前日に続いて、すでにアクセスできなくなっている2年前にアップした『虎バカ旬だより』の記事を再掲する。
たった2年前の記事だというのに、非現実感が格段にアップしている。
国内の地域経済格差とか国際関係とか、世の中の状況がどんどん悪くなっているということだろう。
文化、スポーツとか芸術とか娯楽とかは、人間が生きていく上で絶対になくてはならないものとはいえない。だけれども、世の中が悪くなっていかないように、良い方向に変えていくのに役立ったりすることがある。文化は人の心を変える。
日本の文化のために、野球が果たしてきたことは小さくないし、これからもやろうと思いさえすれば、大きな役割を果たせる。
プロ野球界は、非常事態ともいうべき状況だった2004年を契機に大きく変わって改善した。しかし、喉元過ぎればなんとやら、構造的な危機にあることにそれほど変わりはない。
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クライマックスシリーズなんてやめちまえ!でもどうすれば?(2017年10月)
●阪神の2017年、終わる
クライマックス・シリーズ(CS)1stステージ第3戦。阪神タイガースはDeNAに敗れ、2017年シーズンが終わってしまいました。できればもう少し、若い選手たちに成長の機会を与えられればよかったのですが、まあしょうがないですね。
レギュラーシーズン2位、いい試合もたくさん見せてもらいました。ひとまず、選手はじめ関係者のみなさんおつかれさまでした。ありがとうございました。
大和や俊介のFA、新コーチングスタッフの発表など、オフの話題も出始めていますが、まずはポストシーズン、ドラフト会議など球界の大イベントを見守り、楽しみましょうね。
●あわや「3位vs3位」の日本シリーズ!
さて、CS1stステージは、セ・パともに3位チームの勝ち上がりで決着しました。ファイナルステージでも、最終的にはソフトバンクが勝ち上がりましたが、楽天連勝のスタートは、「おやおや?」と動揺しました。
そしてセのほうは、なんとDeNAが先に王手をかける展開です。
今季のようにセ・パともに優勝チームが2位以下を大きく引き離す展開で、もし万一、3位チームどうしの日本シリーズになったりなんかしたら、きっと大騒ぎだったでしょうね。
いや、3位DeNAの日本シリーズ進出だけでも、やはり大きな話題にはなりそうです。
多くの野球ファンから「CSなんかやめちまえ」という声を聞きます。確かに、1年間戦って、苦労の末に優勝を成し遂げたチームが、日本シリーズに出られないというのはショックです。2014年に阪神が読売に4連勝して日本シリーズに出た時は大喜びしたものですが、もし逆の立場だったらと考えるとゾッとします(笑)。
でも、もはやCSをやめるわけにはいきません。「3位争い」まであることで消化試合がなくなりました。
あるいは、もうやっつけたはずの相手に「下剋上」されるという、理不尽すぎる仕組みだからこそ、この上なくヒリヒリします。
短期決戦の魔力というCSのメリットは、もはや失うことはできません。
●甘すぎる「敗者復活」が問題だ
ならば、なんとかしてもっと多くの人が納得できる仕組みにできないものでしょうか。
そもそもの問題点は、6チーム中3チームまでが参加できてしまう「敗者復活の甘さ」にあります。
本家アメリカの場合は、30チームが2リーグ・3地区に分かれて、各リーグとも3つの地区優勝チームと、勝率上位の1チーム(ワイルドカード)の合わせて4チームによってプレーオフが争われます。つまりポストシーズンに進めるのは、30チームのうちの8チーム(27%)。
日本の12チームのうち6チーム(50%)は、いかにも甘すぎます。
できれば日本も「地区優勝チームと、それに準ずるチーム」というような、「しかるべき資格を持ったチーム」のみでポストシーズンを戦えるようにするのがベターです。
それにはチーム数が少なすぎるのです。
じゃあ、チーム増やしましょう。やっていけない?それは、既得権益を握る現行12球団の言い分。うまくやればなんとかなるって。
とりあえず、2リーグ制はそのまま、セ・パとも2球団ずつ増やして、合計16球団にしましょうかね。
セ・リーグは、四国アイランドリーグplus選抜を母体にした「四国」と、BCリーグ選抜を母体とした「北信越」の2球団を新加入させます。
レギュラーシーズンは、8球団の総当たりで行います。年間トータルの試合数は少し増やしましょう。地区分けは、東地区=DeNA、読売、ヤクルト、北信越。西地区=広島、阪神、中日、四国。
プレーオフには地区優勝した2チームと、地区2位のうち高勝率だった1チーム(ワイルドカード)が出場します。8分の3ですから38%。やや甘いですが今よりはいいでしょう。
1回戦は、地区優勝チームのうち勝率の低かったほうと、ワイルドカードが争います。そして、その勝者と高勝率の地区優勝チームとでリーグチャンピオンシップを戦います。
日本シリーズは、セ・パのチャンピオンシップを勝った2チームによって行われます。ああ、これなら思いっきりスッキリしますねぇ(笑)。
●パ・リーグよ、NPBを引っ張っておくれ
ここから、暴論になっていきますよ。覚悟してください(笑)。
さて、パも2球団増やすのですが、ここは思い切って台湾と韓国に1球団ずつ置きましょう。ムチャクチャ?ええまあ(笑)。
ただ、パ・リーグ6球団による事業会社、パシフィックリーグマーケティングでは、すでに台湾向けの映像配信事業を行っていたりします。おそらく、セ・リーグよりは、世界の市場を意識して運営しているのです。
ていうか、セ・リーグの各球団はまとまりが悪いし、本当に危機意識が希薄だと思うのです。
さて、荒唐無稽のようではありますが、アメリカMLBも国内市場の成長に行き詰まったときがありました。そこで行ったのが球団数の拡張と、中南米&アジアマーケットの開拓。それによって活路を見出しました。
グッズの販売、映像配信、観光ツアーの誘致など、多角的なビジネスを仕掛け、没落しかけていた野球ビジネスを一気に復活させました。
NPBも昔に比べればいろいろと健全になってきましたが、人口減少というこれからの縮小経済の中で、もっと積極的な取り組みが必要なはず。
パ・リーグのほうがそういう視点を持って、危機感を共有してやっています。だから海外2球団拡張です。
もちろん、セ・パで海外球団1チームずつ、独立リーグの発展型1チームずつのほうがバランスはいいですけどね。
くり返しますが、実に荒唐無稽な話です。これを実現させるためには、プロ野球界が一枚岩になって、幾多の障壁を取り除いていかなくてはいけません。
新規参入のカベ、外国人オーナー禁止のカベ、外国人枠についても考え直す必要があるでしょう。
リーグを維持していくためには、地域による格差を平らにするため、富を分配する「社会主義的」な仕組みが必要になるかもしれませんね。
でも、きっとこの「世紀の拡張」により、NPBは、世界の野球人からもっともっと注目される、もっともっと面白いリーグになっていくはずです。
とりあえず、クライマックス・シリーズという悪夢のプレーオフから解放されます。
だから早くやろう!(笑)。
コメント
やめてしまえ!と言ってじゃあ来年から・・・とは行かないのがこのCS。
昨日のDH制ではないけれど、不可逆的な制度なんですよね。
日本もせめて16球団での4地区制あればね。
それと今年なんかの場合。讀賣がリーグ優勝して阪神vs楽天の3位同士の
日本シリーズになれば「読売が黙っていない」論。
いつまで経っても読売が何か言えば、球界が動くという幻想。
これがどうにかならない限り、日本球界が自発的に何かをやるって事には
なりません。
相も変わらず、日本球界の実権は12球団のオーナー会議が握っている。
NPBは単なる運営団体。
これが変わらない限りは、我田引水のオーナー会議の言われるがまま。
CS改革の前に。球界の改革が先に必要なのかも知れません。
読売が言えば罷り通る球界ですから、今年はタイガースが読売にCSファイナルで勝っとかなアカンかったね(笑)
原が3位チームに負けて日本シリーズに行けへんかったら、何かを言うてたでしょからね。
球団数を増やす事や球団を持つ資格云々を精査するのは、自己保身的なオーナーによるオーナー会議だけですからね。
もっと国民の、野球ファンの意見、世論が反映されるとええですね。
タイガースは北川コーチが就任発表されましたね。背番号は80番。一軍、二軍の振り分けは後日発表とか。
ノムさんに三振してヘラヘラしてると言われてトレードに出された過去がありますが、選手に指導をするときにはビシッと指導をして、北川スマイルで選手を上手く育てて貰いたいですね。
昨日のトラオさんの文章を読んだ夜、2年前のブログにタイムスリップ。「嵐の明けた朝に(間違ってるかもしれません)」というタイトルの文章で「外国からの参入」に触れていた。「全文、読みたいなぁ」と思っていたら2日連続の旬だよりの再掲❗ありがたやありがたや。
改めて読んでみると「『虎バカ旬だより』面白かったなぁ‼️」と思う。こちらとは違って敬語を混ぜながらまろやかに語るトラオさん。けど急にシフトチェンジして「覚悟はできてますか?」と言わんばかりに二段上の構想を語る。それが、堪らなく好きだった。こちらとの違いを出す為の戦術だと理解していたから尚更面白かった。じっくり仕上げていたからかボリュームもあった。
もしかしたら…と思って10回ぐらい挑戦してみたが「このサイトにはアクセスできません」と無慈悲に告げる「虎バカ旬だより」。再掲、大歓迎です。タイガースという「木」しか見ていない俺は、野球界という「森」を見ている(予想?想像?)トラオさんの文章を読んで「相手のコメントをよく読んで理解することを心掛けよう」と教えられています。まだまだ理解力は足りませんが「トラオさんの文章を理解したコメントを書きたいなぁ」と、いつも思います。
CS制度改革…携帯会社がどんどん増えているのが野球界の未来に見えます。利益を分けて発展しながら生き残る道を選ぶ覚悟があれば実現するはずです。
ずっとCS反対派でしたが、今年くらいCSがあって良かったと思えるシーズンはなかった。3位と4位との間のこのあまりにも大きな差があの最後の連勝で見せたやぶれかぶれにも見える必死さに繋がっていると思えるから。
今日は箱根駅伝の予選会がありましたが、こちらも同じく本戦出場の分岐点10位と11位の差わずか24秒、1人あたりたった2.4秒が箱根ランナーの栄誉に浴する者とそうでない者を分ける。このほんの少しの差を乗り越えるために全力を尽くす必死さがドラマを生むと信じます。
中日新聞社くらいの事業規模でも歴史あるチームを運営し続け、2012年参入のDeNAも中規模企業ですが、セリーグのスパイスどころか進んだファンサービスを見せています。門戸さえ開かれれば、16球団といわず20くらいまでは需給がありそうですよね。
202x年にはセパに、ANA・JAL加えてアジア、オセアニア、ハワイで開幕戦を行う未来を期待します。他、eスポーツ、健康関連企業、流通企業などのBtoC企業には手を挙げてもらいたいし、クラファンベースの球団なんてあれば虎ファンからそっちに移ってしまいそうですね笑
租税回避に腐心する外資系企業さんにも、ぜひ文化貢献の形で参入してもらいたいものです。
理論的にはCS反対です。理論的にはおかしいじゃないですか。140試合戦って、そこで勝負がついているじゃないですか。しかし現実にはCSがないとつまらない自分がいます。CSは麻薬みたいなものですね。今はアドバンテージがあることで絶妙なバランスで成り立っていると思います。もうこの麻薬を断ち切るのは難しいでしょうから、上手くこの制度を使っていくしかないでしょう。