野球SNSで人気のDIMEさんの日記。日本のプロ野球がどうあるべきか、マスコミや「一般大衆」に媚びない主張と、破綻のない論理展開が魅力だ。
ここしばらくの日記には、読み応えのある提言が多くある。
そうなのだ。もうこの「全部足して12で割る」という、どこに向かいたいのかサッパリわからない状況では、ただただ荒波の上で漂う小舟のようなのだ。
保護主義か自由主義か。いっそどっちかに決めてみないか?
もちろん、例外事項、特例事項を作ることは良いが、主義を決めた方が良いんじゃないだろうか。
(1)保護主義
日本の現12球団によるリーグを保護することが第一義。
○選手年俸には「下げ圧力」
○対MLBは「閉鎖的」「管理貿易」
・あらゆる制度は徹底的に12球団の戦力を均衡させることを目的に定める。
・リーグの役割は「立法」「行政」「司法」。権力を集中させる。
・収益はリーグで管理し、均等分配をベースに。
・選手年俸は、リーグ基準に従って決定する。原則として球団による格差はない。
・ぜいたく税かサラリーキャップを導入
・メディア事業、IT事業など、各事業についてリーグで効率的に実行する。
・FAの活性化は望まず、スター選手へのご褒美の位置付け。その際も戦力均衡の原則は貫かれる。
・MLBへの移籍についてはポスティングを行って、収益はリーグを通じて分配される。
・各球団の努力に見合う分配については特例として個々に定める。
(2)自由主義
自由競争主義を徹底的に導入し、活性化することが第一義。
○選手年俸には「上げ圧力」
○球団数や下部リーグなど「拡大路線」
○対MLBは「開放的」「自由貿易」
・あらゆる制度は自由競争の阻害を廃止することを旨とする。
・たとえばドラフト廃止、契約終了=FAなど
・リーグの役割は「司法」。権限は最小に限定する。
・収益は球団のもの。原則として格差を埋める「救いの手」はない。
・新規参入や球団譲渡についての障壁はなくし、下部リーグなどの拡大路線を徹底。
・選手年俸は、球団独自査定による。払いたいだけ払えば良い。
・もちろんFA制度など存在しない。選手は、いつでも、MLB球団を含めたどこの球団とも自由に契約できる。
・協力して行う事業についての出資、分配については特例として個々に定める。
コメント
toraoさん、こんにちは
全12球団と言う現行のプロ野球を維持していくなら(1)保護主義が基本線ですね。
セパ各リーグに6球団しかない中で、戦力の格差が極端に広がったら面白くありませんから、プロ野球の魅力を保つためには自ずと戦力均衡化が必要になります。
FAやドラフト制度も戦力均衡に繋がる方向で制度設計するべきです。
とは言え、収益をNPBが一括管理することには絶対ならないと断言できますし、FAが廃止されることもあり得ませんから戦力均衡にも限度があります。
12球団人気・収益力などの格差をある程度認めた上で、緩やかな戦力均衡の実現を目指すのが現実的な選択肢だと思います。
さしあたり、現在の球界で戦力の格差が生まれている原因であるFA制度を変える必要があります。
MLBのようにFAで選手を失った球団はドラフトで見返りを得られるような制度が望ましいと考えます。
それによって戦力均衡はある程度実現されるはずです。
現実にMLBではドラフトを上手く活用することによって、総年俸は低くても戦力は強い球団と言うのが存在します。
(2)自由主義について言うと、日本では実現し得ないと考えます。
なぜなら、球団数を増やしていくだけのマーケットが日本にはないからです。
現在の北海道、東北、千葉、神奈川、東京、埼玉、愛知、大阪、神戸、広島、福岡くらいで既に限界でしょう。
あとは北陸、四国に一つずつ球団を作れるかどうかと言ったくらいではないでしょうか。
もっとも、あと二球団作って各リーグ7球団にしても逆に試合運営がやり辛くなりますから、現在の12球団でやっていくしかありません。
球団数を増やしていけない以上、自由主義路線はとりようがありません。
保護主義にせよ自由主義にせよ、野球人気が高まらないことには話になりません。
国際舞台で好成績を残すことは、フィギュアスケートを見てもわかるように、人気アップの大きな一助です。
そういった意味でも、きょうからの五輪予選で、日本チームには素晴らしい戦いと結果を示してほしいです。
こればっかりは米の圧力も無さそうだ。
われ等の国民性としては(1)の方が得意であるのは明白…でもあこがれの自由!は今更捨てられへんわ。
保護主義はNPB,自由主義はMLBのイメージが私にはあります。的外れかも知れませんが、私は必ずしもMLBのシステムが優れているとは思いません。今のMLBの好景気は、スポンサー契約等を含めると最低4年は続くでしょうが、以前A-RODが結んだ10年契約後ITバブルがはじけて、殆どのチームが赤字になり球団削減問題が出た様に必ずゆり戻しはやってくると思います。
私的には、MLBよりもNBA,NFLのシステムを参考にする方が良いと思います。
試合数の違い等はありますが、特にNBAのドラフトのロッタリー制度(下位球団ほど1位指名権が当たりやすく、交渉権自体トレードできる)や年俸
の上限を年齢別に定め、且つ自チームとの再契約が最も高い契約を結べるFA制度、制限つきFA
等の方が格差をなくす為の制度としては、遥かに優れていると思います。事実NBAでは、MLBと違い大都市チームが低迷する事がよくあります。
このNBAの制度自体も欠点はあるでしょうし、日本より市場が格段に大きいのも分かりますが、
MLBだけでなく他のプロスポーツに目を向ける事も大事ではないでしょうか?事実日本でも浦和レッズの様に独立採算を確立させかけているところもあるのですから。
いい加減、視野を広めないと手遅れになりかねないと私は思いますが・・・
五輪予選で韓国に負ければどちらかに加速するのでは。MLB流出のせいでこうなったと総括されれば1に、もはや日本が東アジアの盟主面する時代は終わったと総括されれば、東アジアのプロリーグ統合という形で2に。「五輪最優先条項を契約に入れない限り海外契約禁止」なんて妙な案に流れる可能性もありますが。
取り上げていただいたのにご挨拶が送れて申し訳有りません。過分なお褒めをいただいてしまって恐縮です。
本人はいつもどっかに破綻がないか冷や冷やしながら書いてるんですが、どっかないですかね(笑)、あったらご指摘いただけると幸いです。
1点だけ、保護主義の方がFA必須かと思います。FAが無いと主力選手の市場原理による年俸設定が阻害され、収益分配や球団格差是正をしても意味がなくなります。
他の方もNFLやNBAを例に出されていますが、やはりより保護主義に近いほど、選手の入れ替わりは激しいです。
かといって自由主義のほうでも自由に移籍してしまうのは防げ得ないところではあるんですが、収支均衡という目的が無い分だけ、どうにか条件を付け加えて多数の選手の移籍を抑制することは出来なくも無いと思っています。
保護主義の中ではNFLのように1名だけ、とかが限界だと思います、ただ、あれも果てしなくマネーゲームになる前提ですからね。
to 通りすがりの巨人ファンさま
>全12球団と言う現行のプロ野球を維持していくなら…
今回の議題は、まさにここなんですよ。「球団の数(12球団)を維持すること」に最上の価値を置きつづけられるか、それでやっていけるか。
ところで、球団を増やすことが不可能という結論ですが、それは「現在と同じ規模の」という注釈付きでしょう。アメリカ・メジャースポーツの例だけでなく、マイナーリーグ、ヨーロッパ式のクラブや、近くはJ1、J2と拡大し続けてきた日本サッカーの例も参考にできるのではないでしょうか。
to 一虎ファンさま
>保護主義にせよ自由主義にせよ、野球人気が高まらないことには…
というより、野球人気を高めるためには、中途半端なことをやっていないで、保護主義により徹底的な戦力均衡を作り出すか、自由主義によって入れ替え制まで考えに入れたダイナミックさを導入するか、そういうお話だったわけです。
逆に言うと、五輪(もうこれでおしまい)、WBC(次もあるか、先もあり続けるかわからない)という国際試合の中で、どうすれば国内リーグを上げられるか、先送りはゆるされません。
to やっぱりトラさま
そう。でも(1)を見事にやってのけたあかつきには、「談合」になってそうでっせ(笑)。
to 源五郎丸さま
どう考えてもトップリーグであるMLBこそ、実はNFL的、保護主義による成功が保証されているのだと思います。歴史と伝統のゆえに、それはMLBでは導入されないのでしょう。球団譲渡のハードルが低いことが良いガス抜きになってはいるのでしょうね。
to のののーさま
何があっても何も変わらないに5万ウォン!(笑)
to DIMEさま
あ、いけね。ごめんなさい、なんのご挨拶にもうかがわず…逆に来て頂いちゃって…。
>本人はいつもどっかに破綻がないか冷や冷やしながら書いてる…
またまた(笑)。私のようにあっちへフラフラ…じゃないですからね、DIMEさんは。
ああなるほど、そうかも知れませんね。12球団のバランスをとろうとしたら、おもりを動かして調節するしかないと。動かすためにはトレードだけじゃ足りないと。うんなるほど。