近本の強みは抗不安能力にあり

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2020シーズン、野手で「この人はレギュラーだ」と当確マークが出ているのは梅野と近本の二人だけだろう。競争相手がどんなにキャンプで頭角を現そうとも、いきなりゴールデングラブ捕手を追いのけることはできないし、同じく盗塁王を下げるには及ばないだろう。他は、大枚はたいたボーアを使わないということはなさそうだが、出遅れなどのコンディション不良があれば、容赦なく代わりのカードを切っていくはず。それは糸井、福留も同じだ。

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その数少ないレギュラーの一人、近本。彼の特長は、人間性の安定感だ。不安とうまく付き合う能力と言ってもいい。
これは普通、人生経験を積むことで少しずつ身につけていくものだ。
体験したことや学んだことから法則を導き、「だから大丈夫だ」と心を落ち着ける。
あるいは、「成功の確率はこの程度だが、こういう理由で選択するのだから結果に後悔しない」という考え方を築き上げて不安を解消する。

先に「普通」と言ったが、人生経験を積んでも人間性に安定感が出てこないだっていくらでもいる。

ただ近本を見ていると、やることなすこと安定感がある。失敗はあるし、まだまだ技術面でも体力面でも完成度は低い。しかし焦りやいらだちはまったく感じない。
知識や経験を積み重ねている段階で、自分を客観的に評価し、必要な課題を着々と進めることで立ち位置を少しずつ上げていく。走塁や守備技術向上への取り組みにしても、SNSを駆使してファンを巻き込んでいく企画にしても、しっかりしたものがある。思いつきや勢いに任せている風はなく、あとさきをしっかり考えての行動を、実におだやかに続けている。
不安に沈む状況をつくり出さない能力。それが近本の特筆すべきキャラクターだ。

2020は、しっかり振り切って、塁上でスタートをガンガン切って、最後までバテないシーズンにする。そのために必要なことをやってくる。
1年やそこらで完成するわけはないが、安定的に着実に進歩していくだろう。そう思わせるのが近本だ。

コメント

  1. 西田辺 より:

    別に野球選手がSNSをやる事は、今時珍しくもないし、ファンにすれば
    より身近に感じられるありがたいアイテム。
    タイガースも多くの選手がSNSで自らの活動報告をしてます。
    そんな中、近本のそれは他とは色が違いますね。
    結構な割合で私生活の部分も載せているし、ファン参加のアンケートなんかも
    実施している。
    この辺りは、本人が歩んできた経験と元来持つキャラクターなんでしょうね。
    元日のデイリーに矢野監督と新井さんの対談記事が載ってましたが、そこに
    近本について、新人で盗塁王を獲得した喜びより赤星の39と言う数字を
    超えられなかった事を強く意識している、という文がありました。
    近本自身が本当にこういう意識で野球をやるなら、凄い。
    ますます来年の近本には注目したくなりますね。

  2. トラ11 より:

    近本の野球に対する探究心には感心します。
    サンテレビで、福本豊さんの重ねてきた成績、106盗塁や本塁打数、安打数などを初めて知り、驚きと尊敬の念を持ったらしく、テレビ出演中にもかかわらず、福本さんにバットの握り方、振り方などを聞きまくってました。
    上手い盗塁の足の使い方なども教えてもらっていましたが、その時の福本さんの軽いフットワークに驚きました。

    なんて楽しみな選手なんだろう!
    怪我無く、野球の歴史に残る選手に成長して欲しいです。

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