杉山「年齢を表す人物」との勝負に勝つ

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交流試合期間に入って、新鮮なだけでなく、一戦一戦見ごたえのある試合が続く。順位表を見てみると相変わらずの混戦模様ながら、中日・阪神・ヤクルトが貯金組、横浜・広島・巨人が借金組とやや開いてきた。今のところ理想的な位置どりだ。
二軍に目をやると、的場選手が代打出場を果たしたという。また這い上がって来た。今キャンプでは走攻守にキレを見せ、右翼レギュラーの大穴的存在だったのだから、その持っている力は間違いない。いつかきっと花を咲かそう。
藤本も二軍戦出場間近。故障前同様ではなく、何かきっかけを掴んで上がって来て欲しい。
「松坂大輔が甲子園に帰ってきた」雨模様の平日に44,030人を集めた。やはり当代一のスターだ。何事にも動じない精神力の強さ、球種一つ一つの完成度の高さ、体の強さ…見る者を文句なく惹き付ける。
しかし今季、松坂は勝利に恵まれず、これで3勝5敗。エースがエースの投球をしても勝てないのでは、なかなか順位も上がってこないだろう。
象徴的だったのが追加点をあげた5回ウラ。先頭・鳥谷の打球は三遊間を鋭く破る。が、三塁手フェルナンデスはグラブをひょいと差し出しただけ。届かなくたって打球を追いかけ、飛びつくのが三塁手の「労働」だろう。杉山の送りバントで二塁ベースカバーが遅れた遊撃・片岡の動き、ストライクのスライダーを後逸した捕手・細川…甲子園の雰囲気に飲まれたのかも知れないが、「投げているのはウチのエース。絶対負けられない」という迫力と集中力がナインから感じられなかった。
試合を「つくった」のがウィリアムス。8回に2点献上、1点差に迫られ、試合をこの上なく盛り上げた。何やっとんねん(笑)。投げてみないとわからない「ジェフ劇場」が続く。もともとコントロールで抑える投手じゃなし、目一杯腕振って真ん中狙ったらよろし。
桧山選手、読んだ?…ワケないな(笑)。まさに第一打席の初球、代打と同じ状況で、松坂唯一の失投を仕留めた。やや置きにいった直球を素直に弾き返すと、特有の緩やかな円弧はどこまでも伸びて、右中間最深部を越えて行った。
松坂としては、初回赤星はじめ上位3人で切り、二回もっとも警戒すべき金本・今岡を越え、一瞬の真空状態だったのかも知れない。しかし相手は桧山だ。誰も期待していないその一瞬は、決して逃さないのだ(笑)。
自分の年齢を表して、常に同業の他人の名で呼ばれるというのはどんな気分なのだろう。自分と別世界の人物だと思っているうちは誇らしくもあるだろうが、その存在が近くに感じられて来たなら、妬ましくも疎ましくも感じられるだろう。この日、杉山、藤川、久保田は、「年齢を表す人物」に激しい闘志をかき立てられたのは間違いない。
今季に限っては、同世代をリードする投球を続けている藤川は、下位打線を寄せ付けない。特に打撃に色気を出す松坂には内角高めに151km/hの直球を放り込み、どん詰まりのショートゴロに切った。
どうやらなかなか燃えてこなかった久保田にも微妙な変化があったように見える。自軍の同い年の投手たちがわずか1点のリードを繋いで来た。それを最後まで絶対に守ってやるという強い意志が、その一球一球に込められているような気がした。MAX153km/hそれでもなかなか空振りが取れない。しかしこの日はコントロールミスはない。丁寧に投げ込んでいく。だんだん調子が出てきた…。代打中村をスライダーで、最後の打者栗山を152km/hの直球で空振り三振を奪い、歓喜の一瞬を呼び込んだ。
そして、松坂と堂々渡り合った先発・杉山。自分の持ち味を十分発揮した。速球は最高150km/hを記録。低く曲がり落ちるスライダー、ストレートと錯覚しやすいフォークを駆使し、再三の大ピンチにも思いっきり腕を振った。本人の談話にもあったとおり、矢野捕手が身をていしてワンバウンドを止め続ける様子に、バッテリーの強い信頼関係が生まれていた。
杉山にとっては投げやすいマウンドだったかも知れない。相手は第一人者、負けてもともと、失うものはないという気持ちで向かっていった。この男、なかなか正体不明で(笑)、だからこそ面白い投手だと思う。

コメント

  1. daiapapa より:

    hiyama said:
    「いい投手に対して追い込まれると、
    なかなか打てない。
    最初のストライクを狙っていた。」
    ちょっと情けないコメントのような
    気がしないでもありませんが
    toraoさんはじめ
    皆さんの「初球打てビーム」で
    打てたのでしょう、きっと(笑)。

  2. BSミツルH より:

    江草に橋本も同級生とくるから、この学年は充実していますね。西武には桧山が初球からこないという情報がまわっていたのでは(笑)。ちなみに的場・藤本の同級生も洗ってみました(笑)。上坂・葛城・吉野・安藤…。それぞれに見えない壁が立ちはだかっているようで…。超えていって欲しいですね、その一歩。

  3. ばかぼん父 より:

    昨日は長文、申し訳なかったです。「楽天的(=考えなし)」「学習しない」「失敗を選手のせいにする」ところが、私の上司と重なるもので。w
    普段のストレスと相乗的に、怒り増幅モードに入ってしまいました。
    うなりを上げるような直球は無かったし「調子は最悪」だったらしいけれど、松坂はさすがに凄い。
    ノーアウト満塁で2番からでも点が入る気がしなかったし、150球投げて8回に150km/h だしね。
    桧山の「不意打ち」の1発、ホントに価千金でした。
    そして、それを守りきった投手陣、Good Job!
    杉山は、力が入るとワンバウンドになるし、恐れずそれぐらい低めに投げてなんぼの投手。矢野捕手、1アウト2、3塁の貝塚の時のかなり手前でバウンドしたやつ、右肩近くで、よーく前へ落とした。マリスタの時とは大違いで、ナイスなプレーだった。休養がよかったのかもしれないよ>首脳陣。

  4. おかぼん より:

    おはようございます。
    昨日のtoraoさんの予言(?)
    「なんだかひ弱な時もある桧山ですが、力強くどでかい仕事をやってくれることもありますって。」
    たちまちズバリ的中!でしたね。
    「松坂相手に好投した」ではなく、「松坂に投げ勝った」という形で残る結果が、杉山本人も言うとおり大きな自信になったし、この結果がこれからローテの柱として成長していく糧になると思うから、チームの今後(今年だけでなく)にとってまさに「どでかい仕事」といえます。
    それにしても9回はちょっとドキドキ。
    監督も「9回1点差を抑えてセーブがついたのは大きい」とコメントしてましたが、この「結果」も今後に生きる(生きてほしい…)。
    調べてみると、「9回1点差で久保田が登板」したのは今季初めてなんですよね。
    (4/23ベイスターズ戦、結果的には1点差勝ちでセーブがついたけど、久保田は9回3点差で出てきて2発浴びた)
    もう何度もクローザーとして登板してきたみたいな「顔」をしているので誤解していました。久保田もまさに発展途上、「これからよ」です。

  5. おはようございます。
    やっぱ、評論家ですよ、torao兄は。
    言うた通りの桧山のバッティング。
    >誰も期待していないその一瞬は、決して逃さないのだ(笑)。
    この一文は、後世に残る名文ですw
    それと、「松坂世代」という言葉、アナウンサーが多用しすぎてかなり鬱陶しい今日この頃だったのですが、そこを切り口に持ってくるあたり、勉強になりますw
    しかし、投げてみないとわからないジェフ。
    まぁ、ジェフが悪けりゃ、その分久保田がぴりっとしたので、よかったですね。

  6. 激虎 より:

    松阪を倒しての勝利、それにtoraoさんの評論で充分幸せですが、今朝は超の付く幸せゆえ、杉山をtoraoさん以上に讃えたい。”絶対先取点を許さないように、向かっていきました”試合後の談話どおり、カブとヘルの両巨漢に向かって、マウンドで躍動した杉山に感動しました。先発投手の使命を理解した強い精神力に将来を期待したい。エースナンバー18は伊達ではありません。若き日の藪投手を思い出しました。第一戦の先発投手に見習って欲しいものです。来年からは右のエースの称号をもらえるように成長して欲しいです。さー、今夜は井川で奪首といきましょう。

  7. 松坂世代対決は杉山・藤川・久保田3者連合の勝利!

    西000 000 020=2 神020 010 00X=3 [投手] (西武)松坂 (阪神)杉山?藤川?ウィリアムス?久保田 [勝ち投手]杉山2勝2敗0S [負け投手]松坂3勝5敗0S [セーブ]久保田1勝2敗5S [本塁打] (阪神)桧山3号ツーラン 勝ち投手も負け投手もセーブも同級生だったっていうじゃない。

  8. torao より:

    今日も天気は上々でしょうか。しかし、皆さんのコメントはいつも面白いなぁ。本当に皆さん評論家ですよ(笑)。
    to daiapapaさま
    情けないようであり、真理でもありますね。いい投手=三振が取れる投手=ウィニングショットのある投手。ボール球に手を出さず、2つあるカウント球の内、一つが甘くなることを願ってじっと待つ。もし甘く来たら確実に仕留める…間違いないですよね。
    失敗すると淡泊な攻撃になりかねませんが、投手と勝負するなら、絶対に積極策が有利だと思います。そう、ビームは実在するんです。そう思うと応援のしがいがあるでしょ?(笑)
    to BSミツルHさま
    たいへんな当たり年であることは認めざるを得ませんね。不思議なものです。松坂がそうであったように、荒木大輔フィーバーに沸いた頃、生まれてきた子供たちでしたっけ。今は西武の投手コーチ…歴史は複雑に絡み合いますね(笑)。きっと松坂が甲子園で大活躍した年の子供たちも一時代を作るかもしれません。
    なんと、そうですか。なんとももどかしい「藤本世代」だこと…。さあ世代を背負って抜けてこい!
    to ばかぼん父さま
    いえいえ、長文、短文なんでもござれ。怒りにまかせた激しい文章だって歓迎しますよ。気にせずガンガン書いて下さい。行き過ぎの時はそっと消しますから(笑)。私だって翌日に書いているからおとなしくなりますが、敗戦直後に書いていたらかなり文体が違うはずです(笑)。
    矢野でよかった…素直にそう思える試合でした。ねばり強く、辛抱強く若い投手を導きました。言葉にすれば、「我慢せいよ、辛抱せいよ」って感じ。打つ方はサッパリだってかまやしませんよ。
    to おかぼんさま
    うれしかったなぁ、桧山の一発。でもでもだからだから、好きなんですよ、桧山が(笑)。
    野球はやってみないとわかりませんね。杉山の良い所が全部出ました。ちょっと大げさですが、性格的なつかみどころがない分、伸びしろ無限にありそうな投手です、杉山は。
    そうですか調べてみましたか、評論家ですね(笑)。そうなんですよ、久保田を過小評価すべきでないと思います。長い目で見ていきましょう。
    to かきぴーさま
    そうですよ、自称評論家ですってば、言ってるじゃないですか(笑)。
    ジェフのおかげで、杉山の勝利、久保田のセーブが、より嬉しいものになりました。さすがこの日投げた投手で一人だけお兄さん、気がきいていますよね(笑)。
    to 激虎さま
    そんな風に言っていただけると本当に幸せを感じてしまいますよ、私も(笑)。
    杉山の褒め称えが足りなかったですか(笑)。でもこうしてフォローしていただいたのでOKですね(笑)。
    「恐れずに向かっていく」この気持ちがあったからこそ、とんでもないボール球にも手を出してもらえたのでしょうね。殺気を振り払うかのようなおっかなびっくりの空振りが多かったですから。杉山、楽しみですね。

  9. 激虎 より:

    to かきびーさん、
    ABCの中邨アナの松阪、松阪の連呼に腹が立って、途中から音声を消して画像だけで観戦しました。甲子園に座っていること忘れて絶叫していたよう。”松阪がなんぼのもんや”で立ち向かっている虎戦士のこと頭に置いとけ。

  10. 松坂を封じての勝利!

    (甲子園) 西 武000 000 020=2 阪 神020 010 00×=3 <投手> (西)松坂 (神)杉山―藤川―ウィリアムス―久保田     ○杉山2勝2敗 S久保田1勝2敗5S ●松坂3勝5敗 <本塁打> (神)桧山3号2ラン=2回裏   昨

  11. ちょびうさ より:

    今日はこんばんわになりつつある時間ですねぇ。
    井川君が投げてます。
    既に2点も取られてま?す。
    さっすがエースですね(泣)
    大沼って投手は知りませんでした・・・。
    私は松坂世代って言葉は嫌いです。
    それでひとくくりにされている
    他の優秀な選手たちの気持ちも考えれって
    思います。
    帆足に負けて松阪に勝つ。
    面白いです、野球って。阪神って(笑)

  12. 西武戦(2回戦)

    3対2 勝利♪2回裏、まず桧山が2ランを放って先制すると、5回にも相手のミスから1点を奪い、リードを拡げた。投げては杉山。9奪三振の快投6回無失点で2勝目を挙げた。打○桧山・3号2ラン投○杉山・2勝2敗 久保田・1勝2敗5S(杉山・藤川・ウィリアムス

  13. torao より:

    よしよし、同率首位だ!しかも最後ちょっと西武に追い上げさせて、次の横浜戦への勢いをつけてやってと(笑)。
    to ちょびうささま
    いやー、そんで大沼に井川で負けなくて良かった良かった(笑)。
    それでもきっと、「松坂世代」とくくられた側も、それをバネに頑張っているんだと思いますよ。確かに最初に飛び出したのは松坂でも、最後に笑うのは違う選手かも知れませんよ。私は個人的に、最後まで現役でいられた人の名を取って「○○世代」と呼ぶことにします。あ、その時は他の選手いないんだった(笑)。

  14. かきぴー より:

    ◆激虎さま
    空気の読めないアナウンサー、いやですよねぇ。夏の甲子園でもABCはうっとおしいので、NHKばかり見ているかきぴーでした。
    一番のお気に入りは、BSで野球中継するときの副音声です。球場の音のみで楽しめるのでいいっすよぉ。

  15. オレ竜がもたもたしている間に、同率首位になりました。
    >私は個人的に、最後まで現役でいられた人の名を取って「○○世代」と呼ぶことにします。
    僕の同級生の野球選手の元甲子園優勝投手(松坂投手の先輩)は現在行方不明になってしまいました。
    toraoさん的定義で言えば、ついさっきまで対戦していたチームの監督世代ということか。。

  16. torao より:

    to スーパーサウスポーあさちゃん。さま
    え?愛甲さんってまだ行方不明なの?あらら…。ほらね、「愛甲世代」というより「伊東世代」って言われた方が「ふむふむ」って感じでしょ(笑)。でもこれはあくまでも歴史を振り返る時だけですね(笑)。ってせっかく伏せてた名前を出したりして(笑)。