生え抜きと勝負させてもらいたい。当たりはずれを嘆かず、谷底を浅く短くするためにも。