80年の球団史上初、開幕2試合連続サヨナラ勝利。どうやら今年は何か変わったことがあるようだ。
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対中日 2回戦 京セラドーム
中 | 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 | 0
神 | 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1x | 1
勝:松田2勝0敗0S
敗:祖父江0勝1敗0S
中日:バルデス – 浅尾 – 又吉 – 祖父江
阪神:岩田 – 呉昇桓 – 松田
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試合終盤は、前日のコピーのような試合展開。又吉は逃がしたが、祖父江を掴まえてサヨナラ。じゃ、今日は福谷を?いやいや、こういう展開は本来ドラゴンズペース。
バルデスという投手が意外と打ちづらいというのはわかるような気がする。珍しい「球を持たない」投手。投球動作の途中でボールを離してしまうような、ヘンなタイミング。それでいて制球はよく、球もよく動く。
ドラゴンズの4投手に対してわずかに4安打。これでよく勝てた。そんな頼りない攻撃陣に本来はヒーローなどいない。この日のヒーローは先発岩田だ。8回無失点、今季初登板で状態は決して絶好調ではなかった。とくに課題のある立ち上がり、1回は二死から森野、ルナの連打で二死二三塁のピンチ。ここは名手大和が小さなファンブルをしていて、森野が走塁をミスしなければ1点入っていたケース。その後の展開を考えれば大きな1プレーだった。
ここでバッテリーは落ち着いて、平田と藤井、2人で1つのアウトを取った。梅野の安定感が目立つ。
さらに2回表は先頭エルナンデスの右中間フェンス直撃。ここも珍しく福留と大和の連携悪く三塁打にしてしまう。しかしここも8,9番を落ち着いて片づけて、1番大島には会心の投球。逃げ落ちるスライダーを意識させながら、内外に直球を排し、最後は速いスライダーを振らせて三振。去年の成績が自信になっている。
すっかりペースに乗ったが、5回表、二死後大島に上手く打たれて二死一塁。ダメもとでも走ってくる場面で、二人息ぴったりの共同作業で盗塁を阻止。走者がいないときでも、腰を落としてまるでクイックのように投げる今年の岩田の投球モーションは、一塁に走者がいる時に、大きくリズムが変わらないようという利点もあるように感じた。とにかくここは梅野のフットワークも軽やかに、また矢のような送球がベースの角に一直線、オートマチックにアウトがもらえる見事な刺殺だった。
試合の流れを分けた最大のピンチは7回表。先頭の平田を苦労して打ち取ると、球が浮き始める。藤井に二塁打、エルナンデスにもいい当たりのライトフライで、二走はタッチアップ、二死三塁となる。ここはまったく当たりのない、しかし谷繁監督、腹をくくって育てようと決めたらしい松井雅。勝負にいっても打ち取れそうだが、次の投手バルデスに回せば当然代打で、イヤな投手に代わってもらえる。結局死球で、意図としてどちらだったのかがイマイチわからなかった。ドラゴンズの中継ぎは基本的に良いし、松井で勝負すべきだと思ったが。
結果として代打福田を打ち取り、イヤな投手を引っ込めさせた。この場面もバッテリー頑張ったね。福田は、明らかにメンバーの中でいちばん打てそうな打者。しっかり振ってくるし、打たれているファールもだんだん合ってきてイヤな感じ。走者が三塁にいるが、ここはフォーク。これもしっかり見切られてフルカウント。しかしここでもう一つベースの上で落とすフォーク、たまらず空振り三振。リード、キャッチング、いずれの点でも梅野の成長を感じさせた。そして岩田の落ち着きを感じさせた。
すでに111球投げていた岩田に、8回も投げさせたのは、打順のからみと、なんとか白星を付けてやりたいという考えからだったと思う。岩田も見事にそれを意気に感じて、上位打線を三者凡退に仕留めた。前の回を全力投球で切り抜けた様子から、理屈で行く監督ならここはスイッチだったろう。だが、「温情のもう1回」が岩田をさらに成長させた可能性がある。
9回呉昇桓は、本人が言うように「昨日よりはマシ」。だんだん良くなるのかな。
10回松田、全球まっすぐ。ここも梅野の嗅覚が冴えていた。松田は高品質の直球を揃えられるようになっている。コンディショニングだけ注意だ。
みごと完封リレー完成。この2試合で梅ちゃんへとへと、打つどころの騒ぎじゃないだろう。しかしとんでもなく成長しているはず。まったく代えようともせず梅野に任せたこの2試合に、首脳陣の覚悟も見えた。もちろん休養も必要になってくるが、この姿勢はいい。
問題は攻撃の方だよなあ。
1回ウラ、タイガースの攻撃もまたこの試合において重要なところだった。先頭鳥谷の左前ヒットを、前の攻撃のチャンスで凡退した藤井が後逸、無死二塁となる。こうなんというか続き物のストーリーのようで、ここで先制点を取ってしまえば、あっさりとタイガースのペースになる。しかし2番上本が空振り三振。狙いは、最低でも二ゴロで一死三塁、もちろん右前ヒット、中前ヒットでタイムリーまたは無死一三塁がベスト。途中セーフティバントの構えをまじえながら投手を揺さぶったところまでは良かったが、結局初めて見るバルデスにまったくタイミングを取れず、内角まっすぐ着払いの空振り三振。まったく何も出来なかった。
ここは自分の現在の調子や、ハツモノの投手ということも考え合わせて、「最低でも」のレベルをもう一段、二段下げても良かった。なんとか球数を多く投げさせて、この謎めいた投手のデータを取る。これを最低の仕事とする。その上で四球が取れれば最高、進塁打できればそれも最高。もっともそれもまたレベルの高い仕事ではあるが、上本の粘り技術なら、無理な注文でもない。そういう意識で打席に入るかどうかだけだ。
その後、西岡四球で一死一二塁、ゴメスの左前がいい当たりのライナー性だっただけに、鳥谷は三塁ストップ、これは仕方ない。一死満塁と攻めたてたが、マートンがまったくタイミングとれず見逃し三振、福留も二ゴロに倒れて無得点。これでまたスロースタートの試合になってしまった。
結局、サヨナラの10回ウラまでチャンスらしいチャンスも作れず。先頭マートンのラッキー三遊間。
ここですぐにはマートンに代走を送らず、走者が二塁に行ってから代走田上。去年もあったこの「二塁に行ったら代走作戦」は、和田監督の決断力のなさの代名詞でもあった。だが、私はこの場面では私はかなり自然に受け入れられた。無死一塁で打者福留。打順は下位に入っていく。梅野、大和、投手と3人続けて代打を送るほどコマはない。となるととにかくここは福留の強打に期待したいところ。代走を送れば、福留の意識に走者を殺してはいけないという意識が働く。また俊足走者が投手を揺さぶるということは、牽制が増え、なかなか前へ投げてこない。スタートやエンドランがあるかも知れない…打者としては、それはそれで集中できない。ここは「ゲッツー上等」で福留に思いっきり打たせたい。よって代走なし。
結局、福留の「打つぞオーラ」が勝ち、四球を選び、無死一二塁。梅野にバントというシチュエーションになってマートンに代走。ここは「優柔不断」ではなく、「理詰め」だったと思う。
あとはラッキー。バント守備でこけてくれたのがすべてだ。関本としては、流れの中で、相当なパーセンテージで押し出しを狙っていたと思う。あそこは貫禄勝ち。そういう代打がいるのは強みだ。
サヨナラもいいけど、連日でやるようなもんでもない(笑)。理想的な試合もやっていきたい。
コメント
toraoさんも仰るように、ヒーインこそ関本でしたが、昨日のヒーローは間違いなく岩田!!
お馴染み序盤のピンチも気迫の投球で切り抜けてくれました。
両チーム共に若い捕手がスタメンでリードにいっぱいいっぱい、おのずと下位打線が弱くなり貧打戦になりますが、「最後まで梅野に託す」の和田監督には、「正捕手・梅野を育てる」の覚悟が感じられます。
最後は関本がヒーインで盛り上げてくれましたが「必死のカッチで…」と噛んだ時に例のスタンドの姉妹が「こんな関本が見たかった」のカードを掲げていた時は吹いてしまいました。勝ったからこその微笑ましいシーン(笑)。
松田の144勝ペースは凄いですがw、今日は藤浪一人ですっきり勝って欲しいです。
ドラゴンズは若手が上手く育たず、ベテランと外国人で何とかカタチにしている苦しい状態のチーム、ここは何とか3タテしてスタートしたいところ。
今年は交流戦が変わって143試合なので、松田は143勝ペースね(笑)。もちろんチームも143勝ペースです。
失礼、そうでしたか!
松田143勝0敗って、肩壊れますがなw
祝 単独首位
とはいえ見逃せないシーンもあったゲームだった。
特に10回裏のノーアウト1・2塁で梅野のバントは当然の策だが、
梅野に代打(言うまでもなくピンチバンター)を送らなかった
和田の采配に疑問を強く感じた。
あの場面、上手く送れさえすれば、ほぼ勝ちを取れる。
その為にも最も高確率で送りバントを決められる選手の起用が
必要だったと俺は観ている。
阪神が表の攻撃で、あそこで勝ち越しても裏の守りが残って
いるので、梅野を育てるためという理由なら理解できなくもないが、
あの場面は勝ちに直結するところだからな。
幸運にも祖父江が転倒しチャンスが拡大して結果的に勝ったけど、
こういう小さなことをの積み重ねがペナントを戦う上では
モノを言うので、個人的には あ~ぁって感じで観ていた。
守りのことだけでなく、梅野にはピンチバンターが必要ないくらいバントの上手い捕手になってもらわな困る、というのもあるでしょう。捕手はある意味、投手よりバント決めなきゃいけません。それには場数も必要。あんな痺れる場面は最適で、シーズン頭のこの時期だから、そういうこともやらせることができます。
捕手はある意味、投手よりバントを決めないとならない。
確かに試合の終盤、8番打者が送りバントを決めて次の
ピッチャーのところに代打を送る・・・そんなイメージで
しょうか。ごもっともなことだと思います。
でも俺は梅野には将来的なことを考えれば、もっと上を
打ってほしいと思うし、極端なことを言えばバントなど
必要のない選手になってほしいと願っている。
(現状では全然まだまだですけど)
少なくともペナントスタートの今だからと言う意味でも
経験と言うのなら、俊介や坂などにも経験させても良いと
思うし、梅野よりは高確率で決めれるだろうと考えた次第です。
私もサヨナラ3ラン様と同じ意見ですね!梅野で行くなら
『打て』
でしょう。
送るならピンチバンターやったと思いますね!
まあ状況から考えると、あの場面は間違いなく送りバントの場面!
なら俊介、田上を代打で起用すべきやったのでは?
難しい判断ですが、成長させるのは、梅野だけやなく、全員成長してもらわないといけませんからね!
単独首位。ええ響きや!
昨日の試合は現地で見てましたが、両者相譲らずではなく激しい譲り合いでした(^^;;。セッキーのインタビューでもありましたが、もっと楽に勝たないといけませんね。岩田投手の力投に勝ちをつけて上げて欲しかった!
マートン選手が昨日の試合後に居残り練習をしたとか。確かに3打席連続三振は頂けません。今日の試合で練習の成果が出ると良いですね。
大阪桐蔭も勝ったことだし、今日の先発・藤浪投手も頑張らないと。もちろん西岡選手もね(笑)。
単独首位!
開幕からの2日連続サヨナラ勝ち。
遼馬がセ・リーグ最多勝(笑)。
清々しい朝のはずなんですがねえ。なんかモヤモヤ。言葉は悪いが、ふ○詰まりのような感じ。まあ、この雰囲気の良さが良薬になるのを祈ります。
それにしても、梅野の成長を感じますね。五回の盗塁阻止もそうなんですが、ピンチの場面でも去年のようにベンチをキョロキョロ見なくなった。顔色を伺わなくなった。正直去年は見苦しく感じてましたが、どっしりとして来たな、と言う感じです。ピンチでの福田に対してのフォーク連発は実に良かった。今年はやるぞ、と言う覚悟を感じる。
梅野の成長が五年、十年、十五年先のタイガースを支えると言っても過言ではないと思っているので、体調次第ではあるが、出来るだけ使い続けてもらいたい。今年のタイガースは補強してないから不安、と聞きますが、そんな事は無いよ。
ただ、バントはもう少し上手くなろうね(笑)。
岩田134球の粘投。素晴らしかったですね!勝たせてあげたかった。解説の湯船さんも仰ってましたが、
『毎年これだけ援護をしてもらえない投手も珍しい』と(笑)
何かうまく攻撃のリズムに持って行けない何かがあるのかもしれませんね!
しかし、昨年から人が変わったような素晴らしい投球は見ていて安心感すら覚えます。
7回で111球やったんで、変えるかなとも思いましたが、あそこで続投させたのは結果論ではなく正解やったと思います。
特に4本柱は1イニングでも長く投げてもらわないと。
あそこで失点してても私は文句は言わなかったと思います。
(岩崎や岩本が先発やったら変えるべきやとは思いましたが)
先発投手によって続投か交代か違う選択肢があっていいと思います。
今年1年で能見、藤浪、ランディー、岩田の4人が投げる試合は白黒付くまでは極力試合を任せるくらいの我慢をしてほしい。(結果的に完投負けになったとしても)
開幕戦もランディーに続投してほしかったですから。
中継ぎの登板過多を軽減出来るシーズンにしてほしいですね。
打撃陣には正直がっかりです。
『野球は投手!点を与えなければ負けない。』
昨日はそんな典型的な試合でした。しかし、こんな試合を続けてたら投手陣が精神的に崩壊するでしょう。
あれだけの貧打やと作戦もクソもない。
今日は藤浪が先発。チーム全員でエースに育て上げなければいけない投手!
今年に限っては、藤浪が投げる試合では絶対に勝って欲しい。
楽天がチーム全員でまーくんを育てたように、タイガースも藤浪をチーム全員でエースにして欲しいと願ってます。
打線は心配ですが、4月の寒い時期くらいまでは投高打低なんでよしとしましょう。今から京セラ行ってきます
また今年も岩田はムエンゴ地獄か・・・可哀そうに。
先発投手に勝ち星がつく試合を!
トラオさんも仰っていますが、昨日の勝利の1番の功労者は岩田ですね。
何とか勝ちをつけてあげたかったですね(打撃陣よ頑張れ)
岩田は良く粘って投げてくれました。その岩田をリードした捕手の梅野が、2番目の功労者でしょうか。
相手のミスはありましたが、犠打を決めて走者を進めましたしね。
今日は藤浪が先発ですね。
3連勝が理想ですが、カード勝ち越しは決めたので、少しは楽な気持ちで投げてもらいたいです。
祝・連勝単独首位。
岩田投手、魂のピッチング見せてもらいましたよ。
次は援護点もらって楽させてもらいましょう。
梅野捕手、昨日の陰のヒーローです。あなたの成長がファンの夢を現実にしてくれそうです。
藤浪投手、未来のエースではなく真のエースの姿を見せてくれ。
いい流れを確実なものに。
期待してます。
祝!単独首位!!
で、試合ですがほぼほぼトラオさん仰る通りの感想を持ちました。
岩田は言う事無し。ただ昨日に関しては8回続投はプラスでしたが、
次回からはもうちょっといたわって欲しいですね。ペナント長いので。
それにしても鉱物ブラザーズの長男、頼もしくなりましたねえ。
気になったのは満塁からのマートンの打席。
一度もスイングせず、判定に不満たらたらといった感じで下がって
いきました。確かに昨日のジャッジはゾーンが広く、福留がやたら低いのを
取られたり、ゴメスがやたら高いのを取られたりしましたが、マートンの打席は
特に問題なくジャッジ通りだったと思います。本人に映像を見せるなり
納得させる何かをしとかないと負のスパイラルになりかねません。
10回マートンに代走を送らなかった福留の打席は、見ていてトラオさんと
全く同じ事を感じました。「進塁打なんて打っても無駄だよー」っていう(笑)
その後の梅野バントの場面は上で議論されてましたが、私も代打を
送るべきだったと思いました。成長を期待するのも理解できますが、
ちょっと過負荷かなと。今は攻撃面はブンブン丸で良いと思いますw
最後に昨日気になった別の点ですが、ちょこちょこ打球飛びすぎな時が
あるかなあと。福留の頭越しもですが、ゴメスの天井直撃内野フライとか、
誰の当たりだったか平凡な飛球のはずが結構フェンス近くまで行ったりとか。
たまに加藤C印のボールが混じってたりとかあると笑えますw
岩田ー梅野の粘りのバッテリー賞でした。岩田は本当に生まれ変わった。落ち着いていましたし、ガッツに胸が熱くなりました。おかわりの八回続投も大いにうなずけます。勝たせたかったですね。
頑張れ晋太郎!
働き盛りの関本お立ち台。
勝利を呼び込む必死のパッチの証、身を挺してのデッドボールは関本らしい。
昨日のサヨナラ逆転勝利は地味な勝利でしたが、勝ちは勝ちということで。
岩田に勝ちは付きませんでしたが強い精神を持って投げることができ立派でした。でもちょっとかわいそうです。
あのような珍しい投球をする外国人をよくも見つけてきたと感心しました。
転がり込んだ松田2勝目も実力の賜物。
連日のサヨナラ逆転勝利は今季の好調を占っているような気も…(笑)