小幡サヨナラ&2000回西勇好投

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9回ウラ一死から前川が内野安打で出塁(代走植田)。輝明死球で一死一二塁となり、打撃上昇中の梅野に任せたが、ウィックの超高速カットボールに空振り三振。二死となり打席に8番小幡。高め、低めと内寄りの球を捉えきれずファウル、2球で追い込まれる。3球目高め155キロにはバット出さず、4球目高め154キロをファウルで逃げたあとの5球目、150キロの超高速カットが真ん中やや低めへ。本人が目指している「線で捉えるスイング」で「強い打球」をライト前へ弾き返した。当たりゴーの二走植田は小さなコーナーリングで三塁を回る。前進守備のライト度会、強肩発動バックホーム、際どいタイミング、ヘッドスライディングの植田にタッチしにく山本、しかしショートバウンドした返球は山本のミットに収まっていない、セーフ!サヨナラ!

植田も藤本コーチもかなりスッキリしただろう。すばらしいスタートとスピードだった。あそこは相手が85点の守備をすればアウトになるタイミングだ。でも挑まなきゃいけない勝負。「失敗しない」が勝利条件なら博打など打ってはいけないが、長いシがズンを戦うプロ野球では、失敗リスク込みで博打を打てなきゃ拾える勝ちが減る。だから勝負には闘争心が必要なのだ。

つまらない打席内容を繰り返してきた小幡だが、あれもまた必要なこと。ひょいひょいと上手くいく人なんて数えるほどだ。わかっていても繰り返してしまう失敗に、嫌気がしてしまいそうになっても、それでも考えて動いてまた考えてを繰り返すしかない。
木浪が抜けたショートは小幡が守る。誰もそれに異議を唱えたりしない。それは何年もかけて自分で築いた地位だ。その地位に自分自身が気後れしてしまうのはわかる。その地位での経験がないのだから。でも試合を重ねていけば必ず自分の能力を発揮できる。そういうものだ。

と、9回ウラだけを切り取れば実に胸が熱くなる。しかしこの試合の本質も、素晴らしい投球をした先発西勇輝に援護できなかった「情けない試合」だ。2000イニングという大きな記録の日でもあり、スカッと勝利をプレゼントしたかったのに。確かに相手先発ジャクソンも良かった。確かに締まったいい投手戦だった。ただ、どうやっても点になりそうもない阪神打線を抑えるのと、どっからでも点を取られそうなDeNA打線を抑えるのとでは難易度が全然違う。西勇輝の投球のほうがはるかに価値が高かったのだ。せめて7回ウラ西に代打を出したところで先制点を取って、勝ち星をつけられればよかったのだが。試合を見ていて、なんか投手たちに謝りたくなるこの気持ちはなんなの? もうホント、頼むよ。

桐敷、漆原、石井とつないだ。桐敷は出したくない四球で代わったが、漆原がよく投げきった。石井はなんかすごい(笑)。

梅野のリードも冴えていた。振りたくない球でカウントを稼ぎ、打ちたくない球を打たせた。西勇輝は、要求したところに要求した軌道の球が来るのだから、配球も楽しかっただろう。

大山が4番に戻ってきて、強いまっすぐに刺されながらも2本のゴロヒット。復調へのきっかけになることを願う。

「情けない試合」を胸熱のサヨナラにできたのは、守りを頑張ったから。いいプレー、いいゲッツーがあったから。なにはともあれ、好調のチームを初戦で止めたのはデカい。
今日も天気が悪いようだが、勢いに乗っていきたい。

コメント

  1. 西田辺 より:

    「明日も勝ちマッスル!」
    このキメ台詞、実は石井大が昨年の5月11日に勝ち星を挙げた時にお立ち台で
    披露するつもりだったのが、腰痛を発症しお立ち台を断念。
    その時もお立ち台には小幡の姿があった。
    試合は、案の定と言うか球威のあるジャクソンに押されっぱなしで得点の匂い
    が全くしない。
    一軍復帰の大山は岡田監督らしく、定位置の4番でスタメン。
    当たりこそ良くなかったけど、2本のヒットは本人にもチームにもいい影響を与え
    てくれると良いですね。
    7回ウラの攻撃で、二死から梅野の二塁打と小幡の四球で一・二塁。
    好投の西に代打糸原。
    すがさずDeNA三浦監督も左投手の坂本を告げる。
    岡田監督は、それならばと代打の代打ノイジーを打席に送る。
    数字だけの話をすると、ここで登板した坂本の被打率は、左打者に.290で右打者に
    .115と明らかに左打者を苦手にし、右打者の懐にクロスで抑える典型的なタイプ。
    一方の糸原は、打席数に違いはあるものの対右投手.242で対左投手.500と決して
    左投手を苦手にはしていない。
    それよりも、代打専としてベンチに控えて準備してもらっている実績ある選手に
    ハイ左が出て来たから、右に交代と言う起用には賛成できかねます。
    昨日、DeNAのブルペン陣で左投手は坂本のみ。
    その貴重な左をおびき寄せる為だけに糸原を使ったのなら、勿体ないとしか言いようが
    ありません。
    まぁ、あそこでノイジーが打ってれば何の問題もなかったんですけどね(笑)
    最後に走った植田も、打った小幡も良くやった!
    走塁面は先日監督から不満だ漏らされてたから、藤本コーチの腕もいつもより
    回ってました(笑)
    木浪のいない今、小幡にかかる期待は大きい。
    チャンスはそう転がってないから、ここでガッチリ掴んでくれ。
    西は2000投球回数を達成。
    おめでとうございます。
    阪神在籍時に達成したのは、小林繁氏以来とか。
    本当は勝ち星で、花を添えたかったけど・・・。
    近代野球ですと、ローテーションピッチャーでもおよそ年間150イニング程度。
    このペースでも13~14年かかります。
    先発で故障や不調が少なく、結果を残しながら長年活躍することが条件になります。
    扱いは小さいですが、物凄い記録です。
    こういう時にシッカリ点を取って、花を添えられる打線であって欲しい。
    今日の相手先発は、昨年のセ最多勝の東。
    今日こそ頼むよ、打者の皆さん。

    • 虎鬼 より:

      たしかに糸原が気の毒でしたね。
      先日、新庄監督は桐敷に清宮をぶつけましたが、岡田監督は単なる左右病でした。

    • いわほー より:

      矢野監督時代、ラジオで解説の岡田さんが矢野さんの左右病に苦言呈していたんですけどね。

    • 西田辺 より:

      虎鬼さま
      いわほーさま
      まぁ、一言で「左右病」と言っていいのかどうかは議論があるでしょうけど
      画一的な交代起用は相手を楽にしてしまいかねません。
      若い経験不足の選手を起用するなら、打席に入る前のやりやすさを提供する
      工夫も要るでしょうが、糸原や原口といった何年かレギュラーも張り、
      右も左も打ってきた選手にそんなものが必要なのか、と。
      こう言うのは突き詰めれば、お互いの信頼の問題になりますからね。

  2. 虎ジジィ より:

    臨場感のある素晴らしいコラムに全て書いてありますが、
    まずは西勇輝投手、通算2000回達成おめでとうございます、高卒から大きな怪我もなくコンスタントにイニングを食ってきた結果の記録だと思います、まだまだ通過点!

    大山が戻り打線がやっと「あるべき姿」に戻りましたが、やはり苦手なパワー投手に苦戦、好投の西勇輝を見殺しにしてしまいました。

    7回裏にチャンスが訪れ余力を残して西が交代〜代打糸原しかし投手が左腕に代わると代打の代打がまさかのノイジーには驚きました。
    そもそも糸原は左投手を苦にするタイプではないし、右の代打の切り札は原口。
    岡田監督が原口が先日タッチアップ出来なかったファールフライを打って頭に来ているなら、勢いのある豊田でも良かったように思います。
    結果論ではなくノイジーが出て来た時点で撃てる感じがしませんでした。

    その後もリリーフ陣が強力打線を相手に踏ん張り、9回はチャンスで確率の低い梅野&小幡で正直延長戦も覚悟しましたが、小幡がコンパクトに鋭い打球でライト前、ソフトボール並の前進守備だったのでホームインは厳しいと思われたけど、送球が逸れた上 植田の足に焦った捕手がポロリでタイミング的には完全にアウトながら、結果は最高のサヨナラ勝ちになりました。

    中野などの打撃の状態がドン底で、今はそうそう連打が期待出来る状況ではないので、一かバチかでも積極的に走るしかない事を思い知らされたゲームでした。

    • いわほー より:

      中野の状態が悪いですね。
      今日は左腕の東投手だし、ここはひとつ中野はベンチに下げて、先日ファームで満塁ホームランかっ飛ばした熊谷を使ったらどうでしょう。
      以前に久慈さんがショートさせたら熊谷が一番上手いと話しておられたし、内野ならどこ守らせても大丈夫ですから。

      • 虎ジジィ より:

        いわほーさん毎度です。
        中野は内野手のアタマをロブ風に越えるヒットでお馴染みですが、何故かスイングにチカラが入り過ぎておりHRを狙ったようなスイングが裏目に出ている感じです。
        同じ凡退でも近本のソレとは内容が全く違います。
        昨年のWBC〜シーズン出ずっぱりで疲れもあるのではないでしょうか。

        熊谷や植田なども「代走専」と決めつけず、中野に休養を与える為にも使ってみて欲しいです。

  3. 博多の前ちゃん より:

    「どうやっても点になりそうもない阪神打線を抑えるのと、
     どっからでも点を取られそうなDeNA打線を抑えるのとでは
     難易度が全然違う。
     西勇輝の投球のほうがはるかに価値が高かった」

     あぁ~、思わず膝を打つ、なんて素晴らしい文章なんや~!

  4. とらかっぱ より:

    昨夜は会社の新入社員歓迎会でゲームは9回裏しか観れてなかったのですが、小幡への熱い思いと西勇への称賛が溢れ出る文章に私の胸も熱くなりました。今から見逃し配信を見ます。

    しかしお調子者ルーキーに3本も打たれたのは気に入らない。今日は完璧に抑えてくれることを期待します。

  5. makikomorita より:

    昨日は、お茶目な石井 好青年小幡両選手のヒーローインタビュー良かったですね。
    好投の西にまたしても勝ちつかず、、
    もう6勝してたっていいくらいなのに。

    他の試合にも少し目を通しましたが、日ハム楽天お疲れ様!
    観戦のお子さんも既に夢の中でした。
    他チームの目に付く選手ですが、中日のカリステ 凄いですね。
    どこでも守れて、長打もあって、昨日はそのソロホームランが決め手となりました。
    先発の高橋宏斗も良かった、この名前でいつも思い出すのが、高橋遥人2軍戦では投げたと聞きますが、いつ頃上がって来れるのか…楽しみです。才木浩人とかなり仲がいいらしいです、才木の活躍ぶりに刺激を受けていると思いますが。

    今日は、難敵東 将司にも勝ちをつけて上げたい、大山も戻って形もできつつある?
    お調子者の新人今日も打ちまくるのでしょうか、何せ強力打線 油断なりません。
    皆で将司を援護して!!

  6. Akira28 より:

    渡会の肩なら普通は回さないというのが、ミソでしたね。
    岡田監督というのは流石です。
    パリーグのように強肩外野手揃いで、普段からバックホーム合戦やって、やり慣れている中で、日ハムの万波のあの場面では、絶対走らせてはいけません。
    しかしセリーグではそこまでやり慣れてないので、強肩の外野手といえども送球にミスがおきないでもなく、ましてやキャッチャーは焦る。
    打てない打線で如何に点を取るかを考えた岡田監督は交流戦の終わりに、重要なメッセージを放ったという訳です。
    セリーグ戦に戻ったら、走れ!帰れ!藤本回せ!植田は迷うな!
    きっとそういう意図が岡田監督のあの夜のコメントに含まれていたんだ。
    きっと。
    おそらく。
    知らんけど。
    西投手に天晴れ!です。

  7. 岩修 より:

    toraoさんの名文と皆さんのコメントに感激、感動です。
    色々あった試合ですが、糸原に代えてノイジーの場面で場内がざわざわ、シ~ンとしたのと、ファールフライで倒れた瞬間の哀しげな西勇の表情が印象的だった。
    でもラスト、小幡が海に後ろからバグし、続いて大山が小幡にバグした姿にジ~ン…
    体調いまいちで今日の現地観戦は控えようと思ったけど石井の「明日も勝ちマッスル」で、今、甲子園に向かってます。
    雨でも良い試合を。イトマサ対アズマ。怪獣映画のタイトルみたい…

  8. 虎轍 より:

    まずは西勇輝2000イニングおめでとうございます。
    長い歴史のNPBで100人も居てない記録は素晴らしい!ピッチングもナイスやったよ!GJ
    球審福家もナイスジャッジ!
    小幡は最後に一番打ちやすい球がきたね。ナイスヒット!GJ
    度会のバットを振った後の所作が嫌いやわ。なんか嫌いやわ。広島の野間と一緒くらいキモいわ(笑)
    今日も勝ちマッスル!
    ガンバレ!タイガース!
    頑張ろう日本!

    • 岩修 より:

      虎轍さん、こんにちはです。
      自分も度会のニヤニヤ大嫌いです。最後の場面、ちょっと焦ったのあだったかも? イトマサには頑張って欲しいです!

    • 虎轍 より:

      岩修さん毎度おおきに。
      ファールで粘った後のバットをクルクルしよるんも嫌いやわ。
      植田海がホームに還ってきた時は大変嬉しゅうございました(笑)